勝負論 みんなのレビュー
- 井出 洋介
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2003/12/18 19:19
人生の勝負も勝たなければならない
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投稿者:夕顔の丘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「勝負」は時の運などというが、それだけではない。やはり実力が伴わなければ勝ち進めない。されど勝負には絶対に勝てる法則もないのである。とかく麻雀では意外なほど番狂わせが起こる。何故なのだろう? 著者は雀歴20数年のプロ麻雀士。プロの立場から解答は用意している。勝負でいつも勝ち組に入れるのは、素早く勝負の機転が読めて勝機を活かせる人である。勝機の気配を察しても行動を起こせない人はいつも負け組である。人生においても成功する人、成功しない人の差はそこにある。この本には麻雀で負けない方法論と、人生に役立つヒントを記している。
麻雀といえば、とかくギャンブルを想像する人が後を立たない。今でもギャンブルで破産した報道などがあると、痛烈な社会悪と蔑まれる。とくに女性の批判は過激であるようだ。それでも著者は、多くの女性たちをターゲツトに麻雀教室を開催し、麻雀のおもしろさ、楽しさに触れさせながら、少しずつ理解の輪を広げている。何故そこまでするのだろう。著者は麻雀が、健全な目標と目的をもつ「競技スポーツ」として認めて欲しいのである。既に、中国では2003年から麻雀が「競技スポーツ」として認可されている。
私は、第三章がとても参考になった。「テンパイ、リーチはかかるけどなかなかアガれない。ただツイてないのではなくテンパイの形がアガりにくくなっている」のだから打ち方を変えてみる。だけれどやはりここは「何が目的でどれがそのための手段なのかを認識すれば、考えることや、やることも変る。目的が大切なら目的は変えない。変えるべきは手段」である。ようするに「法律も慣習もマニュアルも目的のための手段であるから、目的に添わなくなったのなら変える。」(p105)それも勝負の持つ筋書きの一つではないのか。
本書を読めば麻雀の勝率は格段に上がるだろう。麻雀を知らない人でも人生の勝率を上げられるのではないか。それでも勝負に関わるときは何かに縋るような弱い心が起きるものだ。それが勝負の宿命かもしれない。人生の勝負も「人事を尽くして天命を待つ」ではないが、的確な判断を怠っては成就もおぼつかないし、成功も勝ち取れない。だから頑張るしかないのである。
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