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紙の本
わたしの三面鏡 (ちくま文庫)
著者 沢村 貞子 (著)
「女優」「主婦」「もの書き」という三つの顔を持つ著者が、日々の暮らしの中で老いと向き合い、一喜一憂する心を綴ったエッセイ集。花が咲かなくなった庭の百日紅にわが身を重ね、心...
わたしの三面鏡 (ちくま文庫)
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商品説明
「女優」「主婦」「もの書き」という三つの顔を持つ著者が、日々の暮らしの中で老いと向き合い、一喜一憂する心を綴ったエッセイ集。花が咲かなくなった庭の百日紅にわが身を重ね、心を痛める日もあれば、「老女の甘ったれには…なりたくない」とつぶやき、背すじをシャンとのばす日もある。気丈に、しかし心おだやかに生きる明治女の矜持。【「BOOK」データベースの商品解説】
老女の甘ったれには、なりたくない−。「女優」「主婦」「もの書き」という3つの顔を持つ著者が、日々の暮らしの中で老いと向き合い、一喜一憂する心を綴る。遠藤周作、山田太一との対談も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
明治おんなの暮らしの哲学
2020/09/16 22:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
90年代後半に87歳で逝った女優・沢村貞子さんのエッセイ集。といっても本書は、まだまだ女優で活躍中だった70代の日々雑感なのだが、明治オンナは変に若ぶらなくて、高齢化社会の不安などの”老いの日常”が中心のお話。されど、じめじめもぜず、よわよわしくもなく、あえて言えば潔い...やっぱりさすがです。
エッセイはまず、朝日新聞に連載された。その当時より、まさに「現在」必要な「暮らしの哲学」がそこかしこに。その頃から沢村さんは今の日本と世界を何となく察知していたのかもね。いや、沢村さんのみならず彼女と同世代の先輩たちはみんなわかっていたのか...とか思う。時は、1980年代前半。あの浮かれた時代だ。
「消費は、一種の美徳」という発言に対し、「家具でも衣類でも、いいものを少しだけ使った方がいいと思います。作る方は数を減らして丁寧にこしらえて、もう少し高く売ればいい。そうすれば使うほうもむやみに買えないから、やっと手に入れたものを大切にするでしょう。そのほうが部屋も広く使えるし、キモチのゆとりが出来て、年中何かに追いかけられるような、あくせくした暮らしから抜けられるのではないかしら」と反論。
ページを繰れば、そんなたぐいの話がこれでもかこれでもかと飛び出して、ともかく戦前戦後、高度経済成長を大人として経験した明治女の発言に深く共感すること多しでした。