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電子書籍

日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ みんなのレビュー

  • 飯尾潤 (著)
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紙の本

日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

日本の政治の問題点がスッキリ分かる良書登場

17人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

目からウロコだったのは、日本で盛んに指摘される首相のリーダーシップの欠如は、議院内閣制という制度にあるわけではなく、そもそも首相が出来るだけリーダーシップを振るえないようにする日本の政治の歴史的、文化的事情であるという点だ。日本では首相が大胆にリーダーシップを振るえるようにするには議院内閣制ではだめで米国のように大統領制に制度を変えるべきだとか、あるいは首相を公選制にすべきだという議論が罷りと通っている。しかし、それは制度に対する大変な誤解であって、三権分立を全面に押し立てた大統領制よりも、議会の多数派が行政府の長たる首相を選ぶ議院内閣制の方が「制度」として大統領制よりも遙かに首相に権限が集中する仕組だと飯尾教授は指摘するのである。そして日本では盛んに三権分立こそ政治の基本というフレーズが小学校から刷り込まれるが、議会制民主主義の母国イギリスでは三権分立などという言葉はあまり人々の口には上らないのだとも飯尾教授は言う。なぜなら議会制民主主義では議会の多数派が首相を選ぶ。首相は議会を支配下に置くのみならず行政府の長でもあるので、議会制民主主義の国では三権分立ではなく二権分立が当たり前だからなんだそうだ。
日本では最近でも、「強行採決」などという政府の姿勢を非難する言葉が乱舞している。しかし、これも本来はおかしな言葉である。なぜなら議会制民主主義とは本来「期限を切った独裁政治」であり、多数決を前提とした民主主義であれば強行採決は本来異常事態でも何でもなく通常の姿でなければならないからだ(そうでないと少数派が常に拒否権を保持することになり多数決を前提とした民主主義が機能しなくなってしまう)。こうした「誤った概念の刷り込み」が日本国民に広く行き渡ったのはなぜか。その大元の原因のひとつが「中選挙区制」の下で長らく続いた自民党と日本社会党の「馴れ合い政治」にあるという。「保革激突」とか「保革伯仲」などという与党と野党が如何にも政権の座をめぐって日々緊迫した競争を行っているかのような誤ったイメージの垂れ流しを我々は55年体制の下、ずっと受けてきた。しかし全ての選挙区に候補を立てて議会の過半数を取ろうとすることを日本社会党は基本的に立ってこなかった。55年体制とは基本的に自民党の長期政権を保証する仕組で野党の役割は「自民党の利益の配分にあずかれない連中のガス抜き」あるいは「利益のおすそ分けを強要する為にごねること」にしか過ぎなかったのである。
飯尾教授は小泉純一郎の政治を高く評価する。彼の行ったことは従来の馴れ合い政治と決別し、政治に競争原理を持ち込んだことである。利益団体と結びつく政治家や官僚のしがらみを排除し、首相が人事権を行使する。総選挙の結果、議会で圧倒的多数を獲得し、その議席をバックに野党の反対を無視して法案を次ぎ次ぎと通していく。これこそが首相のリーダーシップであり、政治のあるべき姿であると飯尾教授はいうのだ。従来の日本の選挙は政権選択や首相選択とは必ずしもダイレクトにつながっていなかった。首相は総選挙の結果如何にかかわらず「派閥の論理」で、国民の意向とは必ずしも関係の無いところで自民党内の序列や派閥の領袖の意向で決定されてきた。しかし、本来総選挙は政権選択の選挙であるべきであり、首相選択の選挙であるべきなのだ。国民の圧倒的信託という誰も文句の言えないマンデートをバックとしているからこそ、誰も為し得なかった郵政改革を小泉は断行することが出来たのである。政治とは国民の利益を代弁する競争でなくてはならないし、競争があるからこそ政治は機能するのである(中選挙区制の復活を唱える野中広務や加藤紘一といった連中は、やはり政治的蓄膿症だなとも思った)。
なお、本書を読んで東大卒の官僚が偉そうにする時代は確実に過去のものとなりつつあるという思いも強くした。

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紙の本

日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ

日本政治の混迷を切り拓く

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YOMUひと - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は日本の統治システムの現状についての静態的な解説書ではない。日本の政治を変えようとする熱い思いを秘めた、しかし、冷静な分析にもとづく厳しい現状批判の書である。

日本の政治は、どこに向かおうとするのか、一体、日本に民主政治は根づいたのであろうか。具体的には小泉改革は何であったのだろうか。そして有権者は成熟してきたのだろうか。

現象ばかりに振り回されがちな私たちに、本書は明快に、日本が官僚内閣制から議院内閣制への途上にあることを示してくれる。私たちが議院内閣制と思っていたシステムが実は日本特有の官僚内閣制であったことが、諸外国の事情に照らして明確にされる。

例えば「政府・与党二元体制」とか「審議会システム」が、いかに官僚内閣制を補完する特異な制度であるか、勿論その存在意義にも目配りしつつ明らかにされる。

そして、民主党の公務員改革も迷走する現在、オーソドックスな議院内閣制とはどういうものであるか、なぜ官僚内閣制でなく、議院内閣制でなければならないのか、説得力のある議論が展開される。

本書によって、官僚政治という問題が政治の一論点などではなく、日本の政治を根底から規定する枠組みそのものであることを読者は教えられる。

わがくにの現状は、政党のあり方の改革などまだほとんど手がつけられていない部分も多いが、ここで私たち読者は、やや心もとないながら、戦後の日本政治の進路がようやく本来の議院内閣制に向けられ、実績を積んできていることに気づかされ、力づけられるであろう。

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