サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

修正:全商品20%OFFクーポン(1215-17)

12/1 100万ポイント山分け!必ずもらえるキャンペーン(~1/8)

電子書籍

太った男を殺しますか?――「トロリー問題」が教えてくれること みんなのレビュー

  • デイヴィッド・エドモンズ, 鬼澤忍, ヤギワタル
予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー1件

みんなの評価5.0

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本

太った男を殺しますか? 「トロリー問題」が教えてくれること

倫理の本質に迫る重要な思考実験

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:miyajima - この投稿者のレビュー一覧を見る

1968年、「オックスフォードレビュー」にある論文が掲載されました。このわずか14pの論文で発表された難問がちょっとした学術業界を生み、現在まで続く議論の幕開けとなりました。

その後実に様々なバリエーションを生んだことから「路面電車学(トロリオロジー)」という冗談めかした言葉が定着したほどです。

トロリオロジーの生みの親であるフィリッパ・フットはこの難問には正しい答えがあると信じていました。ですが、結局現在に至るまで解決はできていません。それどころか、功利主義だとか二重結果論だとか、義務論といった倫理学の限界や欠陥を示すものだとさえ言われているのです。

さて、あまりにもたくさんのバリエーションが生まれたので、フットの考えたオリジナルを再掲します(抄)。
「一人の男が線路わきに立っていると、暴走列車が突進してくるのが目に入る。前方では五人の男が線路に縛られている。だが、男の傍らには転轍機があり、レバーを倒せば分岐線に引き込める。しかし分岐線には一人の人が縛り付けられている。どうすればいいか?」というものです。

で、もう一つの有名なバリエーションが以下です。これはMITのジュディス・ジャーヴィス・トムソンがフットの思考実験に触発されて書いたものです。(抄)

「あなたは線路を見下ろす跨線橋に立っている。路面電車が線路を疾走しており、その先で五人の男たちが線路に縛りつけられている。跨線橋にはものすごく太った男がいて、手すりから身を乗り出している。この男を突飛ばせば線路に転落する。ものすごく太っているのでその巨体に衝突した路面電車は停止するはずだ。あなたは太った男を殺すべきだろうか?」

フットのオリジナルでは多くの人が5人を助けるために分岐線に引き込むことはやむを得ない、それどころかそうすべきだ、と考えます。ですが、一転して、トムソンの派生形では男を殺すことにほとんどの人が躊躇します。

倫理学はこの問題をいまだに解決できていないというのです。この二つの問いに対する答えの差を正当化できるのか?という問題です。

ベンサムが唱えた功利主義ではすべては数字に還元されますから、前者はもちろんですが後者の場合でも「太った男を殺すべき」となるはずです。ですが、相当教条主義的なベンサム主義者でもそれは躊躇します。極端なことを言えば一人の男を殺して臓器を取り出せば五人が助かるとなれば殺人は正当化されてしまうではないか、という反論がなされるのです。

次いでカトリック神学に基づいてトマス・アクイナスが考えた二重結果論が検討されます。この二重結果論はもともと中絶が認められるのはまれにしかない理由を説明するために必要とされたものですが、現在は法律・医療・戦争のルールに組み込まれている重要なものです。

二重結果論に基づけば前者の場合、一人の男が死ぬことは予見していても直接の殺害行為はないので許され、後者の場合は太った男を突き落とすことは殺害を意図していたので許されなくなります。これでよし、とする哲学者も多いようです。

ですが、本書にはさらにその確信をぐらつかせる派生問題が次々と登場しますし、その成否を検討するにあたってカントの定言命法などへの論及もあります。この問題は単なる頭の体操的な取り上げられ方をすることもあるのですが、倫理というモノの本質に迫る重要な思考実験であることは間違いないようです。これをきっかけにしてとりあえずは功利主義を少し勉強してみる気になりました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示