ばら色の頬のころ みんなのレビュー
- 中村明日美子 (著)
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評価内訳
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2012/12/04 02:31
しびれるような、青き春。
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルビナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「Jの総て」の主要登場人物たちの過去編と、「Jの~」その後の短編が収録。
実は「Jの総て」を未読だが、あるBL評者が薦めていたのでためしに手にとってみた。そして本作を読み終えたいま、「Jの総て」が読みたくて読みたくて、狂ってカレンズバーグ校の時計塔から飛び降りられそうなほどだ!(未読の方はわかりづらい例えですみません。)
本作での主人公のアンドリューと対の存在であるポールの関係は、読んでいていつかどっかで見たことがあるような・・と考えていたのだが、少年愛の名作「トーマの心臓」のオスカーとユーリの関係性を彷彿とさせる。
人懐っこく明るい性格で人望もあるが、町の権力者である父親に強いコンプレックスをいだいて反発するアンドリュー。戦争によってユダヤ人の父親と生き別れ、母親も早くに失ったために、どこか投げやりな言動で人生を諦観しているようなポール。二人は全寮制の名門中・カレンズバーグで出会い、喧嘩しながらも交流をふかめて友情を芽生えさせていくのだが、ある日、アンドリューの父親のしたことをきっかけに二人の関係に溝ができてゆく。。
「ばら色の頬をした、くだらない少年時代(いま)なんか」早く終わればいい
と言い捨てて、関わりあうもの全てを否定するポールに、悔しさを噛みしめ、好きだと言う代わりに呪いの言葉を吐くアンドリュー。
友人の心の傷を守ろうとする少年の純粋な想いと感情のぶつかり合いが、コマの一つひとつから明瞭に流れてくる。とても雰囲気のある作風だ。表紙からして幻想的な作風かと思いきや、登場人物たちの感情の揺れはとてもリアルで、初めてドナを抱くアンドリューの心情など言葉ではあらわされない場面でも、よく理解できるものだった。
終わりに「Jの総て」のその後を描いた短編が載っているので、この二人の関係は永遠に平行線のままだということは分かっている。しかし(だからこそ?)少年時代の恋にも愛にも似た一過性の感情の交感をこんなにも艶やかに鮮やかに描かれると、心の底からしびれてしまう。そして一層その世界に耽溺したくなるのである。
電子書籍ばら色の頬のころ
2018/05/24 20:40
スピンオフ
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投稿者:冬みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「Jの総て」に登場したポールとモーガンのストーリーです。本作あっての作品だと思うので「Jの総て」先に読んだ方が良いです。今の絵に近くてこちらは読みやすいです。
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