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紙の本
青森1950−1962 工藤正市写真集
著者 工藤 正市 (撮影)
駄賃つけの番屋、ねぶた祭、女人夫…。昭和30年代の青森で、人知れず奇跡の瞬間を撮り溜めていた写真家がいた。工藤正市が残したプリントとフィルムから一挙366点を収録。青森市...
青森1950−1962 工藤正市写真集
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商品説明
駄賃つけの番屋、ねぶた祭、女人夫…。昭和30年代の青森で、人知れず奇跡の瞬間を撮り溜めていた写真家がいた。工藤正市が残したプリントとフィルムから一挙366点を収録。青森市街の撮影ポイントを示す地図も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
工藤正市は1929(昭和4)年青森市生まれ、2014年に84歳で亡くなった写真家である。
生まれ育ち、一生を過ごした青森の風景と人々を仕事の合間に撮りつづけ、1950年代にいっときカメラ雑誌に投稿したほかはだれにも見せることなく、家族にすら知らせないまま一生を終え、没後になって家族が膨大なネガの束を発見。スキャンした画像をInstagramにアップしたところ世界的な反響を呼ぶようになった、ヴィヴィアン・マイヤーにも通じる「発見の物語」である。
それはよくある「昭和の懐かしい青森」みたいな記録写真でもなければ、1950年代に土門拳らが提唱したリアリズム写真による問題提起の試みでもなく、同時期に華々しい活動を展開した同郷の小島一郎のような、青森の厳しさを暗室作業によって演出する作家性を前面に出した写真でもなかった。
ただ、身の回りにある日常の小さな喜びや幸せや寂しさ哀しさの瞬間を切り取ること。それが地元の人間には「貧しさの強調」に見えたり、東京の写真界には「青森の貧しさが足りない」と映ったのかもしれない。そしてその根底には、いまでは想像もできない、かつての東北に対する東京人の強固な偏見、差別意識があったはずだ。「青森をこう見せたい」という地元の思いにも、「青森をこう見たい」という東京の先入観にも与せず、「どこにも属さなかった」工藤正市がみずから封印した写真群が、半世紀を経たいま甦る奇跡。
「この時代だから」でもなく、「青森だから」でもなく、ここにあるのは人間のいとなみそのものだ。時代を超え、場所を超え、工藤正市の写真は70年前も、いまも、70年後の未来にも変わることがないはずの、静かで、揺るぎない「ひと」を僕らに見せてくれる。
――都築響一(写真家・編集者)【商品解説】
著者紹介
工藤 正市
- 略歴
- 〈工藤正市〉1929〜2014年。青森市生まれ。青森県写真連盟監事、東奥日報社取締役弘前支社長兼編集部長、青森西南部東奥日報販売(株)取締役社長などを歴任。
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