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豚の死なない日(白水Uブックス)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 17件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:1999.7
  • 出版社: 白水社
  • レーベル: 白水Uブックス
  • サイズ:18cm/174p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-560-07132-8
  • 国内送料無料
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紙の本

豚の死なない日 (白水Uブックス 海外小説の誘惑)

著者 ロバート・ニュートン・ペック (著),金原 瑞人 (訳)

ヴァーモントの貧しい農家の少年を主人公に、誇り高い父の教え、土に根ざして生きる素朴な人々との交流、動物たちへの愛情を生き生きと描く。96年刊の再刊。【「TRC MARC」...

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豚の死なない日 (白水Uブックス 海外小説の誘惑)

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商品説明

ヴァーモントの貧しい農家の少年を主人公に、誇り高い父の教え、土に根ざして生きる素朴な人々との交流、動物たちへの愛情を生き生きと描く。96年刊の再刊。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ロバート・ニュートン・ペック

略歴
〈ペック〉ヴァーモント生まれ。著書に「ひとり立つ日・父に捧げる別れの歌」。

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みんなのレビュー17件

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評価内訳

紙の本

清楚でつつましやかな家族の生活と仕事、喜びと悲しみを描くモダン・クラシック。

2001/03/27 11:00

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 シェーカー教徒の家に育った男性の少年時代の思い出を描いた静謐な、しかし確かな手ごたえのある1冊である。
 
 労働で神に仕えることを至上の喜びとし禁欲的生活を送るシェーカー教徒は、発祥の地・米国でもほとんどいなくなってしまったが、日本では藤門弘さんが中心となって北海道で集団生活をしている。その様子は『牧場生活』という著書に詳しい。彼のグループの名前「アリス・ファーム」は家具のブランドとして有名で、飾りのない白木のテーブルや椅子は本当に美しい。立花隆氏の机の話が『ぼくはこんな本を読んできた』にも登場する。
 シェーカーと言えば、江国香織さんが訳した『シェイカー通りの人びと』という絵本にも、その質実な生活が描かれている。

 ぺック少年の父は寡黙で穏やかな農夫で、豚を殺してさばくことが仕事。一日が終わっても、彼の体からは何とも言えないくさいにおいがする。少年はそのことを気にしている。
 物語の最後の方で、父が自らそのにおいのことで少年に話をする。ごくさりげない調子で…。
「…一度わしは、母さんにすまないとあやまったことがあった」
「母さんはなんていったの?」
「こういってくれた。誠実な仕事のにおいじゃありませんか。あなたがあやまる必要はないし、わたしも聞きたくありません、とな」
 あるときはユーモアにも富んだ、胸を打つような親子の会話が随所にある。そのひとつひとつが深い意味をもっていて、なるほど生活に息づく思想こそが哲学なのだなという気にさせられる。

 物語の始まりは急転回で面白い。
 学校をさぼったぺック少年が、近所のタナーさんの牝牛に出くわす。変な声を出しているので近づいていくと、まさに子を産み落とそうとしているところで、苦しんでいるのだ。はいていたズボンを脱いで子牛の首にくくりつけた少年は、子牛を取り上げ、母牛のノドに詰まっていた甲状腺腫を取り出してやる。

 このお産で、品評会に出せそうな子牛が2頭生まれたことに喜んだタナーさんは、ぺック少年に子豚をプレゼントしてくれる。子豚にピンキーという名前をつけ、少年は大切に育てる。
 タナーさんの勧めで、例の子牛たちと一緒にピンキーを品評会に連れて行くと、「しつけのいい豚・1等賞」の栄誉に輝く。

 しかし、帰ってきてしばらくすると辛い事実が発覚する。ピンキーは不妊症だったのだ。子を産めないメス豚の運命は決まっている。「ぼくにはできないよ」という少年に「できるできないの問題じゃない。ロバート、やらなければならないんだ」と父は言い、ピンキーにバールを振り下ろす。
 その瞬間、父を憎むものの「よくやった。おまえはもう一人前だ」「これが大人になるということだ。これが、やらなければならないことをやるということだ」と言う父を、少年は許す。
 この時、ぺック少年は13歳。だが、少年にとってはそれ以上の悲しみとなるもう一つの親しい者の死が近づいていた。

 子牛の誕生に始まり、肉親の死に終わる感動的な物語。タイトルは、父が仕事を休む安息の日を示しているが、もう一つの深い意味も隠されているように私には取れた。

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2004/11/04 22:14

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2005/05/25 11:38

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