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- カテゴリ:一般
- 発売日:2018/12/13
- 出版社: 東宣出版
- サイズ:18cm/248p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-88588-095-7
紙の本
ブッツァーティ短篇集 2 現代の地獄への旅
美しくサディスティックな女悪魔が案内役をつとめ、ジャーナリストでもあるブッツァーティ自身が語り手兼主人公となる「現代の地獄への旅」ほか、日常世界の裂け目から立ち現れる幻想...
ブッツァーティ短篇集 2 現代の地獄への旅
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商品説明
美しくサディスティックな女悪魔が案内役をつとめ、ジャーナリストでもあるブッツァーティ自身が語り手兼主人公となる「現代の地獄への旅」ほか、日常世界の裂け目から立ち現れる幻想領域へと読者をいざなう全15篇を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
『タタール人の砂漠』以来、ブッツァーティ本は出れば必ず買って読む。すべて訳されて、読み尽くすその日までは。——山尾悠子
ミラノ地下鉄の工事現場で見つかった地獄への扉。地獄界の調査に訪れたジャーナリストが見たものは、一見すると現実のミラノとなんら変わらないような町だったが……。美しくサディスティックな女悪魔が案内役をつとめ、ジャーナリストでもあるブッツァーティ自身が語り手兼主人公となる「現代の地獄への旅」、神々しい静寂と詩情に満ちた夜の庭でくり広げられる生き物たちの死の狂宴「甘美な夜」、小悪魔的な若い娘への愛の虜になった中年男の哀しく恐ろしい運命を描いた「キルケー」など、日常世界の裂け目から立ち現れる幻想領域へ読者をいざなう15篇。
後期の作品には、それまでになかった新しいテーマや傾向も見出される。そのひとつが、恋愛、より正確に言えば、愛の妄執をテーマにした作品群であるが、そこには作者の実体験が色濃く反映している。(中略)恋愛体験以外にも、彼の人生にとってはかりしれないほど大きな、そしてかけがえのない存在であった母親や、あるいは人生の苦楽を共にした友人や同僚たちとの死別といった実人生に関わる要素が作品に取り上げられるようになるのも特徴である。そして、そうした傾向と並行しながら、作者自身が語り手や主人公として作中に登場したり、物語の背後に老いや死の意識が顔をのぞかせたりするようになってゆく。——「訳者あとがき」より【商品解説】
目次
- 【収録作品】
- 卵
- 甘美な夜
- 目には目を
- 十八番ホール
- 自然の魔力
- 老人狩り
- キルケー
- 難問
- 公園での自殺
収録作品一覧
卵 | 5−17 | |
---|---|---|
甘美な夜 | 19−26 | |
目には目を | 27−37 |
著者紹介
ディーノ・ブッツァーティ
- 略歴
- 〈ディーノ・ブッツァーティ〉1906〜72年。北イタリア生まれ。ミラノ大学卒業。記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書く。現代イタリア文学を代表する作家の一人。著書に「タタール人の砂漠」など。
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ひょっとして、地獄はすべてここ(この世)にあるのではないか
2024/02/01 10:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブッツァーティ氏の作品といえば、長篇の「タタール人の砂漠」、短篇の「七階」、これは超おすすめ。その作者の短篇集の第2弾、この世界の残酷さ、不条理をとことん冷酷に語る作品集、「難問」「公園での自殺」「庭の瘤」「ヴェネツィア・ビエンナーレの夜の戦い」「二人の運転手」「老人狩り」といった作品は老いや死をテーマにしている作品、これはやはり、これらの作品が彼の中期・後期にあたるものが多いことが関係するのだろうか、この作品集の唯一の中篇、表題にもなっている「現代の地獄への旅」は考えさせられる作品、作者が文中で「ひょっとして、地獄はすべてここ(この世)にあるのではないか、(中略)、そして地獄とは、単なる懲罰や懲らしめではなく、私たちの神秘的な運命にすぎないのではないかと」と語る、その通りかもしれない
紙の本
地獄と現世の境はない
2019/04/05 10:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
甘美な夜の食物連鎖を人間社会に例えたり、車を運転している時の短気や暴力や不寛容を描いたり・・・。イタリア人はこのような寓話を読んでいるのだろうか、と思わせる短編集。