サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

送料無料(~2/28)

【HB】お店とネット利用で最大200ポイントプレゼントキャンペーン(~3/31)

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

神を見た犬(光文社古典新訳文庫)

アプリで立ち読み

hontoアプリの確認

立ち読みには最新の「honto」アプリ(無料)が必要です。

バージョンの確認はアプリの「設定/情報」から確認できます。

最新の「honto」アプリをご利用の方

立ち読みする

最新の「honto」アプリをダウンロードされる方

hontoビューアアプリ

  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 40件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×

新刊お知らせメール登録

この著者の新着情報

一覧を見る

  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2007.4
  • 出版社: 光文社
  • レーベル: 光文社古典新訳文庫
  • サイズ:16cm/402p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-334-75127-2

読割 50

読割50とは?

読割50とは?

hontoネットストアおよび、丸善・ジュンク堂・文教堂の提携書店にて対象の紙書籍を購入すると、同一の電子書籍が紙書籍の購入から5年間、50%OFFで購入できるサービスです。
購入時点で電子書籍が未発売でも、紙書籍の購入時期にかかわらず、電子書籍の発売後5年間、50%OFFで購入できます。

または読割50のアイコンがついている商品が対象です。

一部、対象外の出版社・商品があります。商品ページでアイコンの有無をご確認ください。

  • ※ご利用には、honto会員登録が必要です。
  • ※書店店頭でのお買い物の際は、会計時にレジにてhontoカードをご提示ください。
  • ※hontoが提供するサービスで、販売価格の50%OFFを負担しています。

読割50について詳しく見る

  • 国内送料無料
文庫

紙の本

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)

著者 ブッツァーティ (著),関口 英子 (訳)

とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作。老いたる山賊の首領が手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」…。モノトーンの哀切きわまりない幻想と恐怖が...

もっと見る

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)

821(税込)

神を見た犬

702(税込)

神を見た犬

ポイント :6pt / 紙の本より119おトク

電子書籍をカートに入れる

ご利用中のデバイスが対応しているかご確認ください

  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac

対応デバイスごとのコンテンツタイプやファイルサイズヘルプ

対応デバイス毎のコンテンツタイプやファイルサイズ

対応デバイス コンテンツタイプ 閲覧期限
iOS EPUB 無制限
Android EPUB 無制限
Win EPUB 無制限
Mac EPUB 無制限
通販全品!ポイント3倍キャンペーン

こちらは「エントリー限定!“今月はずっと3倍!”本の通販ストア全商品ポイント3倍キャンペーン」の対象商品です。
※キャンペーンの適用にはエントリーが必要です。

キャンペーン期間:2017年3月1日(水)~2017年3月31日(金)23:59

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作。老いたる山賊の首領が手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」…。モノトーンの哀切きわまりない幻想と恐怖が横溢する、孤高の美の世界22篇。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧

天地創造 7−19
コロンブレ 21−33
アインシュタインとの約束 35−46

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー40件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

全国の中学・高校の図書館に忘れず常備せよ——と思わず言いたくなるような……。文学の面白さを教えてくれる、イタリア幻想文学巨匠の質高い短篇集。

2007/06/01 11:54

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

  「もう少したったら、我が子がこういうものを読んでくれないかな」と感じさせられる本だった。そうは言っても小学6年生の息子はおバカで、まだ精神年齢が幼いため、中学3年あたりまで待たなくてはならないだろう。本書は別にヤング・アダルト向けの作品集として作られているわけではなし、簡潔で分かりよい文で物語が進められていきこそすれ、一般的な文学作品としての水準は極めて高い。
 ブッツァーティという幻想文学作家、日本ではあまりなじみがないが、生前よくカフカにたとえられていたらしい。もっとも本人は、その評価を決して有難くは受け止めておらず、カフカのことを「一生背負わなければならない十字架」と考えていたと解説にある。「現実世界の不条理」を寓話的な手法により表現した点がカフカに比される理由なのだろう。そこに超常的な不可思議や神秘性が加わる。また、SF味が加わることもある。カフカにも、そういう面がある。そしてカフカ同様、独自性ある作品宇宙の広がりを持つがため、その時代の文学の本流とは違う場所で書かれていたことも、通じ合うものがある証しなのだろう。時代の流れに左右されないがために「奇異」と見なされるのは、確固とした個性がどの時代においても辿る、避けられない運命なのである。
 しかし、せっかく読書体験を味わうのに、日常を追認していくだけではもったいなさすぎる。自分の日常の延長世界が書かれたような本を読み、「うん。この人、なかなか分かってくれているよね。その通りなんだよね」とうなずくだけでは世界は広がらない。もちろんそうした行為で日常的自信を補強していくことは大切だが、より深く物事を考え、よりよい判断をしていくために、内面世界の広がりや深みを耕していくことは必要なはずである。思いもよらなかった物の見方、日常からかけ離れたところにある価値観を提示してみせてくれる作品の「個性」は、変わったものとして遠ざけるのではなく、珍重するでもなく、出会いとして歓迎するものなのではないか。
 22篇も収まっていれば、完成度にかなりのばらつきがありそうだが、バリエーションのばらつきはあっても、アイデアが卓抜しているところ、それを巧みに現実世界との接点を設けながら書いて、読み手を身につまされる気分にさせてしまうところが徹底している。
 22篇のうち12篇はすでに訳されたことがあるそうで、私も『石の幻影』(河出書房新社)という単行本で「コロンブレ」「1980年の教訓」「驕らぬ心」の3篇を読んだことがあるが、再読であっても、そのアイデアに再び感心させられ、いやむしろ新鮮な気分でその見事さをより強く印象づけられた。
「コロンブレ」は、一度ねらった獲物を生涯追いつづけると言われている海獣につけ回される男の話。ページ数はわずか12。つけ狙われてずっと怯えて過ごした運命の終わりに、大きな皮肉が待っている。
「1980年の教訓」は、毎週同じ曜日、同じ時刻に世界の要人に異変が起こる設定。イタリア民話にもあるような「くりかえし話」のリズムに呑まれて読めば、この世の何たるかを考えさせる終息が訪れる。
「驕らぬ心」は、都会の荒野の片隅に住む修道士の元をたまに訪れる聖職者の話。これもくりかえし話のようになっていて、聖職者は決まって同じ告解をしにやってくるのだが、懺悔する罪そのものが「誠実さ」につながっている。
 「誠実さ」「意気」「善意」「誇り」「安らかさ」「希望」など、人間の意識のプラス要素が直接書かれず裏返しの形で表されるとき、そうしたものの真価に気づかされることを、1篇1篇が教えてくれる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

人間の宿命

2016/02/15 10:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

コロンブレを読みたくて買った。堀江敏幸の「河岸忘日抄」に、ブッツァーティの「K」として印象的に引用されている。航海中の船をいつまでも追いかけてくる海の怪物としてコロンブレは描かれる。この怪物に魅入られた主人公の少年は、文字通り死ぬまで、怪物の追跡を逃れられず、本人や家族のほかに怪物の姿は見えない。もちろん、海に出なければ追われることはないが、怪物を見てみたいという「暗渠の誘惑」に勝てず、主人公は成長した後に、再び海に出ていく。面白いのは、最後の結末だ。主人公が怪物だと信じ、逃れ続けてきたものが、実は全く違うもので、気付いたときには時すでに遅く、主人公も怪物も老いさらばえていた。コロンブレとは何の象徴だろう。人間の運命であろうし、思い込みや迷信や弱さのことであろうし、幸福とはなにか、ということでもあろう。様々な解釈の余地があるのが、この短編の魅力だ。コロンブレ以外の「七階」や「アインシュタイン~」など、いずれも毒を含んだ秀才揃いである。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

奇妙な味わい

2015/09/19 11:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:obandegans - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者はイタリア人で短編の名手。この本にも22編が納められている。幻想的ながらイメージが作りやすい作風は、一筋縄では行かないひねり、皮肉、怖さに充ち満ちている。一編毎に気持に染み込んできますよ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

苦味の効いたコーヒーで一服、の短編集

2007/07/27 17:46

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 冷ややか、というか苦味が残る短編集である。表題作は他人の眼を気にして行動する人間、というものを一匹のイヌを上手く使って淡々と描いていく。天空から人間世界を見下ろす聖人を扱った話も幾つかあり、選び方かもしれないが宗教に対しての冷めた視線も感じられる。
 ロシアとアメリカの対立を描いた「最終兵器」や病院の患者の扱いを描いた「七階」などは、風刺漫画のコマのような感じもする。著者は絵も描いたと解説にあるが、そのせいかもしれない。

 どの作品も、読み終わってあまり楽しい、という気分にはならない。嫌な苦さではないが、ちょっときびしい。その中で、なにか暖かいものが残ったのは「天国からの脱落」である。これも聖人を扱った作品であるが、聖人はそれ以上の幸福を未来に望めない、という皮肉。そして地上の若者のつらくても熱い、未来のある姿に惹かれる聖人になにか共感を感じるのである。

 この翻訳者は、同じく光文社古典新訳文庫の「ロダーリ「ネコと共に去りぬ」」も訳しているが、ロダーリは軽いお茶菓子で一服、という感じの短編なら、こちらプッツァーティはビター・チョコか、ブラック・コーヒーでの一服、といったところであろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

唇に夢の跡

2009/07/14 23:06

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

幻想小説、奇想小説、そういったものは、人間を想像力の限界に追い込む作用に価値があると思ってた。だけどこの短篇集で見るブッツァーティは、そんな世界の周縁部から中心に向けて読者をいざなうような、逆方向のベクトルを志向しているように見える。
表題作のように、例えば神や聖人といったガジェットを持ち込んでも、神秘や聖性の在処というよりはありきたりのお伽噺の枠組みの中で、道徳や正義、信仰などからは離れたところにいる人々の幸福を示唆する。そういうストレートすぎる作品の眩しさがもっとも特徴的に見えるが、シニカルな作品も、不思議な鮫の幻影に捕われる男の話「コロンブレ」、病院入院患者を襲う不条理「七階」、政治的なファンタジー「1980年の教訓」「秘密兵器」「アインシュタインとの約束」などがある。それらの幻想の先に狂気が待っていたり、あるいは狂気の果てに幻想に到達するといったこともなく、平凡な日常の延長にある恩寵、ちょっとした事故、毎週日曜に天使の姿を見るように、「この世の終わり」で突然空に現れる握りこぶしのように、それは訪れるのだ。
また「七階」では入院患者の病室が七階、六階、五階と不可避的な順番に降りていき、日常に潜む悪夢的なシンメトリ「グランドホテルの廊下」、質量(?)不変の法則の悪魔的な適用「呪われた背広」、心の中の無限合わせ鏡を一枚ずつ踏み越えていくような「驕らぬ心」など、幾何的な面白さを追求したものもあり、また「護送大隊襲撃」や「戦艦<死>」のように、大いなる死の影を荘厳に描いた作品もある。
そういう何でもありの茫洋さ加減は星新一にも似ている気がするが、時事的な設定を決して使わなかった星新一に比べると、日常にも世界にも介入しようとする意欲は満々に見えて、先鋭さでもあり、鷹揚さでもあり、ハイセンスではないかもしれないが朴訥な力強さにも感じられる。エスカレートしていく物語、奇跡や心理を解き明かしていく論理、死の恐怖などの持つ力を散りばめているが、それも結局は希望、信じる力といった平凡な属性を謳って、誰の心にも少しだけの熱をもたらしてくれる作家ではないだろうか。ひたすら凡俗に生きて、時にそれに苛立って卑怯になったり、意地を張ってしまったり、ヤケになって飲んだくれても、また朝になれば日が昇る、その時に小さな奇跡の記憶だけを残してくれるように。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2015/05/28 22:05

投稿元:ブクログ

ブッツァーティ(1906〜1972)の短編集です。岩波文庫のものと重複があるが、とくに後半は初訳のものが多く、とても興味深い作品が多かった。ブッツァーティの書くものは幻想文学で「イタリアのカフカ」といわれるのだけれど、ブッツアーティは従軍記者をしていた経験があり、カフカよりもリアルな感じがします。かといって、魔術的リアリズムのガルシア・マルケスみたいな、ある意味、情熱的ではなく、ペシミズムがあります。神をあつかった短編もいくつかありますが、星新一のような作風かもしれません。やっぱり、ジャンルを超えて、作者の個性というのがあるんだなと思います。第二次世界大戦の逸話をつくった「戦艦《死》」や、トイレにいくのを見られるのがいやで互いに監視しあう二人の男の話、「グランドホテルの廊下」など、幅広い作風です。

2007/09/09 15:42

投稿元:ブクログ

七階はいいですね。少しずつ変化していく現実を受け入れていくことによる恐怖。何かが確かにあったのかどうなのか、不安定な気分になるところがいいです。

2012/02/01 23:47

投稿元:ブクログ

『待っていたのは』は、河出書房新社から出ている短編集で、光文社から出ている本書と重複している短篇もいくつかある。

本書はブッツァーティの残した膨大な短篇のなかから代表的なものを選び二十二篇を編んでいるもの。
そのうち、十篇は未邦訳である。

ブッツァーティの短編は長編とはまた違った引力を持っている。

2008/05/14 14:03

投稿元:ブクログ

BS週刊ブックレビューで紹介されていた本。聖人や神々が登場するので、かなり幻想的で宗教的な話ばかりかと思いきや、その神様がハーマン・ミラーのチェアに腰掛けていたりするギャップが笑えます。どれもクォリティが高い短編ですが、たまたま家人が入院していたので「七階」にはぞくり、としました。だって同じ階だったんだもの…。

2007/05/24 23:29

投稿元:ブクログ

イタリア人作家の描く現実的で幻想的な短編集。
カトリックの思想に多神的な考えが混ざり、イタリアの文化を感じさせる作品です。
明るい話は少ないけど、面白かった。

2007/06/29 00:56

投稿元:ブクログ

幻想小説の短編集。
「ふとしたきっかけから心の片隅に芽生える不安が、やがて強迫観念となってつきまとい、登場人物の平穏を根底から脅かすという、幻想と現実とが交錯した強烈なテイストを持つ短編」という解説が、この短編集の雰囲気をよく表している。淡々とした語り口が絶妙で、心の隙間をついてくる作品が多い。お薦め。また、訳も良いと思う。新訳文庫の面目躍如。

2007/09/05 18:06

投稿元:ブクログ

とつぜん出現した謎の犬におびえる人々を描く表題作。老いたる山賊の首領が
手下にも見放され、たった一人で戦いを挑む「護送大隊襲撃」…。モノトーンの
哀切きわまりない幻想と恐怖が横溢する、孤高の美の世界22篇。

2009/08/09 20:05

投稿元:ブクログ

堀江敏幸さんの本に出てきた「K」という短編に興味があって手に取りました。
この本では「コロンブレ」という名前で収録されてます。

日本の作家さんで言ったら…星新一さんみたいな上手さを感じます。
短時間に読めるボリュームの作品が詰まっているので手に取りやすく、あっという間に読了。

何度も読み返したい感じのものではないですが、一読をお勧めします。

2009/04/05 20:01

投稿元:ブクログ

「天地創造」に始まり、「この世の終わり」で終わる短篇集。22篇収録。

聖人や神が登場する作品も多いのだが、彼らがみな、とても人間くさく描かれているためか違和感無く読めてしまう。
人間のひねくれた面や見栄っ張りな面を皮肉った表題作や、有名な「七階」などの不条理な作品、ブラックジョークを味わえるもの、ほのぼのとした味わいのものなど、多彩な作品集。
学生向きに編まれた短篇集からさらに選んだ22篇ということもあるのかもしれないが、どちらかというとソフトな印象を受けた。
山賊の元頭領の淡々とした感じと最後での意気のみせ具合いが格好良かった「護送大隊襲撃」が一番好き。

  Selected Stories from Il Colombre e Altri Cinquanta
Racconti by Dino Buzzari

   

2008/09/15 00:00

投稿元:ブクログ

「『バカなことを!』アインシュタインは苛立った。『私の発見ほど、罪のないものはない。ちょっとした法則を見つけただけじゃないか。それも抽象的で、人畜無害で、私利私欲とは無関係なものだろう』 『あきれた男だ』イブリースは声を張りあげ、またもアインシュタインのみぞおちを指で突いた。・・・『いいか、お前が知らないだけなんだ!』『私が、何を知らないと?』だが、すでにイブリースの姿はなかった。」

まるで星新一のショートショートを読み進めるようなそんな思いが一篇毎に深まってくる。身構えることもできぬまま放り出される感覚に痺れながら、一つ、また一つとむさぼるように読み切っていく。

長編「石の幻影」では、余りにも白黒のはっきりした結末が鼻につくような気になったが、この「神を見た犬」を含む短篇集ではがらりと異なる印象を得る。個々の物語に明確な終わりは描き切られていない。それでも読む者はそれが何処に行き着くのか、行き着いてしまうのかを悟らずにはいられない。

実在する人物、場所などの符牒によってその指し示されるものが明確に読み取れるものもある。また別の物語では人間の根本的に持つ醜悪な性質を少々シニカルに指し示されて終わるものもある。幻想的、という表現は決して正しくブッツァーティを示しているとは思えないのであるけれど、その謎めいた舞台の設定は巧みである。その罠の魅力につられてつい物語の内側に絡め取られてしまう。するといつの間にか保持していた慣性の行き先が見当たらなくなるような断絶。現実と自分を繋いでいたはずロープが、プツッと切れる。

そしてしばし呆気に取られる。急いで自分が何処へ流されようとしているのか見極めようと、手掛かりを探ってもがく。その半ば溺れたような感覚を味わうことができること、それがブッツァーティを読む楽しみと言えるかも知れない。