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兵隊やくざ みんなのレビュー

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紙の本

兵隊やくざ 貴三郎一代 新装版

紙の本兵隊やくざ 貴三郎一代 新装版

2012/11/08 22:36

迷妄のパラダイス

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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

勝新太郎主演の映画「兵隊やくざ」が有名すぎる原作小説で、一時は松本清張と並ぶ社会派推理小説の代表だった有馬頼義の作品。どこぞのよい家の子弟らしいが徴兵されて北満州に送り込まれた3年兵が語り手となって、その相部屋すなわち戦友として入ってきた新兵が貴三郎という男。
貴三郎は浪曲を志したというが叶わずヤクザになっていたというのに加えて、とにかくガタイがいい。映画ではどうか知らないが、特に暴れん坊というのでもなく、むしろ人情に通じ、考え方も柔軟で実際的、しかしその体力で人を圧することができることを自覚している。いずれにしろ軍隊ではいろいろな意味で問題児である。軍隊お決まりのリンチにも逆らいはしないが、いくら殴られても堪えないというのだから、とにかく厄介。相部屋の上等兵はこれをなんとか軍の組織に順応させて無事に勤め上げさせなければならない。そうしなければ自分の身が危ないというのもあるが、それが自分の使命であると感じているのだ。
上等兵は昭和15年に徴兵されて、18年に除隊するのだが、ここはまだソ連軍と睨み合っている状態で、戦端は開かれていない、意外に牧歌的とも言える状況にあり、彼らにとって生き延びることはすなわち軍の組織に順応することのようだった。
部隊から脱落者を出さないというのが第一の目的とはいえ、上等兵も規格外の貴三郎の行動原理が理解できるようになり、貴三郎もそれに応えて呼吸の合うコンビになっていき、軍、そして前戦という非日常の空間を泳ぎ渡っていく。軍という組織の非人間性を告発するというスタイルではなく、同じ人間で構成されていても生産を目的とする日常社会と、破壊と浪費を目的とする軍隊では、まったく異なるロジックが支配するということを前提に、人がそこに適応していく過程がストーリーの骨になっている。ただいかにそれをさりげない風に書いても、やはり奇妙な生態であることは覆えない。
ただしここにもう一つトリックがあって、この上等兵の身の上は、やはり御曹司であった作者自身の従軍経験に重なっており、そこにまったくの自分の力で組織内の地位を得た作者にとっては、ある種の否定すべからざる場所であるということだ。そうは言ってもそれなりに身の削られるような辛い思いもしたに違いない。聖域であって、かつ異常空間。その歪みの中で結びつき安寧を得る彼らは、娼伎をめぐっての倒錯した関係にまで辿り着く。訓練や歩哨などに明け暮れる中でも、兵隊を消耗品として扱う理不尽な世界で、正面切って否定はしないでも、貴三郎のような枠からはみ出した男のもたらす世界を夢見ていた作者にも、屈折した哀しさが見えて来る。

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