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電子書籍

カラー版イタリア・ロマネスクへの旅 みんなのレビュー

  • 池田健二 (著)
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みんなのレビュー1件

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紙の本

イタリア・ロマネスクへの旅 カラー版

-宝石箱のような一冊-

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:レム - この投稿者のレビュー一覧を見る

  本書はイタリアを大きく8つの地方に分けて、それぞれの地方ごとに厳選された3つのロマネスク教会建築と関連する近隣の建築物を紹介する。 著者は宗教建築物の構造に関する専門知識に加えて、その土地に染み込んだ歴史的背景を織り交ぜながら文を書き進めていく。 そうでありながらも、専門性を前面に押し出すことがなく、ロマネスク建築と称される様式の特徴を純粋に静観するような解説の進め方が何とも心地良い。 本書には、「ロマネスク建築とは」といった書き出しはどこにもみあたらない。 そして、「多様な個性を見せるロマネスク建築に、典型など一つもない」と断言する。
    
  ロマネスク建築とは、およそ10世紀から12世紀をおおよその範囲とするロマネスク時代における、キリスト教の宗教概念の影響を強く受けた建築様式である。 強いて言えば、東端の半円形の後陣の構造や、柱頭の彫刻といった装飾などに、共通したある様式の特徴がいくつも挙げられる。 ただ、それは画一的なものでなく、しかも他の多民や宗教などの様々な影響を受けながら時代とともに移りゆくため、これを簡単に説明することは難しい(『異形のロマネスク』)。 ロマネスク様式は欧州の実に広い地域に見られるのだが、その伝播に貢献した十字軍の影響は非常に大きい。 なお、ロマネスク(Romanesque)という用語は19世紀になってフランスの考古学者の手による造語で、ローマ風のという意味である。 しかし、10世紀のころには、古代ローマ時代の建築技術は既に絶えてしまったに近かったという。
    
  ところで、イタリアを実際に訪れてみると分かるのだが、教会内部はとにかく暗いために光が射す部分とのコントラストがきつすぎることが多い。 それだけではなく、本来の目的として結婚式や葬式などの儀式や祈祷などが案外とよく行われ、何もなくて安心していても午後の早い時間に閉じられてしまうこともある。 つまり、教会内部の写真撮影は一般に難しいのだが、本書の写真からは技量の高さが一目で分かる。 これらの写真は全て筆者自身の撮影によるものだ。 太陽の位置や礼拝者の少ない時間帯を選ぶなど、ひとつのカットを撮影するために相当な努力と準備があったものと思われる。 さらに注意すると、室内にさりげなく照明を当てたり足場を組んだりすることもあるようだ。 これらの写真は、ロマネスク建築のポイントとなる重要な構造や装飾部分を豊富に示しており、本文ともマッチして特徴が良く伝わってくる。 仮にそのような細かい事は抜きにして写真を眺めたとしても「美しい」の一言だ。
    
  静かに佇んでいるように見えるロマネスク教会も、本書を読み進むうちに、かつて目の前で繰り広げられてきた諸侯達の覇権争い、異民族の襲撃と統治といった激動の歴史をつぶさに見守ってきたことを教えられる。 そして、例えばイスラム襲来の過去を物語る尖塔アーチを取り入れているロマネスク教会があるように、歴史の痕跡を建築様式という実体に置き換えて、これを静かに現在へ語り伝えている。 つまり、私たちは柱や窓の何気ない形状や彫刻に、単なるデザインを越えて秘められた過去を読み取ることができるのだ。
   
  全体を通じての静かな語り口もさることながら、各々の解説文の最後の結びがとても心に残る。  美しい写真と文体が表裏一体となって、きらめく宝石箱のような一冊だ。

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