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正倉院あぜくら通信 宝物と向き合う日々 みんなのレビュー

  • 杉本一樹 (著)
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紙の本

正倉院展の季節に

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:辰巳屋カルダモン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 正倉院はよくタイムカプセルに例えられる。
8世紀から大切に保管され伝えられてきた、正真正銘の「宝物」だ。
著者は宮内庁正倉院事務所長で、本書は月刊誌に連載されたエッセイをまとめたもの。
春の全宝物点検、秋の正倉院展の話題を中心に、修理・復元・模造にかかわる作業の様子が語られる。
華やかな正倉院の表舞台を支える、知られざる裏方のエピソードが満載だ。

「宝物第一、『ひと』は二の次」ということばが印象的だ。
唯一無二の宝物を扱う作業にマニュアルはなく、ひとつひとつ経験を積んで覚えていくしかない。
「繰り返されること、あるいは、繰り返し見ることで、少しずつ、少しずつ染み込んでいくもの。この積み上げが貴重なのだ。安全に宝物を扱うことができたとき、その動きは、無駄なものがそぎ落とされ、結果的に洗練されたものに見える。逆ではないよ。上手な扱いを狙うと、碌なことにはならないよ……」(98頁)

 建物自体が国宝である正倉院そのものに、宝物は保管されていない。
現在の収蔵設備は昭和30年代の建物で、かれこれ50年前のもの。
かなり古いな、という印象だが、著者によれば「千二百余年過ごした倉を離れてようやく新しい倉に慣れてきたといえる」ということになる。
「正倉院時間」とでも呼ぶべき、百年単位の時間の流れがここではリアルなのだ。

 悠久の正倉院時間と秒刻みの現実時間を行き来する著者らの苦労を思うが、そんなことをも楽しんでいるかのようだ。
語り口はユーモアにあふれ、実に軽やか。ちょっと硬い話もスイスイ読める。

 正倉院展出陳品の選定を「献立」に例えているのは面白い!
「その年その年の『旬』の素材」を意識している、と語る。
文書の場合、とくに「栄養バランス」に留意する、そうである。

 折りしも、秋、正倉院展の季節。
本書と共に、悠久の正倉院時間を体験してみてはいかがだろう。

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