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猫とともに去りぬ(光文社古典新訳文庫)

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2006.9
  • 出版社: 光文社
  • レーベル: 光文社古典新訳文庫
  • サイズ:16cm/287p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-334-75107-5

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文庫

紙の本

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

著者 ロダーリ (著),関口 英子 (訳)

魚になってヴェネツィアを水没の危機から救う一家。ピアノを武器にするカウボーイ。ピサの斜塔を略奪しようとした宇宙人。捨てられた容器が家々を占拠するお話…。現代社会への痛烈な...

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猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

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猫とともに去りぬ

799(税込)

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商品説明

魚になってヴェネツィアを水没の危機から救う一家。ピアノを武器にするカウボーイ。ピサの斜塔を略奪しようとした宇宙人。捨てられた容器が家々を占拠するお話…。現代社会への痛烈なアイロニーを織り込んだ、ユーモアあふれる知的ファンタジー短編集。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧

猫とともに去りぬ 7−22
社長と会計係 あるいは自動車とバイオリンと路面電車 23−38
チヴィタヴェッキアの郵便配達人 39−54

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みんなのレビュー64件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

軽くて上質なくつろぎの味

2006/12/20 09:36

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どの話も突飛な展開をするのだが、登場するものはみな俗世間の考えで行動をする。そのギャップがどれも軽妙なユーモアを感じさせる短編集である。
 著者はイタリアの児童文学作家。国際アンデルセン賞も受賞しているそうであるが、作品は初めて読んだ。毎日の生活に疲れてしまったとき、ちょっと口直しに味わうと良いような、辛さも苦さもあるが、重たく残りはしない上質の口どけの作品である。軽焼きの、高尚なユーモアを味わう一口サイズのお菓子、といったところ。
 たまたま手にとって、表題作「猫とともに去りぬ」の設定がユアグローの「鯉」(「ケータイ・ストーリーズ」に収録)と同じ設定だな、どう違うのかな、と思って読んでみた。こちらはローマ廃墟の猫になってしまうおじいさんの話であるが、あちらは鯉。人生が嫌になってこんな風に考えることは結構ある、ということなのだろう。ここではなかなか楽しい、ほのぼのとした展開になっている。
 他には白雪姫を題材にした作品もある。シンデレラはSF仕立てになっている。イタリアらしく、ヴェネツィアの水没や、ピサの斜塔を扱った作品がある。いろいろあって楽しい。最後に納められている作品が運命や友情の無情観をひんやりとした後口として残すのも、一冊のまとめ方として洒落ている。
 なかなかお買い得感のある一冊で、子供向けでない著者の作品にも手を出してみたくなった。

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紙の本

楽しい本

2015/09/12 15:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けy - この投稿者のレビュー一覧を見る

ぶっとんだ展開が多く、ファンタジーであるといえる。しかし、ブラックジョークを散りばめ、ユーモアたっぷりに言ったりとめちゃくちゃな作品。社会風刺しながら説教臭くなく、むしろ笑わせに来るのは凄い。

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紙の本

幼稚園や学校の子どもたちとの交わりのなかから、子ども向けファンタジーの創作にこだわった作家ロダーリ。大人向けファンタジーのカルヴィーノとイタリア・ファンタジー界を支えた。

2007/06/20 23:32

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ファンタジーについての評論がまだほとんどなかった30年も前に、武井武雄画伯の愛らしい装画・装丁で『ファンタジーの文法』(筑摩書房)というファンタジーの教科書とも言うべき本の邦訳が出ていて、それを書いたののがロダーリ。イタリアを代表する児童文学者である彼は、どの国の児童文学者もそうであるように、「民話」「おとぎ話」というものの大切さを強調し、それを創作の源泉としている旨を『ファンタジーの文法』に書いている。「おとぎ話に耳をすます子ども」という章に、次のような「おとぎ話」賛美がある。
——(前略)おとぎ話は、人間性への、つまり人間の宿命の世界への、イタロ・カルヴィーノが『イタリア民話集』の序文で述べているように、歴史の世界への、有益な手引きの役を果たしているのである。(P207)
 おとぎ話が提供する人間や運命の豊富なレパートリーに、子どもは未知の現実や未来への手がかりを発見するというのである。子どもがおとぎ話で自分の想像力の構造を見つめ、同時に想像力を作り上げるのだとも言っている。
「民話」賛美のほかに、「子どもたちの反応重視」という点がロダーリのこだわりである。幼稚園や学校に出向き、話をして、自作の作品を読みきかせ、反応により手直しを重ねた——児童文学の本来的作られ方を大切に、常に創作を行っていたという。それによって作られた作品が奇想天外であることに対し、大人である自分が「こういうナンセンスでいいのか、ご都合主義的に取れなくもないのだが……」というように言い訳を求めながら読み進め、違和感を持たざるを得ないのも、子ども時代からこちらの世界へ移行してしまったときに「鉄柵」を越えてきてしまったせいかもしれない。
 最初に所収された表題作「猫とともに去りぬ」はまさに柵越えの話で、年金生活者のおじいさんは柵を越えるだけで猫になってしまう。そして、「行きて帰りし物語」の子ども物語の約束に従い、おじいさんは再び柵を越える。この他愛なさが「深読み可能なファンタジー」を求める類いの大人には、正直いささか物足りなくはある。
 しかし、水没しつつあるヴェネツィアで暮らして行く対策として、いきなり魚になろうとして変身してしまったり、マシンが好きだからとバイクとの結婚を考えたり、この世にあるものすべてを箱詰めしようとしたりといった制限や縛りのない着想のかけめぐりには、「こうであれれば……」と思わせる伸びやかさがある。
 したがって、そのような伸びやかさを受け止める余裕があればこのファンタジー集は楽しい読み物であるし、めぐり逢わせ悪く、受け止める余裕がない場合には、楽しさも半分なのだと思える。それでも、ここにあるすべてのファンタジーが伸びやかという特徴で片付けられるものではない。釣りの獲物を得たいがために、何度も何度も長大な人生の時をやり直す男を描いた「ガリバルディ橋の釣り人」や、エイリアンにさらわれそうになった観光名所を土産物売りが機転で救う「ピサの斜塔をめぐるおかしな出来事」などは、おとぎ話的な風刺が色濃く出ており、日頃の自分の愚かさに気づかされながら、子どもにそれを指摘されたような居心地の悪さすら感じながら読むことができる。
 ファンタジーを通しての「人間性」「宿命世界」「歴史世界」への案内は、子どもならより直感的なレベルで、大人ならより論理的なレベルでスムースに行くということなのだと思う。ロダーリは教訓的表現と詩的表現、伝統的要素と新奇な要素の両義性を意識したと共に、子どものなかの「子どもらしさ」「大人びた部分」、そして大人のなかの「大人らしさ」「子どもじみた部分」に響くものを抱えながら物語作りに励んだのではあるまいか。

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2008/05/18 18:10

投稿元:ブクログ

▼超おもしろい短編集。笑った。光文社古典文庫はこれと、『海の上の少女』と、『黒猫』がだんぜんお勧めですね。

2007/04/23 01:34

投稿元:ブクログ

とにかく痛快な短編ジュブナイル集で、奔放な想像力で、どんどん読ませてくれる。『ファンタジーの文法』も読んでみたいと思う。「ピアノビル」の話が特に気に入った。

2011/12/22 21:15

投稿元:ブクログ

ああ、やっぱりロダーニさんの作品は好きだなぁ・・・・。  この年齢になるまで出会えなかったのがホント残念だけど、逆に今の KiKi だから彼の作品の良さがわかるという部分も多いような気がします。  どのお話も言ってみればナンセンスの塊なんだけど、そこに風刺とか皮肉が含まれているので思わずクスクス笑いながら読めちゃうんですよね~。  短編集だから1編1編が短くて、気軽に読めちゃうわりにはどの1作にもピリリと利いた刺激(毒?)がある。  こういうユーモアセンス、KiKi は憧れちゃうんだよな~。

どの1編もとっても気に入って面白かったんだけど、特に KiKi にとってお気に入りだったのは「ヴェネツィアを救え あるいは 魚になるのが一番だ」 「箱入りの世界」 「ベファーナ論」 の3作です。

(全文はブログにて)

2009/10/25 22:35

投稿元:ブクログ

イタリアでは非常に有名だというロダーリ。
風刺のきいた文学の他に絵本もたくさん書き、子供達の教育に自ら乗り出し、雑誌やラジオ番組でも活動し、実際に子供とふれあって創作活動をしたり、1960年代にイタリアの教育を変えたというほどの存在。
ユーモラスで軽やかに読めてしまう短編集なので、オススメです。
子供を好きな星新一?みたいな印象。
「猫とともに去りぬ」は昔は駅長だったアントニオ氏が家族に相手にされず、ふと家を出て、猫が古代ローマの遺跡に住み着いているアルジェンティーナ広場で暮らすことに。猫と自動車の縄張りを隔てる鉄柵を越えると、彼の姿は猫に。
向かいに住んでいた女性だという猫に話しかけられ、広場の猫の半分は人間業を辞めた猫だと知る…
魚になってヴェネツィアを水没から救う一家。
栓抜き部品工場の社長マンブレッティ氏が庭園の樹に命令して花を咲かせようとし、庭師は奮闘するが…
黒い馬にピアノを乗せて放浪するカウボーイだとか…チヴィタヴェッキアの郵便配達人が余り急いで眠ったら前日に逆戻りしていたとか…ふしぎな世界。
ピサの斜塔をクイズの賞品にした宇宙人、等々。
作者は1920~80年。
ファンタジーは人間の精神・人格を形成する大切な物と考えていたとのこと。
人類愛。反差別、自由の概念を上質な笑いと共に表現。1970年児童文学のノーベル賞ともいわれる「国際アンデルセン作家賞」を受賞。

2009/11/17 19:42

投稿元:ブクログ

イタリアンファンタジー短編集☆
ファンタジーよりユーモアたっぷりSF色出てる気が
編に登場するマンブレッティ社長がステキすぎ最初は全部に感想書いてたケド文字数多くなりスギたので、一部だけ☆
1◆私も数日ダケ猫になってみたい~でもこういうのは人間に戻った途端…だよね?
2◆なんだか私のイメージするイタリア人凝縮!車・芸術・人情・裏社会何故に白雪姫っぽいの~
3◆肩の荷の意味が!可愛い2人だな~
5◆社長に息子がいたなんて家族全員がアレですね~私だったら洗濯しか出来ない配偶者はちょっと…嫌だ★
6◆汚名を晴らす為、恋人たちの為に闘うピアノマン西部劇ちっくなのにBGMがクラシック♪
9◆宇宙版シンデレラ
12◆社長スゴすぎ家族がアレだし本人もコレだし…結構不幸なヒトかも…自業自得だけど★全部が庭師の所へ逃げ出すかと思ったョ
15◆魔女の三大道具話やっぱりほうきは魔女スタイルに必須ですよ!しかしこれにも社長が
16◆締めは神話愛する妻が身代わりになってもいいなんて…なんて王友達にはこまめに連絡いれよう!
古典作品の新訳ですが、読みやすく面白いです♪他のも読んでみたいな

20070319

2008/09/05 23:33

投稿元:ブクログ

発想が面白くて飽きずに読めた。(このあたりから図書館の新訳文庫を読破しようという目標を掲げはじめました)

2007/12/12 22:38

投稿元:ブクログ

マンブレッティ社長には笑える。
2回、3回と登場するたびに「またかよ」と思わずニヤリとしてしまう。

ピアノ・ビルもカッコいい。
銃の代わりにピアノで決闘するなんてかなりいけてる。
新しいマカロニウエスタンだ。

その他の作品もワハハと笑えるものではなく、かなり皮肉の利いたニヤっとしながら読む短編集です。

2007/12/16 17:18

投稿元:ブクログ

傑作。
めちゃおもしろい。
あり得ない変な話が16編。

表題作「猫とともに去りぬ」
最高。

伝書猫の存在にやられる。

柵をくぐったら猫になれるのか〜
ちょっとなってみたいかも。

あと、イタリア好きなので、イタリアの地名やらが登場するとニヤリとしてしまった。

2016/01/20 10:11

投稿元:ブクログ

読みながら、あっちでくすくすこっちでくすくす。なんともいえないおかしみがあった。
人がかんたんに猫になったり魚になったり、ピアノをかかえていたり、奇想中の奇想みたいな短編集なんだけど、思いのほか、つきはなされたような、ほうりだされるような感覚にはならず。なんとなくほっとする余韻にひたれるものが多かった気がする。

こういう謎なお話って、ただ面白がって読むだけじゃだめなのかな? あまり意味とか考えずに。なんだかそのほうが面白いような気もするんだけど。

2008/03/21 18:17

投稿元:ブクログ

久しぶりに読んだ翻訳物。初めて読む作家。タイトルに惹かれて購入した作品。短編集だったから読み易かったけど、読むのに疲れました。色々伏線が張ってあるんだろうけど、海外の地名に疎い&海外の芸術家や思想に疎い為になかなか読み解けけなかった。悔しい。自分の知識さえあればもっと違う読みが出来ただろうなと痛感させられた作品でした。勉強してもう一回読み直したいです。

2011/03/07 12:22

投稿元:ブクログ

タイトルがとても気になって手に取った本。
『風とともに去りぬ』の二番煎じでしょうか?
でもその割には、さほど分厚い本でもないような。。。

内容は全く違うものでした。「Vado via con i gatti」というのがイタリア語原題ですが、翻訳がわかりません。
とてもかわいらしい、というよりは、にやりとさせられる小品集。

表題は、定年を迎え、家族の誰も自分の話を聞いてくれないことにへそをまげた老人が、人生に嫌気がさしたということで、なんとあっさり猫になってしまう話。
気がつけば、近所の猫の半数が、そんな風に人間をやめた近所の人たちだったというシュールさ。

のびのびと猫の生活を満喫しますが、しばらくするとやっぱり家族が恋しくなり、「葉巻が吸いたくなった」とうそぶいて、元の姿に戻るという、大人にとっての夢物語。
自由な猫を見て、(ああ、自分も猫になりたい)と思うのは、古今東西、変わらぬ思いなのでしょう。

著者ロダーリは、ジャーナリストの顔を持つ児童文学者。
そのため、単なる子供向けの話に留まらない、かなりクールな目を持っています。
ナンセンスさを笑いで飛ばす、ふんわりとした軽さが持ち味。
車やバイクなど、マシン系の話が多いのも、男性ならではと思います。

ちょうど同日に、緒形直人の「海の世界遺産を守りたい~安芸の宮島、モン・サン・ミッシェル、ヴェネツィア~」という番組で、ヴェネツィアの水害状況を観たばかりだったので、「ヴェネツィアを救え あるいは 魚になるのがいちばんだ」の話にリアリティと生き生きしたファンタジック性を感じました。
この話も、人が(よし、魚になろう)と思って、すぐ魚になってしまう自在さが魅力です。

赤ん坊は、まだ何もわからない無知の存在だからこそ愛しく愛される存在だ、という、物事を逆手に取った話も面白かったです。

おろかな人間たちが、不条理さをかこちながらコミカルに生活する世界は、実際にありそうなさりげなさに満ちており、楽しく読めました。

2009/09/19 21:24

投稿元:ブクログ

短篇集。16篇収録。

どれもこれも、発端からしてえっ!と驚く楽しさに満ちている。
大人の目から見れば、あまりに寓意があからさま、と思える作品も何点かあるが、設定が楽しいから、いいか・・という気にさせられる。

栓抜き部品工場の社長マンブレッティ氏がぎゃふんと言わされるお話は、どれも痛快。
とてつもなく力持ちで、とてつもなくせっかちな郵便配達人《コオロギ》が活躍する「チヴィタベッキアの郵便配達人」、馬の代わりにピアノ(!)を連れ歩くカウボーイの話「ピアノ・ビルと消えたかかし」も好きな作品。


   Novelle Fatte a Macchina by Ginni Rodari