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生きる歓び(中公文庫)
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この著者の新着情報

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.5
  • 出版社: 中央公論新社
  • レーベル: 中公文庫
  • サイズ:16cm/165p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-12-205151-5
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

生きる歓び (中公文庫)

著者 保坂 和志 (著)

死のぎりぎりの瀬戸際で「生」に目覚めた子猫。その命の輝きをまのあたりにした「生きる歓び」。小説家・田中小実昌への想いを言葉を尽くして描いた「小実昌さんのこと」。瑞々しい感...

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生きる歓び (中公文庫)

596(税込)

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商品説明

死のぎりぎりの瀬戸際で「生」に目覚めた子猫。その命の輝きをまのあたりにした「生きる歓び」。小説家・田中小実昌への想いを言葉を尽くして描いた「小実昌さんのこと」。瑞々しい感性で生と死の実感に寄り添う短篇二作を収録。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧

生きる歓び 7−52
小実昌さんのこと 53−135

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みんなのレビュー4件

みんなの評価3.4

評価内訳

紙の本

明日からも生きていこう、そう静かに思えてくる小説

2009/12/21 16:44

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る

飼っていた牡猫を五歳半で亡くしてしまった。
まだ若いしこれからもずっと元気で仲良く暮らしてくれるものだ、とばかり信じていた甘い考えは、

目の前で息を引き取って逝こうとしている愛猫に何も出来なかったことで、あっさり打ち崩された。
ペットロスの悲しみは想像以上に深く重く、毎朝起きると、姿を探してしまい、

とても現実として受け止められはしなかった。保坂さんの小説に出会ったのは丁度そんな時で、
ページを捲るに連れて、痛みが和らぎ、何か温かく、慈愛に溢れたエネルギーに、

全身が包まれて行くのを感じた。読書を通じ、自分という存在をまるごと救われるという、
貴重な体験をさせて貰ったと、身体の芯から感謝している。

これ程までに、胸の奥に響くのも、保坂和志と言う作家が、日々を暮らし生きる中で巻き起こる出来事や、
それに付随して浮かび上がってくる物思いを、決しておろそかにせず、1つ、1つ、

丁寧に受け止め、考える人だからであると思う。彼女のお母さんのお墓参りに行く途中に見つけた、
道の真ん中にうずくまって熟睡している子猫。母猫を探すも見つからない、ばかりか、

子猫の頭上では、カラスが桜の枝に一羽、自分の「餌」と位置づけたらしい子猫を食べるために、
人間がいなくなるのを待っているという有り様で。おまけに、前日の雨のせいなのか、

子猫は風邪引きで、鼻がぐじゅぐじゅ、エサを嗅ぎ分けて食べる事さえ叶わない。
医者に行かず、放っておくと、確実に死んでしまうだろう。

俊巡の末、「お墓参りで出会ったのも何かの縁」だからと、連れて帰り、早速、
獣医師の診療を受けに行く。診断の結果、ウィルス性の風邪を引いているのに加えて、

「全盲」の可能性もあると言う。そんな、ある意味では相当に厄介な面のある
子猫の世話をする場面に於いても、保坂さんは『大げさに聞こえるとは思うが、

自分のことを何もせずに誰かのことだけをするというのは、実は一番充実する。
相手のためにずっといろいろな面倒をみる』と、ごく自然に発言する。

こうも確信に満ちた態度で、相手に惜しみなく愛を注ぐ。なかなか簡単には実行出来そうにないと思う。
更に、保坂さんは、強い意志を持ち、この目も開かない、匂いを嗅ぎ分ける能力もない子猫と慎重に、

慎重に相対していく。献身的な介護によって、少しずつ、少しずつ、
生命力を取り戻しす子猫。最初は全然食べ物にも反応しなかったのに、抗生物質を飲ませて、

結膜炎用点眼薬を射す内に、見違えるくらいの元気さで生きよう、生きようと、し始める。
生きている、生きられていることへの歓びを全身で発散している「花ちゃん」と名付けられた子猫。

その様子を見続けて、感動の余り、この小説に、感動したそのことをそのまま書こうと思った保坂さん。
生きる歓びについての考え方に、静かに深く感動したのでした。

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2014/09/16 11:07

投稿元:ブクログ

「生きる歓び」「小実昌さんのこと」の2編収録。
「小実昌さんのこと」に橋本治に恋愛論の講演を依頼したエピソードが出ているけれど(後に本にもなってて読んだのに、あんまり覚えてない)、そういえば橋本治も『生きる歓び』という同名の小説(短編集)を出していたっけ。近々、ちょっと読み返したいかも(やはりあまり覚えていない)。誕生日のお祝いにもらったんだよな。

P57 死ぬというのは「やっぱりなあ……」と思う。「やっぱり」のあとに何がつづくのが一番いいのかわからないけれど、つまりは生きている側から一方的に輪郭を与えられてしまう。

P101 八八年のバブルの真っ最中にぼくは、ビジネスマン向けの講座で「組織の原理と<私>の根拠」というのを作った。人は組織の中でアイデンティティを見つけているけれど、いつか人は組織と離れなければならない。だから<私>の根拠というのを組織と離れたところで探す必要がある、というものだったがバブル景気の真っ最中では見向きもされなかった。でも人っていうのはそういうもので、いいときには内面的なものなんか見向きもしない。

P156 蓮の葉の朝露の一滴が世界を映すように、一人が誠実に問いかけるプロセスがつまりは人間全体の営為のことで、それはもう形を必要としない。だから田中小実昌でなく誰でも誠実に問いかけるプロセスをこの世界に刻み付けることができる。ただそれを知る段階の一つとして、人は書かれた言葉つまり小説を必要とする。

2011/06/26 21:05

投稿元:ブクログ

まず、作品に出てくる左目が見えない拾われてきた猫のモデルなのであろう表紙でやられ、次にもったりとした時間の流れに懐かしさというか既視感のようなものが。
この人の作品を読むと、読書とは、何か知識を得るものでも、さっさと読み終えることでもテーマを理解することでもなく、作品内に流れる時間にたゆたうことなのだなあ、と思います。
そして、俯瞰では見えないもの。

2016/11/18 20:53

投稿元:ブクログ

前半の『生きる歓び』は、病気の子猫を拾ったことをきっかけに生きることについて考えた小説家の独り言のような話。『生命にとっては「生きる」ことはそのまま「歓び」であり「善」なのだ。』ということらしいけど、残念ながらいまいち私にはその感覚は分からない。けれど小説内で触れられている草間彌生のように、生まれ持った性質ゆえに生きるのが格段にしんどい人にもそういう考え方を持つ人がいることはとても興味深い。なぜそういう考え方に辿りつくのだろうか。自分の生との向き合い方が違うのだろうか。この疑問は実はこの小説を読む前から気にかかっていることなのだが、答えはまだ分かりそうにない。

後半の『小実昌さんのこと』は一応小説であるらしいのだが、ほとんどエッセイのように感じられた。小実昌さんというのは保坂さんが親しくしていた小説家・田中小実昌のことだそうだ。保坂さんのものの見方、なかでも小説の見方が素直に伝わってきて面白かった。『小説とか芸術というのは、「ビョーキの産物」なのだ。』という説明はすごくしっくりきた。