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戦後世界経済史 自由と平等の視点から みんなのレビュー

  • 猪木武徳 (著)
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紙の本

戦後世界経済史 自由と平等の視点から

正々堂々経済学者

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まさしく題名通りの過不足のない本である。何かと奇を衒った書名の本が多い現在にあって、直球勝負のタイトルと内容が爽快である。本書には、誰もがまだ知らない新規な事柄や、何かしらの裏事情がわかるわけではない。むしろ、淡々とした記述が積み重ねられて行く。本書を読んだ経済学者や評論家の中には、「この程度のことなら私も知っている」という人がいるかもしれない。しかし、実際にそれを「書ける」ことは全く別次元の問題である。
 本書を手にとって、「どこかで目にしたことがある」事柄が、誰でもひとつやふたつはあるのではないだろうか。それらをきちんと体系の中に示す。本来、それこそが「本」や「研究」の役割ではなかったろうか。本書が受賞したり評価が高いのも、現在の出版界で、こうした正面から取り組んだ本がそれだけ希有だ、ということにもなるだろう。
 新書判でも400頁近い本書は、第二次大戦後の復興と、経済秩序をどのように作ろうとしたか、といったことからはじまる。先進各国の経済成長、混合経済体制の試み、社会主義、オイルショックといった現代経済史のポイントを確実に抑えていく。ブレトンウッズ体制などいった先進国の話だけではなく、「東アジアの軌跡」やアフリカ大陸の現状までも、きちんと盛り込む。その目配りはひじょうに丹念である。一方で、個々の技術や労働者というミクロレベルへの言及も忘れていない。このあたりは、労働経済学から出発した著者ゆえのバランス感覚だろう。
 そうした細心の配慮にもとづき、ひじょうにわかりやすいものになっており、若干の経済理論的解説を除けば、「高校の教科書」としても十分に使えるのではないだろうか。強いて弱点をあげるのであれば、著者自身も記すように、紙面の制約のために(本書のために準備していた)図表がほとんど掲載されなかったことくらいであろう(ちなみに、図表が豊富なコンパクトな経済史は、日本に限って言えば、正岡の『図説戦後史』ちくま学芸文庫がある)。なおこれは、「次」の企画として期待されるべきであろう。
 さて、本書は単に「網羅性」「わかりやすさ」にこだわっていたわけではない。サブタイトルや「むすびにかえて」に「自由と平等」が入っているように、経済思想的な課題にどう答えるべきか、というところに本書の主眼はある。イデオロギー的な主張をふりかざすのではなく、まずはきちんと読者に戦後世界経済を提示して、「考えてもらう」ことを謙虚にも選択したわけである(経済事情や時勢におもねるような文書を書き散らす自称経済学者Nとは格が違う)。
 なお、著者のスタンスは、社会主義経済の試みについては、実際の歴史をふまえて一貫して否定的であることは当然としても、市場万能という側にも与しない。20世紀初頭の世界恐慌と現在の金融危機とを比較して、「経済学は過去80年の間に確実に進歩した」と記すように、知性による欲望の制御ができる制度を主張している。経済学のみならず、社会科学系の学問が元気がないなかで、著者の精一杯の自己主張である。

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