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江戸文化評判記 雅俗融和の世界 みんなのレビュー

  • 中野三敏 (著)
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紙の本

江戸文化評判記 雅俗融和の世界

生っ粋の江戸通の心意気

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:北祭 - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者は江戸文学の探究者。かの森銑三翁が会主を務めた三古会という談話会のメンバーといえば、その筋金の入った江戸通ぶりが分かってもらえるだろうか。(ちなみに、三古会とは、昭和九年に渡部刀水翁と森銑三翁との二名が作った人物の研究会。尚古、考古、集古をして三古と称す)
かつて開高健は著者の『戯作研究』について「この著者は、論文を書くしかないから論文でも書くかという態度で書いているのではない。江戸時代の戯作が多年にわたって好きで好きでしかたなく、“学”の魔に吸引されるままにペンで文字を彫っていらっしゃるのである。いわば玩物立志とでもいうべきものである。そこに地金のいぶし銀のような底光りがある」と評した。そのペンの冴えは本書でも如何なく発揮されている。
著者は文化についてこう語る。
「けだし文化というものは、進歩主義や進化論では捉えられないのが実際ではないだろうか。江戸には江戸の文化があり、現代には現代の文化がある。…それぞれの時代の文化は、それぞれに質のちがいがあって、ある時代の文化は、まさしくその時代にしか生まれない文化なのである」
そこに近代からみて都合のよいものがあるかないかではなく、江戸の文化をそのままに、完熟した果実のごとくに味わう。そんな生っ粋の江戸通の心意気を伝えてくれる。
著者は江戸の文化というものの本質について、中村幸彦氏が指摘したところの「雅」と「俗」というキーワードをもってあらわす。著者のみるところ、江戸の文化とは、伝統文化「雅」と新興の文化「俗」という二元性がしっかり保たれ、この価値観の逆転はついには起こらなかった。その前期は「雅」中心、後期は「俗」中心、そして中期は「雅」と「俗」を並存して融和する、という特徴を示し、もっとも江戸らしい文化というのは、まさにこの「雅俗融和」の文化を指すのだという。
理屈はこれくらいのものである。以降、全篇、成熟する江戸の風俗や、その時代に生きた個性豊かな人物評が、縦横無尽にオムニバスで語られる。絵図や和本や俳書などの写真をふんだんに盛り込み、見る目を空きさせない作りである。
黄表紙界の大名物『江戸生艶気樺焼』の主人公・仇気屋の艶二郎、江戸の風流人・自墜落先生の印象深い伝記、江戸とは切ってもきれない三村竹清翁や森銑三翁の話など、これが新書であるゆえの一篇の短さが何とも彼とも口惜しいほどの出来栄え。また、著者は斎藤緑雨の警句のみを集めた『緑雨警語』の編註人。あの本が総ルビなのは著者のこだわりの反映だとか。
本書のように、“江戸ブーム”に捉われず、本当に、純粋に、江戸の文化そのものが好きな人が書きたいように書いた書物は、存外得がたいものである。

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