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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2010/10/01
  • 出版社: 光文社
  • レーベル: 光文社古典新訳文庫
  • サイズ:16cm/423p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-334-75216-3

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文庫

紙の本

フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

著者 シェリー (著),小林 章夫 (訳)

天才科学者フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、ついに人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物は、その醜悪な姿のためフランケンシュタインに見捨てられる。...

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フランケンシュタイン (光文社古典新訳文庫)

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商品説明

天才科学者フランケンシュタインは生命の秘密を探り当て、ついに人造人間を生み出すことに成功する。しかし誕生した生物は、その醜悪な姿のためフランケンシュタインに見捨てられる。やがて知性と感情を獲得した「怪物」は、人間の理解と愛を求めるが、拒絶され疎外されて…。若き女性作家が書いた最も哀切な“怪奇小説”。【「BOOK」データベースの商品解説】

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みんなのレビュー37件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

人間の尊厳を切り取ってみせた意欲作。

2017/05/26 23:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

フランケンシュタインの名前を知らない人を探すのは難しいが、
原作を読んだ人を探すのは同じくらい難しいかもしれない。
光文社古典新訳ありがとう。
初版出版から195年たった今、目に触れさせてくれたことに
心から感謝する。

光文社版は1831年出版の改訂第三版を元にしている。
初版は1818年。当時から人気があったことが伺える。
この書評をお読みの方の中には、フランケンシュタインとは
大男の人造人間ではなく、作った博士の名前という知識を
お持ちの方も多いだろう。

恐怖小説という分類もご存知かもしれない。
さらに、博士は少々マッドサイエンティストなイメージが
あるかもしれない。

わたしの事前情報はこの程度だったが、読了後の衝撃は
計りしれないものとなった。この本が江戸時代に書かれていたとは、
まさに想像を絶するレベルである。

この著作は、三段階の作中話で成り立っている。
外堀は書簡体小説だ。
科学に並々ならぬ興味を持つ男が船長となり、北極を目指している。
男にとって北極とは永遠の光の国であり、磁石の針を引きつける
驚くべき力を持った場所なのである。

ところが北極に迫る途中で氷に閉ざされ、不思議な男と出会う
ことになる。男は何者なのか。なぜこんな氷の世界を犬ぞりで
一人で渡っているのか。
男の生い立ちから始まる、長い長い告白がひも解かれる。
これが二段階目の作中話。

そして男の話の中で、恐ろしい怪物との語らいがある。
その怪物の話が三段階目の作中話である。

もうお気づきとは思うが、この男こそがヴィクター・フランケン
シュタイン、人造人間の生みの親である。
現在フランケンシュタインと誤解されているものは、怪物とか
悪魔とか呼ばれるだけで、名前はついていない。

しかしそれが何だというのだろう。
そう思わせる力がこの物語にはある。

光文社古典新訳の素晴らしさは、読みやすさに徹底的に
配慮してあることだ。訳文はもちろんのこと、脚注は必ず同じ見開き
ページに掲載されているし、初版の序文と第三版のまえがきの
両方とも併録されている。
巻末には解釈と著者の年表というまさに至れり尽くせりである。

まえがきによると、著者は仲間とともの幽霊小説を書き合うつもりで
話を作ったらしい。しかし出来た作品は、サスペンスベースでは
あるものの、深みと示唆に富んだ物語であった。

漫画などで怪物が心優しく描かれるイメージはないだろうか。
怪物は人殺しをする残忍性と心優しさを併せ持つものであり、
恐怖小説と分類するのは違和感がある。

そしてこれはわたし個人の解釈なのだが、生みの親のフランケン
シュタインの醜さと尊さを兼ね備えているからこそ、
怪物はいつの間にかフランケンシュタインと呼ばれるように
なったのかもしれない。分身的要素を感じるのである。

産業革命による科学の発展と功罪を心配する著者のこころが
この物語を生み出し、人間の尊厳に迫る小説に仕上がっている。
科学的な部分や、こころの精製に関するSF的要素が
不完全なのも、この小説の愛らしい部分である。

不完全だがメッセージ性は極めて強い。
フランケンシュタインが世紀を超えて愛される理由を体感した。

苦悩するフランケンシュタインと、苦悩する怪物。
アダムとイヴが美しいなんて、いったい誰が決めたんだ?

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紙の本

真に恐ろしいのは人間と怪物、果たして一体どちらなのか

2011/11/14 12:45

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 サブタイトルが「あるいは現代のプロメテウス」。
 個人的に好きなんです。ブラム・ストーカーの「ドラキュラ」とか、ナボコフの「ロリータ」とか今作とか。後世に曲解・キワモノ扱いされて伝わってしまった作品てかなりの確率で名作である率が高いです。この「フランケンシュタイン」も感動の名作でした。

 自分は過去読了した澁澤作品中で初めて知ったんですが、フランケンシュタインというのは怪物の名前ではなくてそれを生み出した科学者の名前だそうで。
 自然科学に傾倒していた彼はとうとう人造人間を造り上げてしまうのだけれど──。
 そのあまりの醜悪さに恐れをなして怪物をおきざりにして逃げ出してしまう。その無責任さに少し腹立たしい思いが。

 何も知らずにこの世に生み出された怪物は、創造主であるフランケンシュタインに見捨てられ、何も知らずに人間社会に放りだされてしまう。出逢う人毎にその醜悪さを恐れられ虐待され傷つく心。孤独を友に、たった独り身を隠して生き延びる日々。
 唯一の救いは逃げ延びた隠れ家の隣人である善良な親子。父親と息子と娘・3人で暮らすその生活を見ながら、彼は言葉と知識と愛情と優しさを学び得てゆく。
 けれどその親子にも存在を拒絶され、彼の心は人間に対する、ひいては自分を造り出したフランケンシュタインへの憎悪と復讐へと向かってゆく。

 読んでいて恐ろしいのは人間と怪物、果たして一体どちらなのだろうとものすごく疑問に思った。
 怪物の心は純真で常に愛情を求めている生まれたての赤子そのもの。その彼の心を憎悪で満たし歪ませてしまった物は一体何なのか?
 中盤、怪物の独白によって痛烈に批判されている、うわべで人や物を判断してしまう人間の愚かさの描写が白眉。

 3人による書簡形式と独白という凝った3重構成がまた効果的。
 望んで生まれたわけではなかった怪物の、誰にもその存在を認められない悲痛な心の叫びが心に染みる。
 一般的には映画などで有名ですが、あまりにもキワモノ扱いされていて、原作の真のメッセージが伝わっていないような気が……。上質なゴシックホラーとして読みましたが、フランケンシュタインを身勝手な親に置き換え、怪物を愛情に飢えた子供として置き換えると、充分現代にも通じるテーマになるなと思ってしまいました。
 作者がこの作品を書いたのが若干19歳の頃。ビックリですね。サブタイトルの「あるいは現代のプロメテウス」というのは、土から人間をつくったという、古代ローマ時代の話に由来するそうです。

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2012/06/22 12:30

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2011/01/17 00:41

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2010/11/08 20:36

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2010/12/01 00:05

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2011/06/30 23:43

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2015/06/30 01:32

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2015/02/20 18:27

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2016/12/31 17:50

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2012/05/23 22:26

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2015/04/23 21:32

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2010/10/17 20:50

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2011/01/10 08:35

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2011/08/19 15:47

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