紙の本
可能性を伸ばす
2020/07/11 09:23
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
自由な時間や遊びが、子供の創造性を逞しくしていくようです。日本でも知識の量よりも、応用力が問われる時代への転換期かもしれません。
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私がこの本が良いと思う理由に、イノベーターの作り方と言った本書の主張をまとめたページが無いことです。本によってはエッセンスが要約されたページが用意されていて、そこを読めば短時間でも本を理解できるような構成で作られています。
しかし、この本は各箇所に大事なエッセンスやポイントがちりばめられており、それが逆に良いと思うのです。すぐに理解が出来るような本ではなく、子供や後輩・部下に実践する中で、「イノベーターとして、育てるのはどうしたら良いか?」「この子をイノベーターに育てるにはどうしたら良いか?」という問いを感じた時に、舞い戻るような指南書や教科書的な位置づけになる本ではないでしょうか。自分が直面する問題に対する問いを持って読んだ時には、それに相応しい答えが見つかるはずです。
私が本書で一番強烈にインパクトが残ったのは「教育によって好奇心が抜き取られてしまう」という一文です。好奇心を辞書で調べると、“珍しいこと・未知のことに対する強み興味・関心”と出て来ます。言われて見ると、子供の頃は好奇心から触れること・質問すること・チャレンジすることが生活の中に織り込まれています。常に新たな一歩を踏み出しているとも言えるでしょう。
しかし、年齢を重ねるに連れて、新たな一歩を踏み出すことをしなくなるのは、好奇心が段々と抜き取られているという捉え方を私はしました。当たり前のことですが、教育を受けるのは人間で、機械ではありません。機械でないとするなら、人には「心」があります。その心を耕すこと・鍛えることこそ、教育の本質ととらえることができるはずです。
本書を読むに連れて、好奇心が抜き取られてしまう原因に、「子ども(広い意味で相手)を型にはめる」というものがあるのではないかと思い始めました。型にはめて教育を行うことで、狭い世界での枠に収まることを生んでしまう。これではイノベーターを生むための教育とは、大きなズレが生じていることになると思います。
「それでは、どうしたら良いのか?」
私なりの結論で言えば、相手に合わせた教育をすることになると思います。先生は生徒に、親は子に、先輩は後輩に、上司は部下に、相手を基軸にした、主役にした教育を徹底的に心掛けることがイノベーターを生むために何より大事だと言えます。そこには相手との信頼関係や信頼を作るための時間が必要になります。その中で好奇心を大切に育て、相手(教育を受ける側)に「学びを愛する」気持ちを生んでいけるような環境づくりこそが教育する側に求められていることではないでしょうか。
「私たちは子供の決定や選択に基づき指導する。子ども達が何をしようとしているのかを見極め、助けます。そのためには、子ども達が何に関心を示しているか見逃さないようにしなくてはいけません。教員の観察力が要求されます」
私は、この文章にこそ、本書のメッセージがつまっていると思います。行き着くところは、やり方ではなく、在り方だと。
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この本では様々な事例で多様なイノベーターの在り方を学べる。メンターがいないため自分を見失っている人、自分の子供の好きを仕事に結びつけるのに困っている人に良いだろう。
前に「自分探し」なるブームがあったがそれは時代の必然である。師匠やメンターへの出会いのないケースが増えたからだ。人は自分の好きを仕事にするのがやはり良い。根性で続けるというのは幻想に過ぎない。投げやりに飲み明かしては時間の無駄である。
そういう意味ではこの本で紹介されているのは、「いっちゃってる」人達である。自分はこんなこと出来ないではなく、彼らのように打ち込める事があるなら、それを極める生き方はきっとある。それから師匠、メンター、仲間を探せばいい。
英語では障害(disorder)者をGiftedと言う。自分の全ては才能であり活かせるのは自分だけだ。
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本としてはいまいちで、文章に引き込まれる感じがないのですが、(翻訳の問題かも?)著者の主張が今後の社会にとって極めて重要な意味をもつと思うのであえて高評価としました
いずれ計算機含む機械の能力が向上し、定型化された仕事はすべて機械に置き換えられるのは確実で、そうなるとイノベーティブな活動をする人だけが忙しく仕事をし、それ以外は機械による生産物をただ消費するだけの人になる、一見すると極めて不公平な世の中になるはず、というか実際そうなりつつある
それがいいことだと思わない人も多いがその流れは止められない
なぜならエネルギー、資源、食料は有限で世界中の人が満たされることはなく、唯一解決できるとすればイノベーションの加速しか方法がないから
それができなかったらなんらかのことで人口が激減するという不幸な結末しかない
ということでイノベーターの存在が重要なのですが、教育は真逆のことやってますよね、昔より悪くなってる
(昔が良かったのではないですよ、今がもっと悪いだけ)
この本見る前は日本特有の問題かと思ってたのですが、そうでもないようですね、複雑な心境です
本文にも触れられてましたが、本来イノベーターになるべき人材を医者と教師が発達障害とレッテルはって薬飲ませて才能を抹殺してますからね
たまたま親の努力やらメンターとなりうる大人とめぐり合った幸運な人はイノベーターとして活躍できてますが、抹殺された人の方が多いんじゃないでしょうか?
調査したわけではないので断定はできませんが
本書が主張するようにイノベーターを偶然ではなく育成する仕組みがいるのは確かなんだけど、仕組みができたらその仕組みを守るというまったくイノベーティブでない行動を取る人が現れるだろうから悩ましいところ
いずれにしてもこういうことを真剣に議論するようにならないと日本も世界も未来がないと思う
そういう意味で多くの人がこの本を読んでくれることを望みます
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STIM(科学・技術・工学・数学)の専門知識の重要性。
親は、子供のころに創造性と好奇心を培える時間を十分に与え、明確な価値観(社会の為に誰かの役に立つこと)を教えることが大事なようだ。
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とにかく共感する部分が多い本となりました。多くの人がうすうす感じているけれど、なかなか動こうとしないところをズバリと言い放つ論調は爽快です。学校教育によって、創造性への好奇心を奪われているという件は、この本のハイライトでしょう。幸いにして、その学校教育へ疑問を感じていた先生に教わった僕は、幸運だったのかもしれません。何を学ぶかは重要ではないというくだりも深いです。そういう本人は、当然のように多くの知識があり、学びを続けるという点です。イノベーターを育てるヒントが散りばめられています。時代にフィットした教育の在り方を実行していかなければならないと思います。
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イノベーターと思われる人たちが育った環境についての本。どのようにすれば子どもをイノベーターに育てるかといった教育本的立ち位置にもなっている。
日本的でアメリカではそうじゃないと聞くようなことが度々この本に書いてあった気がする。例えば、理系文系の区別とか、起業せずに給料のいい仕事につくように考えてる人が多いとか(後者はまるでアメリカ特有のことのように書かれてあった)。
ところで、この本に書いてあったローラという人の高校1年生の時の話。インターンとして働いていた時の話なのだけど、リーダーが1週間で辞めて16歳のインターンにしてはものすごく大きな仕事を任されたのだとか。夜遅くまで働いて週末まで働いたとあるのだけど、これって法的に大丈夫なのだろうか。アルバイトじゃなくてインターンだから大丈夫なのか?
日本でもみならいという話をたびたび聞くけど、フィンランドの教育がすごいらしい。でも、ほとんどの先進国より就学年齢が1年遅く、宿題は少なく、授業時間も授業日数も少ないのだとか。日本もゆとり教育で授業時間が減ったけど、減らすだけだったから失敗したんだろなぁ。
ところで、ちょっと意外と思ったのが、イノベーターといわれる親は子どもにスクリーンタイム(パソコンやテレビの視聴時間)をかなり制限していたこと。テレビはともかく、パソコンは小さいころから与えてるイメージがあった。実際は遅い人が多いらしい。
日本にもこういうイノベーターっぽい人はいるんだと思うのだけど、この本の日本人版があれば読みたいと思った。
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(最近では減ってしまったことだが)書店で見かけて偶然手に取ったものだったが、充実した内容だった。
訳題は『未来のイノベーターはどう育つのか? 子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの』だが、原題は Creating Innovators: The Making of Young People Who Will Change the World だ。直訳すれば「イノベータを創り出す。世界を変える若い人々をつくること」
前者はまるで他人事みたいではないか。
「どう育つのか?」と「Creating」との、姿勢の違いは大きい。
この違いが本書のメッセージを日本で読むべき理由を端的に示しているようだ。
ひとのせいにしていてはダメなのだ。
教育に熱心に取り組む大学人は、組織内ではまったく評価されず、テニュアもとれないというエピソードが繰り返し登場する。それこそ他人事ではないのでなんとも切ない気持ちになるが、それはまた別の話。
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2児の父です。
「遊びが情熱となり、目的意識へと発展していく」という考え方は、非常に共感できました。
親の役割の大切さをひしひしと感じました。
下記の事例は、ぜひ何らかの形で実践したいと思います。
・クリエイティブな人物の電気を本棚に並べる。
・旅行に行くときは、子供と一緒に旅行先を予習しておく。
・子供にスポーツをさせるなら、国籍や言語の違うチームに入れる。
・子供の遊び部屋をアトリエに改造する。
・スクリーンタイムを制限する。
・イノベーションや社会活動などへの意識の高い学校へ入学させる。
「モンテッソーリ教育」についても初めて知りました。関連する本を読んでみようと思います。
http://booklog.jp/item/1/4062016087
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【学び】
イノベーター教育に必要なこと
・コラボレーション(一人でイノベーションを起こすのは無理)
・実践的(何を知ってるかではなく知っていることを応用して何ができるか)で分野横断的(工学+IT、環境、デザインとか)学習
・遊び→情熱→目的
・自分で考え決める自由を与え、決断を応援すること。特異な親と言われても譲らないこと
・スクリーンタイムの制限と知的な遊び(レゴなど)
【所感】
はっきりいって最高の書籍でした。自分はイノベーターとは言えませんが、自分の考えや生き方と学校の考えとの違和感は大変共感します。親として子供の創造性を最大限伸ばしてあげられるように、本書を携えていきたい。
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イノベータ―のキャリアにおいて親・学校(教師)・その他メンターがどのような影響を与えているか。基本的には子供の自主性を重んじて情熱を注ぐことを見つけさせる。学び方を学ばせることが重要とのこと。
従来の統一テストやSTEM科目重視の教育方法については否定的だが、個人的には定量化して学校の善し悪しを(一部の側面とはいえ)見える化するためには重要だと思う。ただこれは次のビル・ゲイツを作るための教育で、次のジョブズを作るためには人文科学やアートも同じだけ必要らしい。ケン・ロビンソンもTEDでそんなことを言っていた。
画期的な授業を行っているオーリン工科大学については今後も注目したい。
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これからますます世界中で必要とされる「イノベーター」という存在をどうやったら生み出せるのか、その方法を探った一冊です。
何人かの若き「イノベーター」たちへのインタビューを通じた、生い立ちや教師・メンターとの出会いの記述が半分くらいを占めていますが、どれも面白いです。親や教師がとても特別なことをしているわけではないですが、こどもたちの好奇心や熱意をうまく引き出して自由に発展させよう、というそういった理念が、クリエーティブまたイノベーティブな若者を生み出す源泉になるんだなと感じました。
型通りにはめる、そしてgeneralistを生み出そうとする学校教育が、イノベーターと相容れない精神だというのは本当にその通りだと思う。基礎的な力をつけるということと、モチベーションを失わせないということ、この両立の難しさだなぁと思いました。
アメリカの大きな大学でも教育ではなく、研究が重要視され、教員の評価は研究重視というのがわかって、そうなんだと驚きました。次世代のイノベーティブな研究者を生み出す仕組みをどう作っていくかがこれからの世界の高等教育機関の勝負所になりそうだな、と感じました。
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若者のイノベータ―とそれを支えた両親、メンターなどのインタビューを交えながら考察している。
自由な時間に発想した遊び、興味から情熱を持ち続けられるものをいかに見つけ学校がどのようにサポートすると良いのかが考察されている。
大学は座学・研究だけでなくフィールドワーク、コラボレーション、学部超えて自分の好きな授業が取れるようにする、という提唱が印象に残った。
ただ、これをやり過ぎると大学の研究機関としての機能も失いかねないので両立が難しいかもしれない。
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経済の成長エンジンとしてのイノベーションを教育的側面から促進する考えについて述べた著書。
イノベーションを起こすためには「専門性(知識)」、「クリエイティブな思考力」、「モチベーション」が必要と言う考えのもと、現在の家庭・公的教育はそれらの能力を育む仕組みになっていないと問題提起している。
家庭教育は子供が本当に熱意を注げるものの選択肢を豊富に提供し、選択した際にはフルサポートできているか?
義務教育、高校、大学は画一的な知識のインプットだけを行い、その知識で現実の問題をどのように解決するか教えているのか?
現在の国力の低下、国民の貧富2極化を鑑みると、日本でもこの著書で述べられているような、イノベーターを育てる新しい教育方法を実践する組織をサポートし、新しい世代を育成していくことが急務だろう。
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昔読んだエジソンの伝記で、エジソンはラジカルな質問をやたらとして教師を困らせた、というのがあったけれど、それを思い出した。
印象的だった一文。(少し補足入り)
「オレンジからもっとジュースを搾り取る方法を教える教育はあるが、より良いオレンジを育てるための教育は確立していない。」
からからのに搾ったオレンジをさらに搾るより、新しいオレンジをテキトーに搾ったほうがかんたんにたくさんジュースが採れるはずなのに…。
搾ったものを更に搾るほうに目が行きがちなのは、某T自動車の手法の影響が大きいのかな。これも大事だけどね、偏重はよくない。