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なんかねー。真面目に、社会の問題とかを考えようとするとほんと自分のことを無価値に思えてきてしまう。真面目に本気に考えようとするほど。
渡辺京二さんの話を聞きながら、出てくる女子大生たちは涙してしまったらしいが、私もその場にいたら大泣きしてるんだと思う。いい話聞けて感動とか心が洗われるとかそういうんでもないし、励まされてるというわけでもないんだけど、何だか虚無感が止まらないんだよなー。無名に埋没せよ、これでいいんだ、と言っていい。そういってはいけないと洗脳されてきたけど。途方もない心持に佇んだ時には効く言葉が一杯入ってます。
いいなー、渡辺京二さんとお話できるなんて。
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名著「逝きし世の面影」の
渡辺京二さんと二十代の若き乙女たちとの
対話集
三砂ちづるさんは「オニババ化する女たち」の作者としてしか
知らなかったので
その三砂先生のゼミ生たちというのが
また これなかなかの才女たちですなぁ
この人たちの「対話集」という発想が
お見事
若い人たちは
ぜひ
自分の身近にいらっしゃる
「渡辺京二」さん的長老を
ぜひ お友達に 持つべきだ
と 強く思います
いろんな意味で楽しい本に仕上がっています
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渡辺京二ってどんな人かなんて全く知らなかったけど、面白いおじいちゃん。評論家らしい。
80になった時にこれだけ柔軟な考え方ができるもんかね。
津田塾の女子学生とこのおじいちゃんが、彼女らの卒論をテーマにして対談した本。
テーマは様々だけど、だいたいは現代は生きづらいとはよく言うけれど、それとどう付き合っていくかのお話。
要は「自己実現とか社会に必要とされるとかじゃなくて、もっと自分を大切にして楽しむべきでしょ」って感じか。
別に社会の役になんか立たなくていいじゃん、って単に文字にすると投げやりに見えるけど、この本だとなんか腹落ちする。
これまで意外とノリで人生選んでるのを理屈で隠そうとしてたけど、もうちょっと肩の力抜いてやりたいことやろうと思います。
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すっと肩の力を抜くことができる素敵な本。
津田塾大学の学生の卒論テーマをもとにした討論の記録。
今の世の中が随分と窮屈になったものと思い、素直に生きることの大切さを感じた。
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女子大の学生たちと、渡辺京二の対談集
学生それぞれの卒論テーマは、とても真剣によく考えてあるんだけど、やっぱり視野の狭さが否めない。で、それになんで気付くかというと渡辺京二さんが当たり前のように「へぇ、そうなの?」「本当に?」と問いかけるから。「こういう道もあるのに」とさらっと言われて、学生も、読んでるこちらも、あら?と立ち止まることができる。全編そんな感じだった。私は渡辺京二という人を知らなかったけれど、なんだか面白そうな人だなと思った。
それにしてもあとがきの、「どうか、どんな不運に出会おうとも、しあわせになってください」という言葉に凝縮されていたなー
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【生き方を学ぶ】
本書は津田塾大学の学生と渡辺氏との対話形式をとっている。海外に行くという経験は、ある種の親殺しであると表現した学生がいる。学校、仕事、子育てと多様なテーマがあって興味深い。
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興味深く読んだ。学生達と老研究者の対話はすごくかみ合ってるとは言えないが、そこがかえって良かったように思う。渡辺氏は学生に迎合せず、答えも与えず、結構厳しいことを言っている。それでもその言葉以上のものを彼女たちは受け取ったのではないだろうか。
参加した学生達の卒論テーマが題材なのだが、わたしはまずそこに「隔世の感」を抱かずにはいられなかった。皆が皆、それぞれの抱える「生きづらさ」と直結した問題が研究テーマなのだ。「大きな物語」なぞというものはもうすっかり命運が尽きているのだなあとつくづく思う。私が学生の頃は(ああ、昔話になっちゃってるよ)社会について語るということは、即、思想や哲学、政治について語るということだった。自分の現実から離れていると言われればその通りなんだけど。実感から出発するのは正しいことだと思うけど。これでいいのかなと小さくつぶやいてみたりする。
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現代の女子学生(優秀な一部だと思われるが)の問題意識や思考が少しわかって興味深かった。研究テーマとか、非常に細かく分かれるようになったのだなあと。渡辺氏の、年を経て辿り着いた思考は、これからの人生に役立ちそうである。自分の考えを主張しても、説教臭くない語り口が良いし、わからないことは「そうなの?」と年少者に尋ねる姿勢も好感が持てた。「何らかのテーマについて考え続けること」は、しんどいし、特別に何らかの成果をもたらずとも限らないが、自分も細々と続けたいと思わされた。
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とある女子大学の教員とそのゼミ生が、評論家渡辺京二のもとへ卒業論文を携えて訪れ、そのテーマについて語り合う二日間の様子をまとめたもの。
学生のそれぞれのテーマは(掘り下げ方や仮説が漠然としているな、と感じる部分はあるけれど)自分の中にある問題意識に深く迫ろうとして生まれてきたのだな、ということがひしひしと伝わってきた。それに対する渡辺さんのコメントは限られた面からしか物を見ていなかった学生に「でもここからはこんなふうに見えるよね?」と次々新しい視点を投げかけていくようであった。参加した学生にとっては、思考の世界がぐんぐんと変化していくエネルギーを体全体で感じた二日間だったのではないだろうか。
自己実現の欺瞞、無名に埋没せよ、社会に役立たなくていい、といった渡辺さんの話に学生が涙ぐんだことに驚かされた。人間の本能とは少しずれた価値観がまかり通っていることが、これから社会に出ようとする子どもにまで、こんなに心理的な負担を強いていたのだと気づかされる。だから渡辺さんの話を聴き、学生たちはまず自分が生きることを大切にすればいいのだと気づき涙ぐむほど安堵したのだろう。
渡辺さんの学びの姿勢は謙虚だ。対話の中でも、現代の若者の精神病理や、新たに定義づけられた障害についてなど、自分が知らないことは「知らない、それは何?」と学生にどんどん質問をぶつけていく。相手の年齢が若いから、まだ学び始めたばかりだから、そういうことは関係ない。自分の知らないことを相手が知っている、だから教わる。そういうシンプルな姿勢は当たり前のようでいてなかなかそれを体現している人は少ないように思う。
その謙虚さは、学生に対して学問を続けていくことの大切さを説く場面にも見てとれる。
本を読み続けること、勉強を辞めないこと。学問は持続であり、なにも学者でなくとも、それは平凡な社会人になったとしてもできることだ。今持っているテーマを自分の中に生涯抱え続けること。
どんな立場にあっても、こつこつと積み上げていくことの大切さを感じた。本を書きなさい、というアドバイスが印象に残る。
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津田塾大の三砂ゼミの女子学生たちが卒論を抱えて渡辺京二さんのところを訪れて、それぞれプレゼンしては渡辺さんからコメントを貰ったのを書籍化したという、珍しい企画物。渡辺さんの独演会ふうの結果に終始しているのだが。
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渡辺氏が孫のような女子学生に「あなたたちの志は気高くとてもりっぱだよ。でももう少し肩の力を抜いて事に当たったほうが良いんじゃないのかな。」と言っているような気がしました。自己実現というような風潮に踊らされるな、周りの人の評価を気にせず、自分の考え方や生き方を磨きなさいと仰います。今に生きる我々にはかなりの難題でしょう。でも、私は氏の『無名に埋没せよ』には至極感動しました。こんなことを宣う御人はそうそういらっしゃるものではございません。
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「たとえば国家とか民族ということで、同じ日本人であるとか、同じ天皇陛下の赤子であるとか、あるいは自分は国家の一員である、ということになると、これは民族対民族の対立を生む。サッカーの試合じゃないけど、ニッポン、ニッポン、ニッポンと言って、団結しましょうとなると、とんでもないことになる。だから自分を超えたものと言ったって、自分を超えたおおきなものがなんであるのかということが問題である」(p227)
「あたしは平凡な社会人になったらもう学問とは縁がない、とは思わないことです。普通の平凡な社会人でもちゃんとした読書人にはなれます。一生本を読みつづけることが大事です」(p258)
「一晩寝ましょう。お酒でも飲みましょう。いやなことはいっぱいあるから、なるべく、さっと忘れましょう」(p263)
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至言「就職口がないというのは、経済の話にすぎない。就職がうまくいかないぐらいで、自分は社会に必要とされていないなんて、なんでそんなふうに追い込まれていくのか?」
「社会のために役立ちなさいなんて、いらんことです。」
「自己実現の欺瞞」
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あとがきにあるように、渡辺京二の反射的な語りの本。◆だからこそ、渡辺京二の考え方について、分かり易く読める本。◆◆無名に埋没する。◆昔の看護婦の給金は良かったのか、と言うことも知る。◆宮本常一の「結」のこと。◆ユートピアを求めて、反ユートピアに成ること。◆中国人をアチャさん。◆同世代、同年代で輪切りにした学校教育だから、共食いの環境になる。◆◆自己実現の欺瞞。◆自己実現とは、出世のことでは?◆戦後のイデオロギーとして、人間には無限の素質があると言うわけですね。◆子どもにはどういう才能が隠れているかわからな
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この前読んだ仕事のお守りで紹介してくれていた本。世の中の役に立とうなんて考えなくていい、世の中とうまくやれないのでもいいからそれを自己啓発とか言って組み替えようとしなくていい、と書いてあったのを見て図書館で借りて読んだ。210ページくらいからかな、もう、怒涛のごとくすげえなあということが書いてある。そんなのが終わりまで続くんで、これはもう買ってしまえ、ということでアマゾンで買ってしまった。
でも、組み替えなくていい、そのまま微調整しながらだけど押し進めて行っていいというところが、どうやるんだろう?と齢55にしてまだバチーンと表せないから、無名の人生という新書もついでに買ってしまった。くるのが楽しみだな。