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南朝の真実 忠臣という幻想
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この著者の新着情報

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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2014/05/20
  • 出版社: 吉川弘文館
  • サイズ:19cm/218p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-642-05778-3
  • 国内送料無料

紙の本

南朝の真実 忠臣という幻想 (歴史文化ライブラリー)

著者 亀田 俊和 (著)

「不忠の足利氏、忠臣ぞろいの南朝」という歴史観は正しいのか。皇統が二つにわかれた南北朝時代の、皇位や政策をめぐって頻発した内乱と、複雑に絡みあう人物相関を詳述。本当の忠臣...

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南朝の真実 忠臣という幻想 (歴史文化ライブラリー)

1,836(税込)

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商品説明

「不忠の足利氏、忠臣ぞろいの南朝」という歴史観は正しいのか。皇統が二つにわかれた南北朝時代の、皇位や政策をめぐって頻発した内乱と、複雑に絡みあう人物相関を詳述。本当の忠臣は誰か、新たな視点で描く。【「TRC MARC」の商品解説】

目次

  • 忠烈・義烈の南朝忠臣という幻想―プロローグ/建武政権の内紛―政治路線をめぐる抗争(尊氏よりも父の天皇が恨めしい―後醍醐天皇・足利尊氏 対 大塔宮護良親王/大覚寺統内部の皇位継承争い―後醍醐天皇 対 康仁親王/幻の鎌倉幕府再興計画―後醍醐天皇 対 西園寺公宗/建武政権最大にして最後の内紛―足利尊氏 対 後醍醐天皇)/南北朝初期における内紛―第三王朝樹立運動(幻の北陸王朝の夢―後醍醐天皇 対「天皇」恒良・新田義貞/藤氏一揆と関東王朝樹立構想―北畠親房 対 興良親王・近衛経房・小山朝郷)/観応の擾乱以降における内紛―講話か、徹底抗戦か?(吉野攻撃を申し出た南朝の武将―北畠親房 対 楠木正儀/南朝のスキャンダル―後村上天皇・北畠親房 対 中院具忠/護良の遺児の野望―後村上天皇 対 赤松宮陸良親王/大楠公楠木正成の息子、南朝を裏切る―楠木正儀 対 長慶天皇/南朝天皇の兄弟喧嘩―後亀山天皇 対 長慶上皇)/教訓―南朝の内紛が教えてくれるもの/「相対化」される「南朝忠臣史観」/南朝の潜在的反乱分子―北条時行と征西将軍宮懐良親王/内紛の対立構造の変化―現代政治との共通点)/歴史から学ぶとは?―エピローグ

著者紹介

亀田 俊和

略歴
〈亀田俊和〉1973年秋田県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程歴史文化学専攻(日本史学)研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。同大学文学部非常勤講師。

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書店員レビュー

丸善丸の内本店

歴史研究の面白さに気付く一冊

丸善 丸の内本店さん

後醍醐天皇の倒幕運動に応じて挙兵した後、一貫して天皇に忠誠を尽くした楠木正成ら南朝側の人物たちは忠臣、その一方で倒幕の最大の功労者足利尊氏といえば、天皇を裏切って北朝を樹立したという事実があるがゆえに逆賊という印象が強い。

こうした「南朝忠臣史観」は、戦前からの代表的中世史家である平泉澄が集大成した皇国史観に最も鮮明に表れており、それが多くの日本人が南朝と北朝にもつ印象に影響しているようである。だが南朝の内実はといえば、天皇に従わずついには配流された息子の護良親王や、内部対立の結果北朝側に帰順した正成の子の正儀を見れば、ご内紛あり、裏切りありと、清廉潔白な忠臣のイメージからは程遠い。

本書ではそうした南朝の内実が暴かれていくのだが、筆者の目的は「南朝中心史観」の単なる否定ではない。ある史料によれば、正成は全国の武士をまとめるには尊氏の力が必要だとして、尊氏が九州に没落した段階で講和すべきだと天皇に献策するなど現実的・合理的な考えを持った武将であったという見方ができるという。一方で尊氏はといえば、後醍醐天皇の本名の尊治から偏諱を受けた尊氏という名を終世使うなど、天皇に対して親愛の情を持っていたという。

本書を読むと先行研究をただ否定するのではなく、正しく評価しなおす、あるいは違った見方ができるということを提示できる面白さが歴史研究にはある、とうことを気づかせてくれる。


(評者:丸善丸の内本店 人文科学書担当 喜田浩資)

みんなのレビュー7件

みんなの評価3.6

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (1件)

2014/09/23 16:18

投稿元:ブクログ

持明院統、大覚寺統の皇統問題に端を発する南北朝の複雑な歴史が明解に語られている。伝統的なイデオロギー史観ではなく、客観的に南朝を眺めることが合理的な説明になり、極めて分かりやすい解説になっている。

2014/09/21 14:59

投稿元:ブクログ

「忠臣という幻想」という副題ですが、いまどき南朝を忠臣の集団だと考えている人はいるのか!?という感じなのですが(笑)、課題の立て方といい、各章の見出しといい(○○対△△など)、用語や背景の説明レベルといい、安直な現代状況との連結といい、これはビキナーズ向け図書だなあと思っていたら、実際の記述は割と論点が集中・整理されていてなかなか面白かったです。(笑)南北朝動乱の流れは目まぐるしく、敵味方が入り乱れ、そしてそれが日本全国に分散して発生したりしているので、なかなか総合的に理解することが難しいのですが、本書ではさすがにきっちりとまとめられていました。
著者の記述にもありましたが、自分も佐藤進一の『南北朝の動乱』を読んで南北朝時代の変遷に魅せられたクチでして(笑)、政治とパワーバランスとオセロゲームのような成り行き(もういくつもほかに色が必要ですが)がとても面白く、戦前のような「忠臣」だの「逆賊」だのと「歴史教育」や「歴史認識」の素材だけで使われるにはもったいなさ過ぎるほど、私利私欲あり、権謀術数あり、原理主義路線あり、「敵の敵は味方」など節操のないマキャベリズム的な動きありと、登場人物全ての躍動感というか、生き生きとした人間臭さが爆発しているのが大きな魅力です。(笑)
後醍醐や後村上などの原理主義路線に加え、特に後醍醐の手段の節操の無さや、私利私欲ぶりにはみんな困っただろうなあと思うと可笑しくて仕方ないですが(笑)、その後醍醐を慕い続けた足利尊氏が、国家の行く末とか面倒で決着のつかないような課題に取り組む気などさらさらなく、テキトーな人間と著者が評していたのにも笑ってしまいました。武家に不利な寺社保護政策を打ち出した直義に何で直義党のような勢力が構築できたのかずっと疑問でしたが、著者は生真面目な直義の政治方針への可能性としていましたね。
また著者は、南北朝動乱の根本課題として恩賞の遅配や実効性の無さを挙げていましたが、著者の研究課題であったその対策としての管領執行システムの概要と成立過程の概説はとても興味深かったです。
南朝も北朝も決して一枚岩でないどころか、それぞれ一体いくつの岩があるんや?という動乱状況ですが(笑)、本書の主題である南朝側の「岩」をいくつも挙げ混沌とした南朝史の一面を人物で捉えた初心者本としてはなかなか良かったと思います。あまりにも混沌な状況なので、いまだに自分もあれ?これって何でこうなって結局どうなったんだっけ?とまた本書を振り返らなければならないですが・・・。(笑)

2014/06/07 07:46

投稿元:ブクログ

南朝には忠臣がたくさんいて、内紛ばかり繰り返していた室町幕府とは違うーーという認識は本当なのか?という出発点の本。
結論的には、南朝も幕府と変わらず(むしろそれ以上?)、内紛の繰り返しだった。

大塔宮とその子供たち、大覚寺統嫡流康仁親王、鎌倉幕府を再興しようとした?西園寺公宗、北陸へ下向した「天皇」恒良と新田義貞などなど。

これまであまり論じられてこなかった「忠臣なのか?」(後醍醐の政治思想に賛同していたのか、南朝を裏切らなかったのか…等)の視点で書かれていてとても面白かった。
文章も読み易くすらすら読める。

2015/12/14 23:17

投稿元:ブクログ

南北朝時代はややこしいけど、面白い。観応の擾乱で幕府が分裂して南朝に降ったり、親子で争ったりわけ分からん。南朝は忠臣揃いで、北朝は逆賊というのではなく、南朝側もスキャンダルや内紛があった。公家や武士の「忠臣」たちは現実的で後醍醐天皇の政権運営を批判していた。

建武政権は現実的な部分もあった。また、室町幕府の政策で六波羅探題や建武政権を継承した部分がある。

2014/08/31 19:08

投稿元:ブクログ

表面上は南朝の間断のない内紛・抗争や非「道徳」性を取り上げ、皇国史観以来の「南朝=忠臣」幻想を打ち砕いているが、実は手の込んだ建武政権・後醍醐天皇再評価論である。恩賞宛行における施行状の発給システムが建武政権と室町幕府で継続していることを根拠として建武新政を再評価し、足利尊氏こそ後醍醐天皇の政治的後継者であったとするが、「建武政権は時代の先端を行きすぎた権力であり、周囲に理解されない先駆者の悲劇を味わった」(p.174)という政権の失敗を「周囲」に求める評価は、本書が批判対象とする皇国史観の平泉澄のものと変わりなく、極めて危険な考え方である。一般に知られていない、あるいは忘却されていた史実を再発掘して固定された南北朝時代像を克服しようとする意欲は認めるが、いくら一般向けとはいえあまりにくだけた語り口や、性急に現代の政治状況に類似性を見出して「教訓」(文字通りそういう1章を設けている)を導く方法も正直不愉快だった。「歴史学とは高度な知的娯楽」(p.212)と断言してしまう歴史学研究者が京都大学のようなアカデミズムの中心から出現したことは、はっきり言って歴史学の将来に不安を抱かせる。

2014/04/24 15:58

投稿元:ブクログ

敢えて勝ち組に乗り換えない者に、崇敬の念を抱いてしまうのです。

吉川弘文館のPR
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b176614.html

2016/06/14 23:47

投稿元:ブクログ

平泉澄が「少年日本史」で記した、「吉野の君臣の忠烈、日月と光を争う」とした皇国史観に疑義をとなえる。
だけど南朝も北朝もなくて、どっちも自らの権益のために動いていただけ。建武の新政の理想を最も受け継いだのは、実は尊氏かもっていうのが、この著者らしいところかな。

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