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絶対製造工場 みんなのレビュー

  • 著:カレル・チャペック, 訳:飯島周
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紙の本

紙の本絶対製造工場

2010/09/01 15:03

90年前の作品が我々に提示するものは何か?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 著者は、20世紀初めのチェコの作家。著者のことは、「R.U.R(Rossum's Universal Robots)」という作品で「ロボット」という言葉を世に送り出した作家として記憶されている方も多いだろう。この作品は、1921年の「R.U.R」の発表の直後から翌年にかけて「人民新聞」に連載されたもの。つまり実に90年も前の作品なのだ。

 ある優秀な技師が、物質の原子エネルギーを完全に消費する装置「カルブラートル」を発明した。その装置では、1キログラムの石炭で工場を数百時間稼動させることができるという。「夢のエネルギー機関」であるこの装置は、瞬く間に世界中の工場、輸送機関、発電所などに導入される。

 しかし、この装置では燃料である石炭が完全に消滅すると同時に、物質に閉じ込められていたあるものが顕現するという。それが「絶対」。それで、タイトルが「絶対製造工場」というわけだ。そして「絶対」とは「神」に近しいもので、「絶対」に触れた者には宗教的な無私の心が宿り、ある者は預言を行い、ある者は奇跡さえ起こす。至るところに「神」が降臨した形になった。

 この後に起きたことは何か?世界にたくさんの「神」が現れるとどうなるか?あまり詳しくは言えないけれど「神の国」のような平和が訪れたわけではない。「カルブラートル」とそれが生み出す「絶対」は、我々人類の手に負えるものではなかったようだ。

 本書の「カルブラートル」を原子力機関と重ねて見ることで、核兵器や原子力事故の悲劇を予見したものとして「今も色あせない」と評することはできる。しかし、著者の意図はそこではなかったようだ。著者は、未来の予見ではなく不変の「人間の性(さが)」を描いたのだった。それは90年後の今も変わらない。その意味では「今も色あせない」と言える。

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