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商品説明
パスカルのキリスト教弁証の試みにおいてもつ人間の身体、および身体をともなう人間の生の両義的な価値に注目し、彼の「身体」をめぐる思想を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
パスカルの思索の中心にあるのは、人間の思考や知性の卓越性ではなく、つねに身体の影響をこうむる人間の精神、精神のはたらきを妨害する人間の身体である。身体は罪の源泉であり、真理の認識の障害であるが、他方でその身体の存在こそが、人間に罪の自覚を促し、真理への到達を希求させる。そうした希求を信と呼ぶならば、信はまさに身体という桎梏を必要とする。本書は、「愛」「習慣」「直感」「中間」「賭け」など、『パンセ』の中心主題をめぐるテクストの精読を通じて、パスカルのキリスト教弁証の試みにおける人間の身体、および身体をともなう人間の生の両義的な価値を明らかにする。【商品解説】
目次
- 第一章 愛と邪欲
- 1.神への愛
- 2.邪欲
- 3.自己愛
- 4.他者への愛
- 第二章 習慣と信
- 1.信仰の起源としての習慣−実践から信心へ
- 2.信仰の障害としての習慣
- 3.習慣の必要性
- 第三章 sentiment−直感、感覚、繊細さ
著者紹介
山上 浩嗣
- 略歴
- 〈山上浩嗣〉1966年大阪府生まれ。パリ・ソルボンヌ大学にて文学博士号取得。大阪大学大学院文学研究科准教授。専門はパスカルを中心とするフランス近世文学・思想。
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