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明け方の猫(中公文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4 8件
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この著者の新着情報

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.2
  • 出版社: 中央公論新社
  • レーベル: 中公文庫
  • サイズ:16cm/207p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-12-204485-5
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

明け方の猫 (中公文庫)

著者 保坂 和志 (著)

明け方の猫 (中公文庫)

700(税込)

ポイント :6pt

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みんなのレビュー8件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (3件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

緩と急。静と動。

2008/06/02 21:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 保坂和志の作品は、独特の雰囲気を持っている。ゆっくりと時間が流れていくような、何も劇的なことなど起こらない、静かな作品が多い。
 だが、今作『明け方の猫』に収録されている、表題作「明け方の猫」と、「揺籃」は、私が知っている今までの保坂の小説とはちょっと違う。何も起こらないという良さを哲学的に表現するだけではなく、何かを起こそうと実験的に小説を書いているように思える。

 『明け方の猫』は、保坂作品ではおなじみの、猫が主人公として登場する。明け方見た夢の中で自分が猫になっていた、これだけの話だ。何かをしなくてはならない、というわけでもなく、ただ猫になった「彼」が歩いていく、それだけの話だ。
 作中ではメタ的に、何度も何度も「これは夢だ」ということに彼は気付く。そして、それについて考える。ただ考える。夢の本質的な意味とは何か。夢の中で「これは夢だ」と気付いているのにも関わらず、「これは夢だ」と証明することが果たしてできるだろうか。そもそも、猫になっている「彼」を「彼」と読んでいる存在は誰なのか。
 もちろん、猫のミイの話など、物語を牽引する役割を持ち「そうな」ものはいくらか出てくる。しかし、この小説の視点はそこではなく、あくまでも、この夢というもの自体、その夢を通した「私」自身である。
 保坂は、物語を物語っぽく活用させることなく、ただ物語は外枠として存在しているのであり、最も核心に迫りたいものは、自分である、ということを丁寧に表現しているように思う。
 『プレーンソング』などの作品と違うのはそこであり、もっと露骨に「私とは何か」という命題に答えよう(というよりはむしろ、その命題自体をいつまでも考えていたいようにも感じる。答えはもしかしたら求めていないのかもしれない)としている。「夢」というあやふやな物の中で、「私」に迫る、というのは、なんだか興味深い。

 一転『揺籃』は、ひどく前衛的で、イイ感じに純文学になっている。保坂の習作時代の作品、ということだが、保坂の荒削りの部分が窺えて面白い。ガツンガツンとぶつかってくる純文学のワケワカラン香り。保坂は何かの意味を込めているのかもしれない。解読の価値があるかもしれない。私はどうしようもなくこの感じが好きだ。なんだかつげ義春みたいだなあ、と感じた。
 話の主旨、というと言いにくい。最初は漠然とした不安を払うために、怪我のことを書こうとしていたが、終盤になると、ひたすら「姉さん」を追う男の話になる。文章の脈絡も崩壊し、「姉さん」がどの「姉さん」なのか、果たして本当に「姉さん」がいるのか、それすらも曖昧になる。どこか別の空間で執着したトレーナーは顔に巻きつき、怪我した頭からは脳汁がこぼれ出す。街はすでに街では無くなり、砂漠と化す。
 この小説のような物語に何か意味を求めるのがひどく間違った行為のように思えて仕方なくなる。『揺籃』はひたすら「感じろ」と私を責める。
 
 保坂の作風の変化(と言える程のものかは分からないが)を楽しめる一冊であるし、猫好きの人は読んでみると楽しい(猫うんちく、というか猫の描写が愛にあふれている)だろう。どちらも短編と中篇の境目のような作品で、どちらかというと他の作品に比べると、断片的で補足的なポジションを占めるが、保坂好きなら読んでおいて損はない。
 

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2015/10/10 16:02

投稿元:ブクログ

もう一回読みたいと思ってたけど、図書館では書架にありめんどうだなと先延ばしにしてたら自分の本棚にあった。今よりだいぶ読みやすかった。今早口で口をはさめない印象だけど、これはもっとゆっくりで読みやすかった。

2006/03/31 15:55

投稿元:ブクログ

表題作「明け方の猫」は「生きる歓び」と対になっている。猫に関する小説を書かせたら、この人の右に出る人はいない。左にも勿論。猫小説なんだけど、猫小説じゃない。そこが面白い。保坂さんに小説に出会ってから、猫が本格的に好きになったもの。この犬派なあたしが。今や中立です。もう一編「揺籃」は読んでて螺旋階段を昇ってる(降りてるでもいいんだけど)気分になる。読んでいて不思議な気持ちに陥る。最初はそんな感じじゃないのに、どこからか罠にはまってしまってた。ぐるぐるぐるぐる。(05/11/19)

2006/06/11 16:10

投稿元:ブクログ

“猫が外界から取っている情報の量は人間よりもはるかに多く、当然それらはすべて現在で、記憶という過去の保存が巨大化した理由は現在の希薄さの代償であることは間違いないようにいまの彼には思えた”
猫になった「現在」は、夢なのか転生か…? CatWalk保坂ワールド

2014/09/10 06:13

投稿元:ブクログ

『明け方の猫』のはじまり。
「明け方見た夢の中で彼は猫になっていた。」という一文から物語がはじまる。
読み手としては、「そうか、猫になっていたのか」という前提で読み始めるのだけど、読んでいるうちに「ほんとうに夢なのかな?」と、不安になってくる。
不安になった頃に、たとえば「夢から覚めても忘れないように」、「ここで彼はしばらく忘れていた「これは夢だ」という認識を再び取り戻したのだが、」と、あくまで「彼」は「夢」を見ているのだと強調されるんだけども、いつまでたっても「ほんとうに夢なの?」という疑問が消えない不思議。しまいには、猫視点での綴り(しかもなぜか3人称、「私」ではなく「彼」!)が面白いから、夢かどうかなんてどうでもいいっちゃどうでもよくなります。カフカの『変身』より面白いよ。

同時収録の『揺籃』で想起したのは、カズオ・イシグロの『充たされざる者』。保坂さんはイシグロに影響を受けて、この小説を書いたのかなあなんて思いながら読んでいたけど、それはとんでもない誤り、なんと1980年、つまり保坂さんのデビュー前の作品だったわけです。『プレーンソング』がデビュー作なのと、『揺籃』がデビュー作なのとでは、ずいぶん受ける印象が違うぞ、これでデビューしていたら保坂さんは一体どういう作家になっていたのだろう、なんて思いました。

2010/05/16 09:35

投稿元:ブクログ

いつも誰かになってみたいナーと思うものだけれど、こうやって猫になってしまうとやっぱり人間がいいのかなって思う。
というか、姿が変わってももともとの思考が元になっていて、ふとした瞬間にこの思考は人間だから(自分だから)なのかって気付いたり、気付くと変化したそれそのものになっているのは不思議なことだ。
だけど、そうやって自分は変化していくのかなとも思う。

2009/11/23 22:25

投稿元:ブクログ

 夢の中で猫になった、って話。
 ストーリを書けっていうと、それで終わってしまうんだが、なんつーか、すごく不思議な話だった。同時収録されてる「揺籃」も、すごい不思議な話。実験的っちゃ、そうなんだろうけど…。
 好き嫌いが、すごく別れるんだろうな。
 で、私的には……猫が好きってだけで甘くなってる部分はあると思う。が、あんまり…(苦笑)
 とはいえ、もう二度とこの作者のは読まないぞぉっていうより、むしろ「実験的ではない」ものが読んでみたい気になっているので、それ程嫌いだったんじゃないんだろう。

2011/03/02 11:24

投稿元:ブクログ

とてもよかった。これまでに読んだ他の作品とは違い、提供提供するようなところがなく、特に『揺籃』は難解さもありイメージの連続が通り過ぎていくような書かれかただったので読もうと思って読むと疲れたが、この二作は他のものとくらべると絵画的な印象が強かった。『明け方の猫』はなんとなく侮っていたが、とても読みながら気持ちよかった。