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紙の本

たったこれだけの家族

紙の本たったこれだけの家族

2011/11/30 08:10

家族の青春期

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は2010年8月、64歳で亡くなった歌人河野裕子さんの、生前歌壇内部でしか印刷されなかった『みどりの家の窓から』というエッセイの復刻を主としてまとめ直されたエッセイ集です。
 河野さん一家は1984年から1986年までの2年間を夫の永田和宏さんの赴任に伴い、アメリカワシントンの近郊で過ぎしました。この時、長男の淳さんは小学生の高学年、妹の紅さんは低学年で、裕子さんは30代の後半でした。
 この時のことを振り返って、本書の「あとがき」で永田和宏さんは「どの家族にも、それぞれの歴史がある。ひとりの人間に青春期というものがあるとすれば、家族という存在にも、まぎれもなく青春と呼べる時期がきっとあるのだろう。(中略)この時期は、まさに「家族の青春期」だった気がする」と書いています。

 河野裕子さんは歌人として「最も身近な他者、家族」を主題にして多くの作品を残してきました。永田さんの文章にそって書けば、河野さんは「家族の歴史」を、その来し方を、歌として残してきたといえます。そして、エッセイはそれらの歌のすき間をうめてくれます。
 この時期に詠まれた歌の一首に「ひらがなでものを思ふ吾一人英語さんざめくバスに揺れゆく」というのがありますが、それほど英語がうまくなかった河野さんのアメリカ生活の淋しさのようなものを感じます。それでいて、「ひらがなでものを思ふ」日本人としての矜持もまた強くあったことを教えてくれます。
 ましてや揺れるバスの中でぐっと両足を踏ん張っているその姿は、思春期を向かえようとしている二人の子供たちと真っ向から向かいあった河野さんの、人間としても弱さや強さがにじみでた歌だといっていいでしょう。

 河野さんが亡くなる前に残した歌、「あんたらの気持ちがこんなにもわかるのに言ひ残すことの何ぞ少なき」は何度読んでも胸がつまります。
 この時、河野さんが「あんたら」と呼びかけたのはもちろん永田さんであり、長男の淳さんであり、妹の紅さんでした。河野さんの脳裏にあったのは、本書のタイトルにも引用されている「たつたこれだけの家族であるよ子を二人あひだにおきて山道のぼる」家族の姿だったのではないでしょうか。

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紙の本

たったこれだけの家族

紙の本たったこれだけの家族

2011/09/10 11:31

歌人・河野裕子さんのアメリカ時代のエッセイ 待望の出版!

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

去年の8月亡くなった歌人の河野裕子さん、彼女が生前からなんとか出版したいと思っていたアメリカ時代のエッセイが、一冊にまとまり誕生しました。研究者の夫と小学生の息子と娘、4人で暮らした2年間のアメリカ生活、現地の学校でたくましく成長していく子どもたち、アメリカならではの体験を、存分に楽しみ、ときには苦労し…、充実した生活ぶりがダイレクトに伝わってきます。印象深いのはバレンタインデーの日に、大雪の中、河野さんと子どもたちと一緒にチョコレートを近所に配ったエピソード。黒人のおじいさん、その名もバレンタインさんとの思い出が心に深く残りました。

河野さんの快活でたくましい生活力を持った祖母の話が、エッセイの冒頭に登場します。アメリカの住み始めてその冬の寒さ、氷点下20度以下に直面した河野さんが、「祖母は、ここよりはるか北のカナダにいたのだから、寒さは氷点下20度どころではなかったはずだ」と祖母を思い出すシーン。ここから続く祖母の思い出話がとてもすばらしくて、何度も読み返したくなります。

タイトルの「ただこれだけの家族」は河野さんの歌から、です。
「たったこれだけの家族であるよ子を二人あひだにおきて山道のぼる」
かみしめてよめば、振り返ると家族の時間は短いのであるなぁと思わずにはいられない気持ちになりました。

巻末に歌人としても活動をしている息子さんと娘さんが選んだ河野さんの歌100首紹介されています。
私が好きな歌をいくつかご紹介しますね。

「たとえば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」

「ひとつ家に寝起きしてゐし日のことを大切に思ふ日この子にも来む」

「あの時の壊れたわたしを抱きしめてあなたは泣いた泣くより無くて」

「さみしくてあたたかかりきこの世にて会い得しことを幸せと思ふ」

ご主人によるあとがきには、河野さんへのあふれんばかりの想いが詰まっています。秋に向かうこの時期に読み、一層心に沁みました。

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