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ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場 みんなのレビュー

  • 松岡完 (著)
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みんなのレビュー2件

みんなの評価4.5

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紙の本

ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場

歴史の一こまになったベトナム戦争

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小田中直樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 一九七〇年代前半、僕は小学生だった。石油ショックでトイレットペーパーの買いだめに走ったとか、色々どたばたした時代だったけど、わりと記憶ははっきりしてる。僕にとっては同時代なのだ。だから、ベトナム戦争を歴史として描いたこの本を読んで、僕は深い感慨に襲われた。そうか、あの時代も歴史の一こまになったのか。もちろん、ベトナム戦争が始まったのは一九六〇年代だし、終わってからも四半世紀以上が経った。歴史になるには、もう十分な時間が経ったのかもしれない。この、新書としては異例に厚い本のなかで、著者の松岡さんは、ベトナム民主共和国の成立から、フランスやアメリカ合衆国の介入をへて、パリ協定とサイゴン陥落に至る歴史の流れを、様々な視角から跡付けた。松岡さんによると、この戦争は、何よりも民族の世紀とアメリカの世紀の衝突であり、イデオロギーやマスメディアや科学技術が大きな役割を果たしたという点で現代を象徴する事件であり、南ベトナム政府、北ベトナム政府、南ベトナム解放勢力、合衆国政府、フランス、ソ連、中国、そして各国の世論といったアクターが複雑な合従連衡を繰り広げた場だった。そして、その傷痕(ベトナム症候群)は、とくに合衆国とベトナムで、今でも深く残っている。
 この本のメリットは次の三点だ。第一、ベトナム戦争を、歴史上の事件として、クールにリアルに描いたこと。ちょっと前までベトナム戦争といえば、社会主義の勝利だとか民族解放運動の精華だとかって称賛されたかと思えば、自由主義世界の歴史の汚点だとかポルポトの大量虐殺や中越戦争の原因だとかって批判された。まさに同時代の事件として、この戦争はイデオロギー的で心情的な眼差しの対象になってきたわけだ。でも松岡さんは、歴史家の眼で、戦争に参加した各勢力の長所も短所も明示する。時代はめぐり、一九七〇年代は歴史学の対象になった。
 第二、ベトナム戦争が複数の側面を持った複雑な事件だったことを示したこと。ちょっと前までベトナム戦争といえば、社会主義対資本主義か、せいぜいそれに民族主義対帝国主義を付け足した対立軸のなかで捉えられた。でも松岡さんは、何と六つの対立軸(社会主義対資本主義、南ベトナム解放勢力対北ベトナム、中国対ベトナム、合衆国対南ベトナム政府、合衆国対東南アジア諸国、合衆国政府対合衆国の世論)を使わなければ、この戦争の全貌には迫れないと考えた。そして、この作業によって、北ベトナムが南ベトナムの武力解放を決意した理由は米中接近だったとか、合衆国の中国封じ込め政策が失敗した理由は東南アジア諸国の反発だったとか、南北ベトナム分割を望んでたソ連が統一を狙う北ベトナムに急接近した理由は中ソ対立だったとか、これまでの対立軸だけでは十分にわからなかったことが、色々と明らかになった。
 第三、合衆国のベトナム症候群が今も残ってることを指摘したこと。あれから四半世紀、合衆国は湾岸戦争をし、ユーゴスラヴィアを空爆したけど、いまだにミーイズムや政治不信や自信と価値観の喪失といったベトナム症候群に苦しんでる。松岡さんによれば、これは風化するのを待つしかない。戦争の傷痕は、こんなところにも残るのだ。
 もちろんこの本が全てを明らかにしたわけじゃない。たとえば、ホー・チ・ミンの思想のなかで、社会主義と民族主義はどんな関係にあったか(触れられてるけど明らかにはなってない)。ディエンビエンフー事件に際して、ダレス(合衆国国務長官)が提唱した派兵に合衆国議会やイギリスが反対したのはなぜか。でも、ベトナム戦争が歴史として描かれたことの衝撃に比べれば、それらは小さい問題だと僕は思ってしまう。[小田中直樹]

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紙の本

ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場

ベトナム戦争の全体像を浮かび上がらせる画期的な書!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

アメリカ軍の撤退完了から、すでに40年が過ぎようとしており、ベトナム戦争は忘却の淵に沈みかけています。ベトナムでも、アメリカでも、この戦争を知らない世代が着実に増えてきています。しかし、その一方で、その実像を明らかにし、両国の誤算と誤解の解明を目指す試みが始まっていることも確かです。ベトナムは、「民族の世紀」と「アメリカの世紀」が激突した戦場であり、各地に飛び火する地域戦争の原型といえるでしょう。詳細な記述で、ベトナム戦争の全体像を浮かび上がらせた画期的な書と言えるでしょう。

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