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紙の本
創造の星 天才の人類史 (講談社選書メチエ)
著者 渡辺哲夫 (著)
魔女狩りの焰が飛び散る15世紀からナチズムの狂乱に至る20世紀まで、理性を完璧なまでに超越したものを夢見た「非理性的創造者」としての天才たちの系譜を辿る人類精神史。【「T...
創造の星 天才の人類史 (講談社選書メチエ)
創造の星 天才の人類史
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商品説明
魔女狩りの焰が飛び散る15世紀からナチズムの狂乱に至る20世紀まで、理性を完璧なまでに超越したものを夢見た「非理性的創造者」としての天才たちの系譜を辿る人類精神史。【「TRC MARC」の商品解説】
魔女狩りの嵐が吹き荒れる15世紀から、「魔術」と「科学」が分岐する17世紀、その結果として「非理性」が噴出を始める18世紀を経て、ベートーヴェンの《第九》で開始され、ヴァーグナーの《ニーベルングの指環》を生み出す19世紀、そして「非理性」を特異な形で先鋭化させたナチスを登場させた20世紀へ──。第一級の精神科医が放つ、500年間に及ぶヨーロッパ精神史!
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519年)が《モナ・リザ》を描き、デジデリウス・エラスムス(1466-1536年)が『痴愚神礼讃』を世に問うた16世紀初頭、ヨーロッパには「魔女狩り」の嵐が吹き荒れていた。「ルネサンス」と呼ばれる時代は、決して「文芸復興」という言葉で表しきれるものではない。そこには理性を完璧なまでに超越してしまうものを夢見る「非理性的創造者」が生み出され、のちの世界を翻弄していくことになる──。
本書は、『魔女の槌』なる書物が出現して「魔女狩り」の焔が点火される15世紀から、ナチスの狂乱が演じられる20世紀まで、500年に及ぶ精神史を描き出そうとする前人未到の試みである。
ヨハネス・ケプラー(1571-1630年)とルネ・デカルト(1596-1650年)が活躍した17世紀を経て、混沌としていた「魔術」と「科学」の境界が確定されていく。その結果として起きたのは、皮肉にも「科学」から排除された「非理性」の噴出だった。そうして18世紀には、イマヌエル・カント(1724-1804年)をも魅了したエマヌエル・スウェーデンボルグ(1688-1772年)が現れ、やがてヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91年)という天才が生まれた。
噴出した非理性は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827年)の《第九》(1824年初演)とともに19世紀を迎え、ついにリヒャルト・ヴァーグナー(1813-83年)を出現させる。その流れは、やがてアドルフ・ヒトラー(1889-1945年)という存在をもたらしたが、その傍らでは、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90年)が、フョードル・ドストエフスキー(1821-81年)が、そしてフリードリヒ・ニーチェ(1844-1900年)が火花を散らせていた──。
幾多の天才たちを生み出した「創造の星」たる地球は、その後、どんな道をたどったのか? そして、21世紀を迎えた今、これからどこに向かおうとしているのか? 停滞期に入ったとさえ感じられる今、人類の来し方と行く末を考えるために。第一級の精神科医が放つ、誰も目にしたことのないヨーロッパ精神史。【商品解説】
目次
- はじめに
- 第一章 魔術と科学のあいだの揺動:15~17世紀
- 1 ルネサンスの創造的非理性
- 2 魔女狩り
- 3 魔女狩りと闘う医師ヴァイヤー
- 4 ケプラーの神秘天文学
- 5 魔術と科学のあいだ
- 第二章 非理性の噴出:18世紀
- 1 スウェーデンボルグ問題
- 2 無意識の発見
著者紹介
渡辺哲夫
- 略歴
- 〈渡辺哲夫〉1949年茨城県生まれ。東北大学医学部卒業(医学博士)。都立松沢病院、東京医科歯科大学などを経て、いずみ病院勤務。著書に「シュレーバー」「死と狂気」など。
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