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文学とは何か(角川ソフィア文庫)
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文学とは何か (角川ソフィア文庫)

著者 加藤 周一 (著)

文学とは何かという問いに、若き著者が果敢に挑んだ日本文化論。該博な知識を駆使し、詩と散文のちがい、小説家の意識、日本と西欧における美の本質にまで思索を広げる。後年の「日本...

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文学とは何かという問いに、若き著者が果敢に挑んだ日本文化論。該博な知識を駆使し、詩と散文のちがい、小説家の意識、日本と西欧における美の本質にまで思索を広げる。後年の「日本文学史序説」へ続く初期著作。【「TRC MARC」の商品解説】

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みんなのレビュー4件

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評価内訳

  • 星 5 (1件)
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2014/08/14 12:20

投稿元:ブクログ

買ってから気付いたのだが、先日角川ソフィア文庫から刊行された岡潔『春宵十話』『春風夏雨』に続くシリーズで、装丁が可愛い。

最初は、随筆のような体裁から、ずどーんと文学論が来たので、なかなか重かった。
しかし、文学とは何か、というあやふやな境界線を明確にしようと試みる、その姿勢にも方法にも脱帽である。これが31歳の時だなんて、絶対、追い付けない。

一回性の生を語りながら、それが普遍的であること。

分かっているけれど表現できないものを、分かりやすく説明されたときの感動ってこういうことを言うんだな、としみじみ頷いた。

京都の庭の美しさのくだり(ちなみにブルーノ•タウトが引用されていたのは個人的に嬉しかった)、それから定家の人生における歌人としての推移のくだり。
これは、何度も読み直して味わいたいくらいで、すっきりと言葉が収まってゆく。

解説では、文学という主観的な方法を、客観的な方法を使って論じている、と書かれているが、「何か」を述べる上でこんなに整理された流れはないのではないか。

比較する対象は時間や場所と忙しないながら、それが煩雑には思えなかった。
「先人に学ぶ」シリーズ。自身の勉強になった。

2015/04/18 11:26

投稿元:ブクログ

日本を知りたい。そのための切り口として文学を選択して昨年末から日本文学者の作品を読み進めてきた。作品数が約15冊に差し掛かったころ、趣向を変え、文学とは何かという切り口で評論を読むことに。

文学とは、筆者の思想や哲学を、登場人物をして文章で表現する芸術であり、ある一風景や光景を切り取り、それを筆者の思想や哲学まで昇華させる文章による芸術でもある。後者は本書を読んで学べた。両者は、落とし込むのと引き出すという点で正反対のアプローチだが、文章による芸術という点では変わらない。彫刻家、書道家、茶道家、芸術家は思想や哲学を何によって表現するかは違えど、表現するための存在という点では変わらない。恥ずかしながら文学者が一芸術家だとは今更ながら気付いた。

2014/06/30 07:36

投稿元:ブクログ

祝文庫化!

KADOKAWA/角川学芸出版のPR
http://www.kadokawa.co.jp/product/321311000294/

2014/08/14 19:43

投稿元:ブクログ

何も心弾む真夏に好んでこんなタイトルの本を読まなくてもいいようなもんですが、まあ、行きがかり上読むことになったわけです。
洋の東西を問わず古代から中世、そして現代までの文学書を渉猟して、まあ、加藤先生はホントあきれるくらい博識です。
その理路も時に複雑に入り組んで難解で、そもそも文学の素養のない私はついていくのがやっとでした(なら、なんで読むねん)。
しかし、でも、私は次の行に最も心を惹かれました。
「文学とは、一ぱいのマドレーヌの味にふくまれる無限の意味について語るものです。しかし、またわれわれの生涯を決定する重大な瞬間について、もっとも深い意味でのいかに生くべきかという問題について語るものです。その問題は、われわれの人格の問題であって、科学的知識の問題でも、習慣に支配された日常的経験の問題でもありません。しかし、われわれの人生を支えるものです」
文学なんて実生活にまるで役に立たない無用の長物、なんて身も蓋もないことを言う方がいます。
そんなことはありません。
文学は、たしかに私たちの人生を支えるものです。
この言葉に出合い、勇気づけられる思いがしました。
「特殊なものを、その特殊性に即して追求しながら、普遍的なものにまで高めること―それこそ文学の方法であり、文学に固有の方法です」
「人物の内的独白を通じて社会的歴史的問題を描くのが、小説に固有の方法ではないでしょうか」
など、文学を志す人にはずしりと響く言葉が随所にあります。
そうかと思えば、日本と西洋の「庭」の話が出てきて、両者の違いを次のように説明します。
「西洋では、反自然的であることを目標として、自然にはみられない幾何学的構造(たとえば左右対称や円)を、自然にはけっしてない材料(たとえば磨かれた大理石や花壇)によってつくりますが、ここ(日本=引用者註)では、自然に従うことを目的として、自然の不規則な構造(たとえば簡単な方程式にあらわすことのできない池の形)を、人工の跡をとどめない材料(たとえば苔や、岩、あるいは極端な場合に、自然のままの山)によってつくっています」
なるほど、納得しますよね。
それ以外にも、文化と文明の話であるとか、散文と詩の話とか文学史とは何であるかとか、大変に勉強になりました。
本書の旧版「文学とは何か」(角川新書)が成ったのは、1950年です。
なんと、加藤先生がまだ、さ、ささ、31歳の時です。
これを知って40歳の私は戦慄しました。
池澤夏樹さんの文庫化(2014年7月25日初版発行)に当たっての「解説」も読みどころ満載です。
最後の部分は読み飛ばすわけにはいきません。
「この本が刊行された時、日本はまだ敗戦の空気の中にあった。それを終戦と言い換えて済ませるわけにはいかないと加藤は考えた。それが『日本近代文学の不幸』という部分に表れている。そして、戦争が敗北に終わってから六十九年後の今、この本が書かれてから六十四年後の今、加藤がこの本に盛ったと同じ批判を日本の社会に向けねばならない。『孤立しないためには、個人主義が個人的にではなく、社会的に徹底させられる���要がありましょう』というのはそういう意味である」

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