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消えた王子 上(岩波少年文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.8 8件
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  • カテゴリ:小学生
  • 発行年月:2010.2
  • 出版社: 岩波書店
  • レーベル: 岩波少年文庫
  • サイズ:18cm/259p
  • 利用対象:小学生
  • ISBN:978-4-00-114162-7
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

消えた王子 上 (岩波少年文庫)

著者 フランシス・ホジソン・バーネット (作),中村 妙子 (訳)

すべては祖国サマヴィアを救うため!—マルコ・ロリスタンは、尊敬する父のまえで忠誠を誓い、きびしい訓練をつんでいた。ロンドンの下町で、マルコは、足の不自由な少年ラットと運命...

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消えた王子 上 (岩波少年文庫)

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商品説明

すべては祖国サマヴィアを救うため!—マルコ・ロリスタンは、尊敬する父のまえで忠誠を誓い、きびしい訓練をつんでいた。ロンドンの下町で、マルコは、足の不自由な少年ラットと運命的な出会いをする。バーネットの知られざる傑作。小学5・6年以上。【「BOOK」データベースの商品解説】

すべては祖国のために-。尊敬する父の前で忠誠を誓い、厳しい訓練を積んでいたマルコ・ロリスタンは、ロンドンの下町で足の不自由な少年ラットと運命的な出会いをする。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

フランシス・ホジソン・バーネット

略歴
〈フランシス・ホジソン・バーネット〉1849〜1924年。イギリス生まれ。代表作の「小公子」「小公女」「秘密の花園」は、児童文学の古典として長く読みつがれている。

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みんなのレビュー8件

みんなの評価3.8

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (5件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

不思議な少年

2010/05/25 17:04

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うみひこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 不思議な少年が歩いている。
道行く人はふと振り返り、イギリス人ではないなあ、と、少年を見送る。
彼の名はマルコ。
身なりは貧しいが、きりっとした面立ち、
12歳にしては身長も高く、しっかりとしたすばらしい体格だ。

 彼は父ロリスタンと、軍隊上がりの召使いと三人で、
ロンドンの貧しい街角に住み着いている。
その前はロシア、フランス、ドイツと、あらゆる国をさまよってきた。
そして、父親によって教育を受け、
あらゆる国の図書館や美術館で、自分で様々なことを学んできた。
何よりも、沈黙を守ること、その国の言葉でしか喋らないこと、
そして祖国のために忠誠を誓い戦士となることを、学んできたのだ。

 それはすべて、少年たちの祖国、
ヨーロッパの小国サマヴィアのためだった。
マルコは、父親と共にサマヴィアのために尽くすために、
訓練を積んでいるのだった。
ある日、いきなりロンドンの街角で、
サマヴィアの言葉で話しかけられても、動ぜずとぼけられる程に。
そして、馬車に乗り込んだイギリス国王が、
街角で敬礼して見送るその少年を見て、
まるで若い軍人のように決まっているというように…。
彼は、すでに目に見えない軍に所属しているのだった。

 ある日、マルコは足の不自由な少年ラットが、台車に乗って、
周囲の少年たちに、サマヴィアの情勢について、
情熱的に語っているのを見かける。
彼らの仲間に入り、サマヴィアについて、
そして、その小国に伝わる「消えた王子」の伝説について、
マルコは語って聞かせる。
 
五〇〇年前、悪辣な治世をしいた王に対し、
国民たちは、善良な王子を跡継ぎにと、反乱を起こした。
だが、民衆は、王子が謎のようにどこかに消え去ったことを知る。
それきり、サマヴィアの国は、反乱を率いた貴族が王につき、
反対勢力が内乱を起こす、ということを繰り返してきた。
国は貧しくなり、周辺の強国は、
虎視眈々とサマヴィアを狙ってきたという。
だが、王子は実は誰かに襲われて怪我をしたところを羊飼いに救われ、
国境を越え、ある修道院で体を癒し、
時が来るのを待って姿を消したという。
人々は、いつか、王子が姿を現すのを待ち続けているのだ…。
 
 ラットは軍人に憧れ、体が悪いのに仲間と軍事教練ごっこをしていた。
そして、ある日、元新聞記者の父親から、
サマヴィアの秘密組織の話を聞いてくる。
そして、様々な国に散らばるサマヴィアの支持者に、
秘密の合図を伝える伝達者になるというゲームを思いついて、
仲間の少年たちに話すのだった。

 やがて、ラットの父親が急死したことから、
ラットは、マルコの家で暮らすようになり、
サマヴィアの運命に自らを巻き込んでいくことになる。

 父ロリスタンに届けられた秘密の伝言。
マルコを狙う怪しげなスパイの女性。
情勢の変化を見て、ラットは松葉杖で歩けるように、自分を鍛え出す。
そして、マルコと二人で、様々な鍛錬を始めるのだった…。

 二人は、真に、「合図の伝達者」となれるのだろうか。
そして、消えた王子は、どのように姿を現すのだろうか?
物語は思いもかけない結末へと向かっていく…。

 一九九四年に出た、『夢の狩り人』というバーネットの伝記では、
バーネットの優れた時代性と国際性が表れた作品と、
評価されていたこの物語。
確かに歴史を知る人ならば、誰でも、
あの第1次大戦頃のヨーロッパを思い浮かべるに違いない。

しかし、この作品は、今となっては、
とても奇妙に思えるところも多いだろう。
まず、少女が一人も出てこない。
そして、ゲームといいながら、
大人顔負けの軍事教練に興じる貧しい少年たちの姿や、
人智を越えたところにあるロリスタンという男性の魅力のあり方等々。

けれども、ここにリアリティを与えるのは、
足が不自由でありながらも将軍になりうる才能を持ち、
軍人として仕えることに激しく憧れを持つラット少年の存在だ。
燃えるような憧れをロリスタンに抱き、
嫉妬に身を焼くラットの激しい感情に、
物語が動かされ、生きてくる。

翻訳者中村妙子さんは、
少女時代に『漂泊の王子』という抄訳を読んでから、
長い年月、この本の続きを読みたいと思い、
機会があったら全訳したいと思い続けていたという。
その、情熱に心からの尊敬と感謝の気持ちを抱かずにはいられない。

バーネットが、亡くなった長男への愛情を
その姿に書き込んで見せたというマルコの姿。
もう一人のセドリックを見つけに、
物語のロンドンをもう一度さまよってみよう。

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2012/01/09 14:18

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2011/10/12 11:40

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2011/03/07 14:18

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2013/04/27 22:15

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2014/10/12 21:24

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2011/02/02 16:33

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2014/01/11 11:43

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