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リリエンタールの末裔(ハヤカワ文庫 JA)

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2011.12
  • 出版社: 早川書房
  • レーベル: ハヤカワ文庫 JA
  • サイズ:16cm/328p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-15-031053-0

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文庫

紙の本

リリエンタールの末裔 (ハヤカワ文庫 JA)

著者 上田 早夕里 (著)

彼は空への憧れを決して忘れなかった—長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋...

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リリエンタールの末裔 (ハヤカワ文庫 JA)

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彼は空への憧れを決して忘れなかった—長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋無人探査機にまつわる逸話を語る「ナイト・ブルーの記録」、18世紀ロンドンにて航海用時計の開発に挑むジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議を描く書き下ろし中篇「幻のクロノメーター」など、人間と技術の関係を問い直す傑作SF4篇。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧

リリエンタールの末裔 7−77
マグネフィオ 79−129
ナイト・ブルーの記録 131−182

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みんなのレビュー57件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

上田早夕里さんによる、人間と技術の関係を問い直す傑作SF4編

2016/12/12 12:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る

短編集「リリエンタールの末裔」は、人間と技術の関係を問い直す傑作SF4編を収録しています。

「リリエンタールの末裔」
この短編集の表題作です。
大規模海面上昇後の陸上世界と海上世界との確執、人間と他生物との共存、人間と人工知性体との友愛などを描いたシリーズ「オーシャンクロニクル・シリーズ」の第3作目です。
長編作品「華竜の宮」の世界の片隅で、空を飛ぶという夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描いています(主人公は続編の「深紅の碑文」にも脇役として登場します)。

「マグネフィオ」
人の心の動きを可視化する装置の開発を描いた短編小説です。
人の心の動きを可視化するというのはSF作品でありがちなテーマだと思いまが、その手法について緻密に練られていることが最大の特徴だと思います。また、装置の開発に関わる人達が織りなすドラマにも注目してほしい作品です。

「ナイト・ブルーの記憶」
海洋無人探査機にまつわる逸話を語る短編小説です。
海洋無人探査機のオペレータが、様々な海洋調査をしながら、無人機の人工知能にベテランパイロットの判断や行動を学習させるという小説です。
人工知能はSF作品にありがちなテーマであることは間違いないですが、この作品は人工知能が人間に牙をむくといったような内容ではなく、無人探査機のオペレータの身体感覚の変容が描かれているという点だと思います。
著者が最も得意とする海を舞台とすることで、人工知能を扱った他作品と一線を画していると思います。

「幻のクロノメーター」
この短編集の中での唯一の中編小説です。
18世紀ロンドンにて航海用時計(マリン・クロノメーター)の開発に挑む実在した時計職人、ジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議を描いています。
実在の人物を描くため、ドキュメンタリー小説なのかと思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。未知の物質が登場するれっきとしたSF小説です。
歴史改変SFではく、歴史の裏側でこんなことがあったかもしれないな、と思わせるような内容になっています。

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紙の本

幻想的というか魔訶不思議な世界を彷徨った感じです。

2016/11/09 00:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

幻想的というか魔訶不思議な世界を彷徨った感じです。「リリエンタールの末裔」3点、「マグネフィオ」4点、「ナイト・ブルーの記録」4点、「幻のクロノメーター」5点の4話からなる。総合点としては4点。

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紙の本

若干尻切れトンボ

2015/03/26 17:14

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る

どの短編もリアリティーがあり、読み応えがあった。ただ、短編だったためか物足りなさも。表題作や幻のクロノメーターは途中までは良かったのに尻切れトンボという感じ。長篇『華竜の宮』は相当なスケールということなので期待。

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紙の本

リリエンタールの末裔

2016/11/07 13:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る

SF短編集。
同じ短編集でも<魚舟・獣舟>よりかなり爽やかで明るい気配。
4つともすごく好きだけど、選ぶなら<リリエンタールの末裔>と<ナイト・ブルーの記憶>がお気に入り。

さらっと読めるし休憩本適性高い気がする。
<リリエンタールの末裔>は、<魚舟・獣舟>それから<華竜の宮>と同じ世界ということなので華竜の宮早く読まなくちゃ。

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2013/04/22 19:40

投稿元:ブクログ

収録の短編4本、どれも面白かった。
冒頭から3篇はキーワード、とは違うけれど、花のモチーフが印象的なところで出てきたように思った。睡蓮の形の水上都市、心の動きを視覚化させる磁力の花、脳の中に開く記憶という名の一輪の花。どれも儚く、それ故に美しい。
最後の「幻のクロノメーター」だけ少し毛色が違うように感じたのは、これだけが書き下ろしの新作だったからなのか。
前に『華竜の宮』を読んだ時にも思ったけれど、作者の“人という生き物”に対する視線が愛情があるところがとても好きだと思う。

2013/06/30 19:50

投稿元:ブクログ

久しぶりにSFを読みました。かつ、上田さんの作品は初めてです。

裏表紙の解説に載っているように、人間と科学技術の関係性、在り方について書かれた短編集で、考えさせられました。どの作品も論理的に組み立てられていて読みやすかったです。登場人物も、技術やモノづくりに熱心に関わっており、興味深く面白い作品集でした。

次は表題作「リリエンタールの末裔」の舞台となった長編『華竜の宮』を読んでみたいと思います。

2014/01/07 22:38

投稿元:ブクログ

短篇集。

* リリエンタールの末裔
空を飛ぶことを夢見て、たくさん働いてお金を貯めてグライダーを買うお話。裏のテーマは差別とかそういう感じのもの。リリエンタールとはハンググライダーの考案者。

* マグネフィオ
事故でなくなった人の心の動きを可視化したいという話。恋愛もの。ちょっと純粋すぎるかも。別に磁性化流体を使わなくてもディスプレイでも良いじゃんと思わないこともない。

* ナイト・ブルーの記録
海洋無人探査機を脳インタフェースで操縦しますよ。探査機を使っていたら、自分の手足のように感じてきましたよ。という話。

* 幻のクロノメーター
天文学と時計職人の話。途中から宇宙生物?らしきものが現れる。

2013/07/30 18:25

投稿元:ブクログ

表題作含むSF4篇
「リリエンタールの末裔」空への憧れを決して忘れず、種族による差別や金銭的苦難を信念と勇気で乗り越え夢を叶えようとした少年の話。
イイトコロで終わっとる-
プロローグのみ、って感じでそこからが読みたかった!的な。
でも『華竜の宮』の世界の隅っこを覗けて楽しかった-

「マグネフィオ」人の心の動きを可視化する装置で愛する人の気持ちを知ろうとする三角関係な話。
うーん…菜月の修介に対する執着が怖かった。
和也も修介も相当だけど…

「ナイト・ブルーの記憶」海洋無人探査機に纏わる逸話。
海中を漂っているような気分になったよ-
『華竜の宮』の海上民に繋がってると思いました。

「幻のクロノメーター」実は語り手のエリーが機械じゃ?と思ったけどそんなことは無かったぜ…
普通に飲食してるもんね…
ひとつの事に熱中夢中に人生かけて生きるって美しいよね-困難だからこそ。
そしてやっぱりそれは報われて欲しいと。
しかしアレは生き物に入って命を担った場合、何時まで活動を続けるんだろう?
あそこで死なずハリソンさんの最期をみることができたのは良かったけど…終わりが(見え)ないってのは辛いような。

2012/08/18 17:00

投稿元:ブクログ

華竜の宮の世界観の短編とあって、大事に読みたいと随分時間をかけてしまった。

やはり好きな世界「リリエンタールの末裔」。
19世紀ロンドンを舞台の時計職人の話「幻のクロノメーター」も好き。他二編もじんわりとくるSF良品。

※H4の美しさは必見ですね!→http://ueda.asablo.jp/blog/2012/05/11/6442698

2013/11/27 08:20

投稿元:ブクログ

SF短篇集。一人称の問わず語りも三人称の記述もあり。独自の世界観の中でのストーリーを読者に押し付けることなく説明する文章力が秀逸。脳内ビジュアルを生成してくれる。

2016/03/09 11:49

投稿元:ブクログ

図書館で。SFというよりはファンタジーっていうイメージですね~

脳波と思考を読んで咲く花ってのは面白かったなあ。後は最初の空を飛ぶ話が好きでした。

2012/05/01 06:24

投稿元:ブクログ

短編集。何より美しい表紙に釣られた。
表題作の前向きさが眩しく、再度表紙を見返すことに。
短編集として作品ごとに星をつけたいくらいですが、表紙と表題作だけなら確実に五つ星です。

2012/01/30 17:37

投稿元:ブクログ

人の技術に関する短・中篇集。
ただ技術的なギミックというよりは人と技術のかかわりや価値観についての話が中心です。

話的に面白かったのは「幻のクロノメーター」。話としてのカタルシスには欠けますが、安定して読んでいけます。

印象に残ったのは「マグネフィオ」。オプティミズムな作品の中で、唯一これだけが異端的に見えました。
この短編に出てくる登場人物は誰一人として、客観的に見れば幸せではありません。けれど、そんな中で技術に縋り、幸せを見出そうとしているところがとても印象的でした。

2013/07/14 01:23

投稿元:ブクログ

テーマは可視化、ないしは具現化かな、と、読みしなにはおもっていた。

民族の誇りを内包した背中の鉤腕をフルに利用した飛翔。脳の機能障害を補完するためにうみだされた、水盤上に脳波で描かれる磁石の花を見せる装置。無人探査機の触覚と感覚を超えて身体的にシンクロした科学者。天体と同レベルの精度でときを刻む時計を世に送り出す職人の生涯。

繊細で美しい機械を媒介に、感情や思い、願いを増幅させる人間たち。その具現化がここで追い求められたテーマであり、その中心を担うのが人間の叡智たる科学でありマシンであろう、そんなふうに読み進めていた。

すべてを読み終えて振り返ると、それら、物語のど真ん中に据えられたはずのマシンたちは実は一様に脇役であることに気づく。実際にマシンで実現したいものは、対人間であればいともたやすく日々のなかに埋没される感覚だったり、人間が創り出した虚栄心や競争だったり。マシンで補強してまで希求する人間の欠乏感が、すべての根っこなのかもしれないと。

喪うから、求める。

喪うことができるのはそもそも存在していたからであるが、関係や感情、思いを元に戻し得るかの問いは物理と違って常に質量保存の法則が及ぶべくもない。しいていえば可塑性・可逆性の問題であるはずなのだ。だがここにでてくる登場人物たちはみな一様に、とにかく足りないパーツを埋めればなんとかなる、と、単純な足し算を律儀に繰り返す。あるものはひたすらに時計を作り、あるものは死にゆくものを触り、という具合に。

科学をベースにしながらも上田作品が繊細でしなやかなのはおそらくは、そのせいであろう。優美に詳細に生み出された科学の粋を尽くしたマシンたちは、あえて人への随意性を要件とされずに、人に柔らかにおもねる。

さいごの短編は、ことさらに丁寧に読んでいただきたい。実際の人知と科学に、人とのつながりとファンタジーを詰め込んだ、まさに白眉。


硬質な骨組みにしなやかな肉をまとった、優しいマシンたち。

そうか科学はこんなにも、甘やかでいとおしい、あたしたちの隣人、だったんだ。

2014/11/29 11:43

投稿元:ブクログ

 記憶と感覚を強く印象着けるSF短編。
 最後の「幻のクロノメータ」のイメージの豊かなことはすばらしい。この長さであるからこそ輝く設定なんだろうけれども、読み終えるのがもったいないと思ってしまった。

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