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リリイ・シュシュのすべて (角川文庫)
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紙の本
リアルな電脳空間を生きる十四歳の過酷な日常
2004/03/22 03:21
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投稿者:楊耽 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2001年10月に劇場公開された映画の監督本人による原作。
全編をインターネット電子掲示板(BBS)への投稿記事で構成された異色の小説。
前半は、架空のミュージシャン、リリイ・シュシュの私設ファンサイトに集う人々の書き込みで構成されています。思い入れの激しいファン達に、彼らを揶揄する匿名の書き込みが入り交じるリアリティー豊かなファンサイトBBS。話題は徐々に、リリイ・シュシュのコンサート当日に起きた事件へと、集約されてゆきます。
後半はファンサイト管理人のモノローグ。このモノローグ部分が劇場公開された映画です。
美しく、のどかな田園地帯に住む中学生、蓮見雄一の物語。
日常的に恐喝やリンチを受ける彼は、それをリリイ・シュシュの音楽で癒そうとし、自ら立ち上げたファンサイトにのめり込んで行きます。
雄一や彼の同級生たちが生きる過酷な現実に心臓を突き刺されるような痛みを感じました。
親にも教師たちにも頼ることが出来ない絶望感、ひたすら中学卒業を待つことしか出来ない閉塞感。
既に大人である僕は、仕事や家庭を持ち、それなりに過酷な社会を生き、中学時代の過酷さを忘れていました。この小説によって、中学時代の過酷な記憶が蘇りました。
僕たち大人は、みんな過酷な十四歳を生き抜いた、その生き残りなのだ。
教訓も、救いも無いこの小説は、しかし、僕に生きる勇気を与えてくれたように思います。
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