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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.1
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/185p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-100605-5

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人間失格 改版 (新潮文庫)

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紙の本

よみがえる人間失格

2008/07/10 22:39

9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る

『人間失格』といえば、太宰治。
太宰治といえば、『人間失格』。

没後60年を迎え、太宰治ブームもいよいよ盛り上がってきた観があるが、中でも注目したいのは、やはり『人間失格』である。

なんというか、「文学史上の名作」という感じがしないのだ。
もっといってしまえば、ここ最近の現代文学のようですらある。
というのも他でもない、ここには、近年話題になっている「私探し」や「キャラクター」といった要素が、てんこ盛りに盛り込まれているからだ。

太宰治特有の自意識過剰な自己像は、今日、ライトノベルの文脈から見れば、明らかに、特異なキャラクターとして輝いて見える──キャラが立っている。この自分自身への被虐ぶり、つまりは自虐の自己露呈は、なかなか爽快な観すらある。しかも、そこに描かれた苦悩もまた、今日のわたしたちのものと、とても別のものには感じられない。

古びない名作古典としてではなく、文字通りの現代小説としての『人間失格』、今こそ、読み直してみるチャンスかもしれない。

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紙の本

太宰の言葉、私語りの極致

2009/06/04 00:51

10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る

 言わずと知れた太宰の代表作である。今なお表紙を新しくするなどして発刊され続けている。最近では直筆原稿によるものまで出されている。

 そうして、私が太宰にかぶれたのは本書によってであった。それはまだ、思春期の感性が繊細さを極めていたころのことであった。太宰にはまってしまう人にありがちな、あたかも自分のことを語ってくれているかのような錯覚の中で、ズシリと重たい衝撃を受け取ったときのことをまざまざと思い返す。

 金原ひとみが『蛇にピアス』で芥川賞を受賞したとき、選考委員の選評に「人生という元手がかかっている」というものがあった。作風は違うが、人生を賭している作家がいるとすれば、太宰はその原点のひとりになるだろう。

 『人間失格』には太宰の人生の影を見ることができる。これはフィクションでありながら、ノンフィクションとも思わせる筆致で描かれている。太宰は心中事件や薬物中毒を起こしているが、本書の主人公の軌跡も穏やかではない。

 むろん、今の時代との違いを感じないわけではない。文体や言葉遣いがやや古いだけではなく、「世間」というものに焦点があたっている点にハッとさせられる。
 日本人はほんの少し前まで、ひどく世間体を気にしながら生きていたのではなかったか。それからすると、いまでは「世間」という言葉は死語に近くなっていることに気づかされる。ちなみに、太宰は本作で、”世間とは君のことだろう”という鋭い指摘をしている。

 そんな発見もしながらの読書は、古くて新しいひとりの読者として、予想したよりも収穫が多かった。

 ただ、凡庸な読者の常として、つまるところ、太宰とはどういう作家であったのかという探究心を刺激されずにはおれなくなった。こうして、太宰を直接知る人の手になる太宰論へと進むことになった。

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紙の本

必死に生きようとした人間の結末は喜劇なのだろうか?

2010/01/31 11:54

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る

遂に読んでしまった…。読者にそんな感情を沸かせる作品は古今東西を見渡しても、
それほど多くは存在しないのでは無いだろうか?更に思うに、世の中は【人間失格】が必要な人、

不必要な人とで、二分されるとも考えられるのでは、と言っても、決して過言でない様に考えられる。
はしがきからして徹底されている、観念的な他者否定の思い。三葉の写真に写った、

幼年期、青年期、中年期、それぞれの人相に対しての考察は全て葉蔵の内面から
滲み出た表情に異議を申し立てている。この不思議な小説の始まり方は一体、

読者に何を伝えようとしての物であるのだろうか?加えて、葉蔵の手記に出てくる重要な要素として、
「お道化」という概念が存在する。視得ない筈の世界に隠れているあれこれが、

易々と見えてしまう人間の必死の自己防御手段としての「道化」。
しかし、これも、見る人から見れば、軽々見破られてしまう。葉蔵本人もその事実は百も承知で、

一群の画家たちは、「人間という化け物」に傷めつけられ、おびやかされた揚句の果、
それを道化などでごまかさず見えたままの表現に努力し「お化けの絵」をかいてしまったのを知っているし、

将来の自分の仲間を、画家達の中に見出だしている。本当ならば道化など、
これっぽっちもしたくはなかったのであろうと思います。

しかし、弱虫な葉蔵は幸福にさえ傷つけられる事もある男なので、傷つけられないうちに、
早くお道化の煙幕を張って、「金の切れ目が縁の切れ目というのは、男に金がなくなると、

男は意気消沈してダメになり、破れかぶれになり男の方から女を振る」と、
出鱈目な放言を 繰り出す始末。けれどカフェの女ツネ子の方は、

人間としての営みに疲れ切っていたので、葉蔵に対して本気で「死」という言葉を口にする。
そんな切迫した状態にあっても、未だ何処かに「遊び」を潜ませ、

「死のう」という、実感も覚悟も持ち得てはいない葉蔵。けれど心中を図った入水自殺の末、
女だけが死亡し、まんまと葉蔵は生き残ってしまうのです。

それまでの葉蔵は世間知らずな、お金持ちのボンボンだったのに、事件後は実家からも、
見放され、辛うじて、兄たちの送ってくれる送金以外は、故郷とのつながりを全然、

断ち切られてしまいます。揚句、父親の太鼓持ちの様なことをしている男の家に居候しますが、
我慢しきれずに逃げ出してしまう有り様。そこから彼の世渡りの才能による放浪流転の日々が始まる訳ですが、

同時に世間と言う名の厄介な妖怪を相手に無限かつ無用の闘いを強いられる事をも意味していた訳です。
葉蔵は結局、悪友堀木にもただ、死にぞこないの、阿呆のばけものの、

謂わば「生ける屍」としか解してもらえず、彼の快楽のために、利用できるところだけは利用する、
それっきりの「交友」しか結んで貰えないのにも関わらず、付き合いを切る勇気は最後まで持てず仕舞いです。

それは葉蔵自身が、自分は昔から、人間の資格の無いみたいな子供だったのだと、
と思うより他に逃げ道のない生き方を選んで来たからなのでしょう。

そんな葉蔵にもっと残酷な出来事が起こります。なんと内縁の妻ヨシ子が出入りの編集者に、
ちょっと目を離した隙に、強姦されてしまうのです。自責の念にかられ、睡眠薬での自殺を図りますが、

またしても、生き延びてしまう葉蔵。罪悪感は膨らみ続け、罪悪のかたまりのようになるのですが、
自分を防ぎ止める手段を、何一つ持ち合わせちゃいないのです。

アルコール中毒から薬物依存症まで堕ちていき狂人、いや廃人という刻印を額に打たれるまでに、
堕ち切ってしまったのです。まさに、これで葉蔵は立派な「人間失格」と呼ぶに相応しい所に、

たどり着いたのです。あなたにとって葉蔵がどのように映るかは、

是非とも読んで確認されて欲しいです。

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紙の本

人の生き死にを見つめた太宰さん(1)

2005/01/12 03:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る

          死のうと思っていた。

 太宰治の処女作品集『晩年』の冒頭に置かれた「葉」の書き出しである。
 その直前にヴェルレーヌの詩がエピグラフとして置いてある。

          撰ばれてあることの
          恍惚と不安と
          二つわれにあり    ヴェルレエヌ
                    
 なんだかとても妙なバランスである。
 そして「葉」のおしまいの一行はこう。

          どうにか、なる。

 たしかにそう、そう言ってみるしかないところだ。
 作者自身、ことによると「どうにか、な」ってしまったようなのだからおっとろしい。

 「大庭葉蔵」という主人公の名前が初めて読者のまえに登場するのが『晩年』所収の「道化の華」。

         「ここを過ぎて悲しみの市」

 これが劈頭の言葉。
 五行ほどあとに「大庭葉蔵はベッドのうえに坐って、沖を見ていた。沖は雨でけむっていた」と書き付けたあと、太宰はこんなふうにお道化てみせる。

>

 狂っている。ロマンティックな甘やかさが感じられる。それに比べると『人間失格』は、途方もなく深い。
 『人間失格』のなかに、葉蔵が小学校時代に体験した「震撼」すべき体験が描かれている。(この箇所は、山田詠美が『ぼくは勉強ができない』という素敵な青春小説のなかでさりげなく引用していたりする。)

>

 この竹一という「白痴に似た生徒」が葉蔵に教えてくれたものの一つがゴッホの自画像、竹一曰く「お化けの絵」。
 そんな太宰治の「お化けの絵」は「死のうと思っていた」と始まり、『人間失格』でいまだかつてない深みに達する。そんな太宰の死をうけて、坂口安吾は「不良少年とキリスト」というエッセイを書いた。そんなキリストについて太宰治は『走れメロス』所収の「駆込み訴え」に、裏切り者ユダの口を借りてこんなふうに書いている。

「申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ」

 ユーモアが炸裂!
 ふと、「粗にして野だが卑ではない」なんて言葉が思い浮かびました。

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人間失格

2016/01/31 20:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る

20代になってから初めて手に取った太宰治の「人間失格」、ラストの「人間、失格。」という葉蔵の絶望が読者に重くのしかかる。文章量は比較的少なくすぐ読めるが、その文章に込められた葉蔵の想いの質量はどこまでも重い。

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人間失格

2002/03/14 12:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポンタ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本が一番太宰治の本の中で好きだ。全部、太宰が自らをさらけ出しているような気がする。人間失格だっていいじゃないか、弱ったときにそんな言葉が慰めてくれる。傑作だ。

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タナトスがエロスに勝った人

2001/10/30 16:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 かなり最初からとばしている本だが、この本を遺稿として本当に自殺してしまったというのが、この本のハクになってる気がする。死にたいとか、生きてても意味がないと思っても、実際には死ねないのが人間で、でもこの時代の作家には結構死への衝動が強い人がいる。川端康成とか三島由紀夫とか古いとこでは芥川龍之介とか。作家というのはやはり尋常な精神構造ではかけないのかもしれない。だからこそ天才と呼ばれるのだろう。

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世界文学としての『人間失格』

2009/07/28 21:07

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治の代表作なのかもしれない。ただ、僕個人としては中期の太宰の生活が安定していた頃の短編たちを評価したい。結局、太宰は自殺したのだ。それは事実だ。そして、最後のととのった形での小説は、この『人間失格』だ。しかし、「人間失格」という言葉を一人歩きさせてはいけない。『人間失格』を読んでそれこそ「中毒」のようになった人は、岩波文庫から出ている『富岳百景・走れメロス』を読んで欲しい。そこには中期の太宰の豊潤な世界が広がっている。
太宰の「本質」とは何か?と規定するのは難しい。『人間失格』はある一面で世界の本質、世界の底にたまっているマグマを描写したものだが、同時に、多かれ少なかれ人間というものはこのような内容を(言葉にしなくとも)心の内に秘めているのではないか?この小説に出てくる「善人」たちの中にもおそらく(その主人公との関係性の中では出てこないのだが、よって小説内では決して描かれないのだが)、葉蔵の苦悩と共通するところはあったのではないか?
『人間失格』は「わたくし小説」だ。「葉蔵」という「わたくし」についての小説だ(完全にイコール太宰ではない)。血のにじんだ言葉によって読者は自分の心もテクストの中に巻き込まれていく。
しかし世界は一つではない。世界の描き方というものは一つではない。太宰は「永遠の青春文学」だと言われる。しかしそれを「青春」の一時代で捨て去るのではなく、その完全の形で受け入れるでもなく(受け入れたら、生きていかれない)、部分的な歪形の元に組み入れていく。そういう生き方。
一方には、ジョイスがいて、『ユリシーズ』『フィネガンズ・フェイク』がある。自殺は決してしなかったジョイス。ジョイスの生活だって決して楽なものではなかった。
世界の提示としての文学。それを完全に肯定することはできないけれど、世界に通ずる日本語文学として『人間失格』はある。歪形の元に組み入れて……。あるいは「参照軸」の一つとして自らの内なる天体に組み入れて。ただ、これに拘泥するな。
世界は無数にある!

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人間に合否はない。

2008/11/30 17:24

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

人間失格 太宰治 新潮文庫

 39才、女性と入水自殺する前に書かれているので、遺書のように自分の人生を振り返るような記述で始まっています。こどもが書いたような文章に思える部分もあります。天才であるが故の悩み、自虐的な自己分析が続きます。読んでいるとむかし聴いた森田童子(どうし)という女性の歌声を思い出します。以前リバイバルされたようですが、そうではなくもっと前、昭和40年代のオリジナルです。人が死んでしまう歌ばかりなのですが、思春期の私には共感できました。今になって思えば、通過点として人は誰しもそんな時代がある。太宰という人はずっとその世界に居続けた人なのだろうかと感じます。生まれてきてすいませんという本人の言葉が浮かびました。
 どこまでが虚構で、どこまでが事実なのか。作者自身を責め続ける記述が続く。読むことがつらくなってくる。世界が狭い。世の中にはもっと広い世界があることを記述は語らない。思いつめている。他者のありように義憤をぶつけつつ、自分を甘やかしている。いつもなら本を閉じて読むことを絶つのだけれど、なぜかしらゆっくりだけれど読み進んでいく。何枚かの写真が脳裏に浮かんでくる。本の中の登場人物たちはすでにこの世にいない。消えてしまった人たちの姿が見えてくる。後半、文章が乱れてくる。脆弱(ぜいじゃく)でこの部分の記述は不要でなかったかと感じていると、「人間として失格」という頭を強打する文に出会う。人間として失格とか合格とか、そんな規準も標準もない。人間をどのように捉(とら)えるのか。深い命題に突き当たる。

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紙の本

これが太宰の全てではない

2001/06/22 05:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 まさに王道。この小説を読んでない人は皆無ではなかろうか。
 この小説への評価が、太宰にはまるか、徹底して嫌悪するかの分れ目になるという点で、まさに決定的作品である。ある友人は笑いながら読んだそうだ。私も太宰の自己演出過剰さが逆におもしろかった。まるで読後感まで計算されているような頭のよさを感じたのだ。だから嫌悪することなく、他の作品も読み進むようになったのだろう。
 そして、この小説をしかめ面をして読み、あげくに彼の代表作と呼んでしまったりするのは、他の優れた作品に対して侮辱であるような気がする。

 毎年の夏の読書キャンペーンにも他の短篇集を選んだ方が魅力が伝わって良いと思うんだけど…。



■呑如来
■日記
■書評

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紙の本

サリンジャーvs太宰

2016/03/02 12:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

まさしく日本版「ライ麦畑でつかまえて」だと感じた。ライ麦が1951年発表だから、時期も近い。一人語りで、世の中の欺瞞、人間の内面のずるさ、醜さ、滑稽さを暴きつつも、その不器用さゆえに現実と折り合いがつけられなくなり、放浪し、女性や友人を頼り、裏切られ、最後は精神病院に入れられるところまで似ている。ライ麦のホールデン少年も、人間失格の葉ちゃんも、汚れた世の中に染まることを拒否したがゆえに、世の中から弾き出され、あとは死ぬか、発狂するかしかなかった。そして最後に拠り所にしたのは無垢な少女、という幻想だった。そうして考えると、これは小説の普遍的な類型、原型のようなものかもしれない。物語性が強いわけではないのに、長く読み継がれるのは、主人公のさまよう姿が時代を超えて、読み手の魂に訴えるものがあるのだろう。私たちの、ありえたかもしれない姿として。

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紙の本

心身が疲れている時には適さない本

2016/02/04 13:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんたん - この投稿者のレビュー一覧を見る

昨年,芥川賞を受賞されたピース又吉氏が,太宰を絶賛しているので,数十年ぶりに手に取りました。
この徹底したマイナス思考を読めば,「辛いのは自分は一人じゃない」と思えて来る反面,太宰のような才能や名声がない自分とは違うという当然の現実も思い起こしてしまいます。
いずれにせよ,心身が疲れている時には適さない本だと思われます。

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電子書籍

人生の勉強となる本

2015/11/17 19:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:こう - この投稿者のレビュー一覧を見る

芥川賞作家芸人が賞を取ってから、とても注目されている作品であるが、改めて読むと深いその作品力に引き込まれる事となる。もう少し若い時に読んどけばよかったと思った。

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紙の本

この小説、まだまだ十分に感じ取れないのだけれど、「人間、失格」と言い放ったところで初めて、廃人としてあるがままの自分という人格を彼が引き受けたようにも、私には取れて…。

2002/03/08 14:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「本ばかり読んでいないで、早くごはん作れ」と幼児にこづかれている私は「母親失格」であり、読んだ本の感想文を投稿したあとで、少なくない誤字の存在に気づき赤面を続ける私は「投稿失格」である。
 太宰の死んだ年齢をとうに越えているというのに、太宰のこの問題作に正面から斬り込んでいく勇気は、今なお私には備わっていない。上のような「お道化」から、そろりそろり入っていくのがふさわしいように思えてしまう。構え過ぎだろうか。いや、しかし、いかな用事のないくつろいだ午後に暖かな光を浴びながら、お茶をかたわらにリラックスした読書時間を楽しもうと思ったにせよ、この小説には緊張のリリースを許さない何物かが潜んでいる。このタイトルを前に、何の構えもなく踏み込んで行ける人っているんだろうか——そんな風に思ってしまう。

 十何年か何十年か前に読んだとき、「周りの人間とどう関わっていけばいいものか」「どこまでが本当の自分で、どこからが役割を演じる自分なのか」といったことを考え続けていた私は、この本が露わにしている「存在の頼りなさ」に結構共感した。「誰にも気づかれることなくそっとここから消え去ることができれば、それに越したことはない」と思うことも度々経験していたのだが、それでも尚、太宰の虚無の域を感ずるにはまだまだ達していないという不満が残った。
 追い込まれて疲れきって朦朧とする瞬間、生きているのだか死んでいるのだかよく分からない。どっちでも同じようだと感じた経験も経て、ラストの[いまの自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます]という記述が、初読時に比べれば分かっている気にはなった。

 それでも大いにひっかかるのは、この小説を遺書のようにして太宰が死んでいったという事実自体の方なのかもしれない。
 もし、ここにレビューをこれから寄せるという人がいたら、ぜひ考察してみてほしいことがある。巻末の「あとがき」と奥野健男氏の解説は、あなたのなかで、すとんと腑に落ちるだろうか。つまり、奥野氏は、太宰が死を覚悟してこれを書いた、自己を破壊する下降指向に徹したというような書き方をされているが、果たしてそうなのだろうか。
 「あとがき」がなかったら、その流れは私にもよく分かる気がする。しかし、これはある狂人が綴った手記で、私は直接にその人を知らない…という構成をこの小説に導入したことが、私には太宰が「自分を許した」「自分を認めた」ようにも思えるのである。一さいが過ぎていくのを見送るだけの廃人のような人格として、自分を引き受けたというふうに思えるのである。そこに至って、生と死の区別を問う必要もなくなった——というのが実際のところではないか…と。

 どんどん思索の深みにはまっていくと日常に支障をきたしてしまいそうだ。けれども、ここに書かれていることを少しでも感じたいと思うことこそが、他者を分かろうとする営みのひとつであり、それは愛につながっていき、人間(この言葉自体が「複数の存在あってこその」という意味を象徴している)社会を肯定することではないかとも思える。 
   

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紙の本

著者の人と世間に対する理想

2001/02/11 02:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:樹崎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 一気に読ませてくれました。
 50年以上も前に執筆された作品とは思えません。むしろ、「ひきこもり」等に象徴される昨今の若者達に深く通じるものがあるのではないでしょうか。
 私自身、程度の差こそあれ、この小説の主人公<大庭葉蔵>のように、人との関わりの中で、窒息しそうな苦痛を感じたり、世間の常識というものに疑問や嫌悪を感じることがあります。

 この小説は、見栄や建前、自分勝手なエゴイズムに生きる人間というものを嫌悪し、人間、世間というものが信じられなくなった主人公が、自分の内的真実に忠実であるがために、社会にまともに対峙することができなくなって、ついには廃人同様、人間として生きることさえ放棄してしまうという話。
 「人が人を押しのけても罪ならざるや」「信頼は罪なりや」「無抵抗は罪なりや」このような悲痛なまでの問いかけが、胸を打ちます。

 著者は、人間に対して、あるいは世間と呼ばれるものに対して、限りなく理想の高い人だったのではないでしょうか。
 「人間失格」は、かの友情と信頼を謳い上げた「走れメロス」とは、全く対極の作品です。
 にもかかわらず、私は、同じ理想の匂いを感じました。人を信じられない=世間を信じられない=そんな世間に疎外されるような自分は、人間失格である…。
 この悲痛な方程式にも、マイナスとマイナスはプラスになるように、もし、自分を信じることができれば、人を信じられる。その逆はもちろん、世間だって信じられるはずではないか! 

 もちろん、私の思い込みです。理想は理想のまま、葉蔵は廃人同様になり、著者は自殺をしてしまいます。それでも、彼が心の奥底で描いていた(と思う)理想を、私は信じてみたいのです。

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