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書物変身譚 琥珀のアーカイヴ
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この著者の新着情報

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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2014/06/30
  • 出版社: 新潮社
  • サイズ:20cm/285p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-335791-9
  • 国内送料無料

紙の本

書物変身譚 琥珀のアーカイヴ

著者 今福 龍太 (著)

書物とは、地質学的時間と歴史的時間を結んで生じた、大いなる変身の産物である。生命と記憶の集積として、電脳化に抗して生き続ける書物の魅力の本質を探る。『考える人』連載に加筆...

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書物変身譚 琥珀のアーカイヴ

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商品説明

書物とは、地質学的時間と歴史的時間を結んで生じた、大いなる変身の産物である。生命と記憶の集積として、電脳化に抗して生き続ける書物の魅力の本質を探る。『考える人』連載に加筆して単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】

生命と記憶の集積として、電脳化に抗して生き続ける、書物の魅力の本質を探る。〈書物〉とは地質学的時間と歴史的時間を結んで生じた、大いなる変身の産物である。原初の〈書物〉を求めての探索は、記憶の種子を孕む叡智の森へ、惑星地球を包む孤高の氷山へ、地層を成す琥珀に眠る虫たちを沈黙とともに宿す洞窟へ――生命の変身と連鎖の物語を、変幻自在な〈書物〉の魂として追体験し、その力を語り継ぐ。【商品解説】

著者紹介

今福 龍太

略歴
〈今福龍太〉1955年東京生まれ。文化人類学者・批評家。東京外国語大学大学院教授。遊動型の野外学舎「奄美自由大学」主宰。著書に「薄墨色の文法」「レヴィ=ストロース夜と音楽」など。

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書店員レビュー

ジュンク堂書店難波店

書物と琥珀 植物のメタモルフォーゼ

ジュンク堂書店難波店さん

空爆後の図書館の瓦礫の中の書物の骸。大震災が直撃した集落での本の不在。焚書による書物の消失。それらの風景は、「書物はかならず終わりのあるモノである」ことを、更には「身体性を備えた豊かな有機的存在である」という確信を、今福龍太の胸に刻印する。そこから今福は、書物がかぎりない変身能力を宿し、歴史を通じてそのことを表現し続けてきたことを、追跡していく。
 変身の、表現の主体は、書物である。書物は、決して人間主体の作物(さくぶつ)ではない。
『ウォールデン』は、まさに植物の書物への変身をソローが媒介したに過ぎない。ジョン・ケージはそのソローを受け、キノコだけでなくすべての音を収集する。
 本の裏側に姿を隠そうとしたソンダク、そしてロラン・バルトの日記は、彼らの死後書物へと姿を変え、カフカの中長編の殆どは、死後出版されたものである。
ナボコフは「本のなかの〈私〉は本のなかでは死なない」と書き、レヴィ=ストロースは「私が自分の本を書くのだと言う感じを持たない」と語った。
 遡れば、生命連鎖の円環的な時間を樹木がしるした年輪こそ書物の原初であり、人類が誕生する遥か以前に羽虫を閉じ込めた琥珀(=鉱物化した樹液)から始まる書物の長い長い変身の歴史を動かすのは、祈りにも似た書物の意思なのだ。
 その途上、アナログが必然的に作り出す生の彷徨、迷い、揺らぎ、交差、錯誤、失敗を、樹木の変容態である紙ならぬ電子ディスプレイ上のデジタルに、担いきれるだろうか!?

みんなのレビュー2件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (1件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

2014/05/23 06:41

投稿元:ブクログ

文化人類学的に見た本の話かな?

新潮社のPR
http://www.shinchosha.co.jp/book/335791/

2016/01/24 01:57

投稿元:ブクログ

今福龍太の「書物変身譚 - 琥珀のアーカイブ」を読んだ。古今東西の思想家の「書物にまつわる考察」を集め、批評した本の本。

どうも最近本当に偶然にテーマがつながることが多い。

「ここでの私の関心は、むしろ、書物という形=イデアへの原初的・本質的想像力を生み出した自然界のエレメントが何であったか、という存在論的な問いである。そしてその問いにたいしては、書物の起源が人類の植物世界、とりわけ樹木世界への原初的な感覚にもとづいていたことを否定することはできないように思われる」p. 39

書籍は紙でできていて、やがて朽ちる(羊皮紙でも竹でもそう)。1枚1枚のページは葉であり、編集、つまり知識を体系的にまとめることはいえば「樹形図」をまとめることだ。貫く幹があり、連関する枝々のネットワークが全体像をつくる。

ニュートンがリンゴの木を見て万有引力を発見したというのはどうやら作り話のようだが、それでも人類は植物、とりわけ樹木によって知的進歩してきた。

つい先日、「ゆきすぎた科学過信」に森林の再生力を対置する宮崎駿の作品思想について触れ、その翌日に思考のフレームとしての「樹形図」の歴史をまとめた本を読んで、体系化された知識のメタファーとしての樹木について考えた。そこへきて、今福龍太の読み解くヘンリー・D・ソロー。

「この本のすべてのページが、ウォールデンの氷のように純粋であれば、私は人にどういわれようと満足だ」-ヘンリー・D・ソローp.36

また、この本の中にはレイ・ブラッドベリの「華氏451」が取り上げられる。書物を読むことが禁じられた近未来、書物の価値に気付いた人々が、深い森の奥で「一冊の書物として生きる」アレ。

しかし、一方でレヴィ=ストロースは次のようにいう。

「本は死んだもの、すでに終わったものです。私には無縁の死体のようなもの」p.88

結局、本は生きているのか、死んでいるのか。書き手にとっては死体であろうと、読み手にとってはそれは生き物だと思う。

スーザン・ソンタグとロラン・バルト、ゲーリー・スナイダー、ジョン・ケージ、鈴木大拙、ナボコフ、カフカとアドルフ・ロース、ジャック・デリダとヴァルター・ベンヤミン。

次々と紹介される作家の書物はお互いに呼応し、その意味は変性していく。それはまるで森の木々が会話をするように。

電子書籍やネットのテキストも便利でいいけど、書架に並んだ本の背は、自分の思考の変遷を思い起こさせてくれる。はたして人は電脳の世界に生きることはできるのか?

それとも古代の樹脂に閉じ込められた昆虫を記憶を辿るように、実態としての琥珀、その記憶のアーカイブに触れることでしか得られないものがあるのだろうか……?

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