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電子書籍

物語 イタリアの歴史 解体から統一まで みんなのレビュー

  • 著:藤沢道郎
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みんなのレビュー1件

みんなの評価4.3

評価内訳

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紙の本

物語イタリアの歴史 解体から統一まで

「イタリア史」の見事な成功例。

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アルテミス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「イタリア史は可能か」、という問いがある。
 西ローマ帝国崩壊後、イタリア半島およびシチリア・サルデーニャ島が統一されるのは、19世紀のイタリア王国建国まで待たねばならない。その間「イタリア」は分裂し、ある地域は都市国家として独自の道を行き、ある地域は「イタリアの外」の国家に征服されその支配の下に忍従する。「イタリア」にある歴史はそれぞれの地域史で、「イタリア史」ではない、とする意見は一見もっともである。

 「イタリア史」と題した書物でのこの分裂期間の処理は、二つのパターンがある。
 ひとつは、大まかな傾向を述べて、それに代表例を付け加える、というもの。これは無難な方法であるが、歴史の表面をなぞって終わることになる。
 もうひとつは、有力であった5つの国(ローマ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ミラノ、ナポリ−シチリア)を交互に述べてゆく、というもの。前者よりは掘り下げが可能であるが、内容が散漫になりやすい。第一その5つの地域も長期にわたって一貫した国体を維持しえたのはローマ法王庁とヴェネツィア共和国だけである。

 しかし、この期間のみを取り上げながら、見事に「イタリア史」となっているのが本書である。
 目次をさらっと見ただけでは単なる人物列伝のようである。しかしその人選は、時代を積極的に動かしていった人物ばかりでない。10人のうち支配者層に属すのは半数のみ。残り5人は、(著名人ではあり周辺への影響力のあるものもあるが)あくまで個人レベルで苦闘していたにすぎない。
 ではこの人選の基準は何かといえば、それはそれぞれの時代の精神を、少なくともその一方の極を体現している、ということであろう。
 時代に翻弄される人物を生き生きと描き出すことによって、その時代への関心を高め、主題となっている人物には直接には関係のない国際情勢も興味深く読ませてしまう。そうして語られたイタリア全体にかかわる問題への知識は、次の人物を語る際の下敷きとなり、読者は10人の生涯をたどるうちに、イタリア全域における時代の流れを把握していることとなる。

 これは、従来どおり歴史を国(地域)単位で著述していては困難な手法である。人は、国家だの政体だのに同情はできても感情移入まではできない。
 この手法は、「物語」と「歴史」の分離が現代の思潮に及ぼす影響を危惧し、国家という枠組みへの依存を憂慮する著者の、試行錯誤のひとつであるとあとがきに明示されている。
 私は、見事な成功例であると思う。著者の試みが成功しているということと、さらに、読み物として面白いという2点において。

 余談だが、本書の成功に気をよくしたのか、この後に出版された中公新書の各国史がみな「物語 …の歴史」というタイトルになっているのはいかがなものか。著者が本書で試みた「物語と歴史の再融合」、および、「国家という枠組みからの離脱」という趣旨が、忘れられてしまうように思う。
 

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