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ワーニャ伯父さん/三人姉妹(光文社古典新訳文庫)

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.7
  • 出版社: 光文社
  • レーベル: 光文社古典新訳文庫
  • サイズ:16cm/359p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-334-75187-6

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ワーニャ伯父さん/三人姉妹 (光文社古典新訳文庫)

著者 チェーホフ (著),浦 雅春 (訳)

若い姪と二人、都会暮らしの教授に仕送りしてきた生活。だが教授は…。棒に振った人生への後悔の念にさいなまれる「ワーニャ伯父さん」。モスクワへの帰郷を夢見ながら、次第に出口の...

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ワーニャ伯父さん/三人姉妹 (光文社古典新訳文庫)

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商品説明

若い姪と二人、都会暮らしの教授に仕送りしてきた生活。だが教授は…。棒に振った人生への後悔の念にさいなまれる「ワーニャ伯父さん」。モスクワへの帰郷を夢見ながら、次第に出口のない現実に追い込まれていく「三人姉妹」。生きていくことの悲劇を描いたチェーホフの傑作戯曲二編。【「BOOK」データベースの商品解説】

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みんなのレビュー14件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

チェーホフ読もうぜ!

2009/08/26 14:16

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、僕の中でチェーホフを読むことが流行っている。『チェーホフ・ユモレスカ』から始まって、ちくま文庫の『チェーホフ全集12 シベリアの旅・サハリン島』、『チェーホフ短篇集』。(ちなみに、『チェーホフ全集12』については、ビーケーワンではなく、筑摩書房のサイトに短い感想を送った。)
これには村上春樹『1Q84』の効果もあるだろう。それがなかったら、『チェーホフ全集12』は増刷されなかったのだし(長い間品切れだった)、僕も読むことはなかっただろう。
『チェーホフ短篇集』は今、読んでいる最中。ある作品を読んで、うずうずして自分で小説を書きたくなって、短編を書いて、ある新人賞に送った。触発されたのだ。

刊行の順番から言えば、この『ワーニャ伯父さん/三人姉妹』は『チェーホフ短篇集』よりも前だ。ただ、お金の問題と、戯曲というもののとっつくにくさがあって、手が出なかった。しかし、機会があって読み始めてみた。
イプセンの『幽霊』と比べると、登場人物の数も多いし、設定も複雑だ。いくぶん読みにくい。誰が誰だったのか、名前と紹介のページに常に指を挟みながら、「ああ、この台詞はこの人の奥さんか」とか、「ああ、この人はこの人と先妻の娘なのか」とかいちいち確認しながら読んでいく。

この本は訳者解説が丁寧に書かれているので、僕の書きたかったことはだいたいそこに書かれてしまっている。つまり、「中年」というものについて。特に「ワーニャ伯父さん」の中の「ワーニャ」の叫びなど、痛切だ。僕は今、26歳だが、もう決して若くはない。四捨五入すれば30だ。「中年」に確実に近づいている。

チェーホフの戯曲は初めて読んだが、救いがない。喜劇的な要素もあるのだが、喜劇か悲劇かと問われれば、悲劇だろう。これも訳者解説に書いてあるのだが、たしかに両作品とも「閉ざされた空間」というものの息苦しさが伝わってくる。

『チェーホフ・ユモレスカ』、『チェーホフ全集12』、『チェーホフ短篇集』の訳者は松下裕氏である。それに対して本書の訳者は浦雅春氏である。訳者解説を読んでいて思ったのだが、どうも両者のチェーホフ像というものはいくぶん食い違っている。
松下氏のチェーホフ像、というのは医者としての科学的な知見を持ちながら、ロシア社会の各階層に満遍なく視線を注ぎ、それを短編や戯曲にしていった、どちらかといえば、「あたたかいチェーホフ」。それに対して、浦氏のチェーホフ像は「非情なチェーホフ」。あたたかみや人生に対する前向きな希望といったのもを無化しようとするチェーホフ像。
両者のチェーホフ像の違いはあるいは、僕が読んできた作品のせいかもしれない。『チェーホフ・ユモレスカ』はまだ若い頃のチェーホフの「超短編」集だ。それに対して、この本の戯曲は中年に差し掛かったチェーホフの作品だ。つまり、チェーホフ自身が中年になることで、作品が変わっていったのではないか?ということ。

でも、少し考えると、どうやら違うらしい。松下氏は筑摩書房から『チェーホフ全集』を出している。そこには戯曲だって含まれている。また、浦氏はチェーホフを中心としたロシア文学が専門だ、とこの本の紹介に書いてある。つまり、両者のチェーホフ像の違いは、僕の読んできた本による違いではなく、もっと本質的な理解の仕方の違いなのだろう。

一読者としては、少しとまどってしまうが、しかし、一人の作家に対して一つのイメージしかない、というのも貧しいことかもしれない。ただ、個人的には松下氏の「あたたかいチェーホフ像」が好きだ。もちろん、『ワーニャ伯父さん/三人姉妹』に本質的には救いはないのだけれど、しかし、「生きていかなければならない」という義務にも似た人生に対する姿勢は両作品に横溢している。それは死者と接する機会の多かったであろう医者としてのチェーホフの人生に対する姿勢だったのではないか?たしかに、「三人姉妹」では、そのあとに最後にすべてを無化するかのような台詞が付け加えられているのだが、本質は三人姉妹の叫びにあるのではないか?
個人的には少し訳者の浦氏のチェーホフ理解に共感できなかった。

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2009/10/08 23:54

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2015/01/26 22:46

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