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寺田寅彦 科学者とあたま みんなのレビュー

  • 寺田寅彦 著
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紙の本

寺田寅彦 科学者とあたま

紙の本寺田寅彦 科学者とあたま

2016/08/20 18:59

珠玉「団栗」

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投稿者:親譲りの無鉄砲 - この投稿者のレビュー一覧を見る

寺田寅彦は旧制五高(熊本)在学中、英語教師だった夏目漱石と出会い、漱石の生涯にわたって、師弟としての付き合いを結ぶことになった。その交流は、漱石の「吾輩は猫である」に登場する、寅彦がモデルであるといわれる物理学者・水島寒月にまつわるエピソード等として垣間見ることができる。そういうわけで、本随筆集の中には、漱石の「吾輩は猫である」を連載していた「ホトトギス」に掲載されたものもある。本書収録の「団栗」も明治38年4月に同誌に載った。寅彦27歳の作品である。漱石はこれを「ちょっと面白く」と褒めたということだ。本作についてのみいえば、随筆というより小説といった方がよいだろう。
 寅彦は、五高生だった18歳の時に、陸軍少将の娘、坂井夏子と結婚した。夏子はこの時14歳だった。しかし夏子はまもなく肺を病んで、19歳の若さで没した。二人の間には貞子と名付けられた忘れ形見が生まれたが、寅彦の実家に引き取られ、夏子はわが子を自分の手で育てることもできなかった。「団栗」には露わには書いていないが、二人で(小石川)植物園を訪れたのは、夏子が東京を離れ、高知で療養生活を送る直前のことで、夫婦の思い出づくりの為だったともいわれる。実際に東京で結婚生活を始めたのは、寅彦が帝大生になってからのことで、それまでは、行儀作法を習い家風に親しむため、夫の実家のある高知で別居生活を送った。だから夫婦としての時間を過ごしたのは1年に満たなかったのだ。このとき、夏子は5か月の身重だった。「団栗」には、30歳ぐらいの若い母親が植物園の池の東屋で男女の小さな子供を遊ばせているのをみた夏子が、「あんな女の子が欲しいわねえ」というシーンがあるが、その後の夏子の運命の儚さを思うと、何とも物悲しい。それから何年かして、寅彦は娘(本作ではみつ坊と呼んでいる)と植物園に遊びに来るのだが、亡き妻と同じように無邪気に団栗拾いに興じるその姿を見て、他のことなら何でも娘が亡き妻に似るのはかまわないが、薄幸だった妻の「運命」だけは娘に味わわせたくない、と思うところで、「団栗」は終わる。漱石は、その余情を「面白い」と表現した。
 本書収録の随筆には、漱石が読んでいたであろうものは、残念ながら他にはない。寅彦38歳の時に漱石が亡くなっているからである。

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