乙女革命アヤメの! みんなのレビュー
- 志茂文彦, 緋賀ゆかり
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紙の本乙女革命アヤメの! 1
2008/12/01 14:06
アヤメやカキツバタよりも咲き乱れるのは百合!
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
いわゆるTS物とは一線を画した作品である。最初から続巻を想定してあるようで現時点では謎が多い。2人のヒロイン【アヤメ】と【姫子】は容姿こそ同一だが性格はまるで異なる別人である。姫子のいる世界、というか学校に突然現れたのがアヤメである。そしてこの学校は全寮制の女子校であり教員も女性ばかりで男は登場しない。強いて言えばアヤメの中身が男かもしれないくらいである。なので校内および寮内は基本的に百合色である。といっても可愛らしいもので抵抗感は無い。あらすじにもあるように途中から姫子が黒くなるが、どちらかと言えば秘めた目的のためにあえてそう振る舞っているようで、時折見せる素振りに姫子本来の姿があるように思う。身代わりを続けながら2人の距離が近づいていく展開が良く、双方にとってかけがえの無い存在になりそうな予感を抱かせてくれるが、アヤメの正体如何では悲しい結末になるかも。他にも学校のこと、校則違反(これがまた微笑ましい違反)を繰り返す集団「夜啼鶯の宮」のこと、姫子の家系のこと、所々で2人を助けるクラスメイト【エルザ】のことなど、数多く点在する謎が如何に解明されていくかが次巻への楽しみとなっている。あと百合色に魅力的な登場人物ばかりの中で、姫子を勝手にライバル視する【樹里亜】や中等部の妄想娘【由麻】がどのように絡んでくるかも今後の読みどころ。由麻は本巻で相応に活躍(?)したが樹里亜はむしろこれからだと思う、というか活躍して欲しい。ベタなツンデレだがとても可愛い娘である。少女漫画と萌え絵をミックスして上品に仕上げたような挿絵も実にマッチしており、全体として雰囲気の良い作品である。
紙の本乙女革命アヤメの! 3
2009/08/11 23:41
最後まで天の邪鬼な姫子を救っての完結
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
キャラがようやく独り歩きし出したのに……と残念な完結である。今回、満を持して(?)やってくれたのが樹里亜。ナイス過ぎる獅子奮迅の大活躍である。姫子の本性が白日のもとに晒されるや樹里亜の正義が大爆発!その横暴に立ち向かう正義の味方として蛮勇を振るい始めるのだが、これに成り行きからアヤメが巻き込まれる展開が前半である。その出で立ち(P.132)がなんとも可笑しくて微笑ましい。後半ではいよいよタイトルの「乙女革命」が勃発してアヤメの正体も明かされる。なかなかの盛り上がりを見せる展開の中で姫子の企ても明らかになるのだが、これがまた遠大かつ裏の裏を読み切った計略で、15歳の娘っ子が企てるには出来過ぎじゃありませんか?というか、第1巻から全部姫子の策略だったのですか?と思わなくもない。なんでもかんでもお見通し過ぎな姫子だが、本当の本性を看破するアヤメによって救われる展開は良かったと思う。最後の、実にこの2人らしい折衷案によって見せる結末は、当初と立場逆転の入れ替わりが秀逸なもの。伏線もしっかり回収されながら続きも描けそうな終わり方になっている。あとがきにあるように「第二シリーズ」を期待したい。あまり描かれなかった蘇芳家の方とか、樹里亜メインのスピンオフとか、いろいろと後日談絡みの短編集でもイケると思うので。
紙の本乙女革命アヤメの! 2
2009/04/29 15:51
よりキャラが立ってきて面白さが増した
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
前巻と同じく可愛らしい百合色な作風が読んでいて楽しい作品である。登場人物達がキャラ立ちし始めてきており、作品世界を自由闊達に動き回り、個性も出始めたことから、姫子がさほど前面に出張らなくてもよくなってきている。では、代わりに本巻で活躍しているのは誰か、それは実を言うと表紙を飾っている樹里亜ではない。というか樹里亜だけではない。前巻より続けて登場の由麻、エルザ、杏奈、そして新登場の【蘇芳美環子】や【刈谷純】、つまり口絵裏側に描かれている少女達全員が、それぞれの役割を全うして見せ場をつくっている。その意味では小さなエピソードがいっぱい詰まった内容とも言える。例えば樹里亜などは、本編の学院府長(生徒会長)選挙や刈谷先輩の思い出には絡まないのだが、アヤメへの勝手な疑惑で独り暴走したり、エルザの口車にのせられたりと、かしましコメディエンヌを一手に引き受けて華を添えている。もぅ出てくるだけで笑える娘である。そして、何と言っても今回縁の下の力持ち的活躍を見せたのがアヤメ。姫子との入れ替わりであたふたしながらも真摯に振る舞い、姫子として由麻の想いを受け止め、杏奈の心を救った姿が好印象だった。姫子もアヤメの姿では伸び伸びできるようで、アヤメとして楽しみながら、お互いがお互いの立場や心境を少し理解するような雰囲気も滲み出ている。こうした百合百合な日常に頁を費やしたからか『封じられたもの』との、いわゆるバトルはかなりあっさりしているものの全然気にならない、というか無くても良いくらいである。それでも巫女としての姫子と美環子との関係やアヤメの正体(?)を示唆する言い伝えなど、核心部分に近づく情報も(小出しだが)出されてきており、次巻への楽しみを充分に残している。巻末たった3頁のエピローグが、最初は頁合わせの書き足しかと思ったのだが、これはこれでアヤメと姫子の今の信頼関係やアヤメらしさの出た心暖まるもので良かった。
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