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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2009.1
- 出版社: 講談社
- サイズ:18cm/189p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-215231-0
紙の本
シャムスカ・マジック
強豪とはいえない大分トリニータを、ナビスコカップで日本一に導いたペリクレス・シャムスカ監督。弱小クラブを日本一に導いたその手腕の源は、人心掌握力にあった。その秘密を自身が...
シャムスカ・マジック
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商品説明
強豪とはいえない大分トリニータを、ナビスコカップで日本一に導いたペリクレス・シャムスカ監督。弱小クラブを日本一に導いたその手腕の源は、人心掌握力にあった。その秘密を自身が初めて解き明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
バランスと対話
2009/04/11 02:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:木の葉燃朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2005年、J2降格の危機にあった大分トリニータの監督にシーズン終盤から就任し、その年のJ1残留、さらにその後2008年にはカップ戦で優勝も果たしたシャムスカ監督の著書。
語られているのは、大分サポーターの人にとっては当たり前の話かもしれないけれど、就任後の大分の快進撃をいちサッカーファンとして見ている自分にとっては、興味深かった。
特に印象的だったのは、「バランス」という言葉。この言葉がサッカー監督から発せられると戦術的な意味を想像するが、シャムスカ監督の場合はそれだけに止まらない。監督のサッカーに対する考え方のキーワードが「バランス」になる。
もちろん、試合中の攻撃と守備のバランスや、相手チームの長所・短所に自分たちのチームを合わせる、というバランスもある。しかし他にも、チーム内での若手・ベテランの組み合わせや、チームの全選手に活躍のチャンスがある点もバランスのひとつだし、戦術・技術だけでなく精神面も重視する点からも、バランスを重視していることが分かる。試合中に監督自身が見せる感情のメリハリも、やはりバランスだという(p.29)。
そしてもうひとつ、「対話」も重要なポイントになる。大分のチーム内の結束力が「シャムスカ・ファミリー」と呼ばれていることは、Jリーグのファンには知られているだろう。その結束は、単なる仲良し集団ということではない。事実、大分の「誰もがレギュラーになるチャンスがある」ということは、「誰がレギュラーを外れてもおかしくない」ということでもある。
そのような厳しさの中でも、監督は選手へ意図を伝えるために対話をし、選手間でも話をする。それが信頼になり、結束になるのだろう。
シャムスカ監督の話を読んでいると、大分はこれからもJリーグで結果を残していくだろうと想像できる。さらに、「シャムスカ・ジャパン」にも期待が広がる。監督自身も、この本で控えめながらその希望を表明している。世界の中で強豪とは言えない日本の戦い方は、Jリーグの中で中位のクラブである大分の戦い方と、通ずるところがあるのではないかと思う。