紙の本
テロリストのパラソル
2023/04/21 14:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kon - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸川乱歩賞と直木賞受賞作です。平成7年作品ですが全く新鮮な作品でした。登場人物がすべてかっこいいですね。特に優子、塔子親子がいいですね。学生運動後テロリストは現在は考えにくいですね。20年前はまだ通じるのかな。
投稿元:
レビューを見る
このころの大学生と今時の大学生とのあまりの違い。そういう背景があるから生まれる物語。
塔子のセリフが島村のハードボイルドさを表している。
”他人の入る余地がない”
”この世界でいちばん狭い場所にあなたは閉じこもっている。まるで人を寄せつけない場所に”
塔子も賢い、カッコイイ娘だ。
投稿元:
レビューを見る
第114回(平成7年度下半期) 直木賞受賞
第41回(1995年) 江戸川乱歩賞受賞
期待してたけど、ちょっと浅いんですね。
投稿元:
レビューを見る
タイトルは知っていたが、この作家自体初読。2007年に亡くなっているそうで、出版された本も少ない様子。
新宿公園で起こった無差別爆弾テロに巻き込まれた主人公のあれこれ。ミステリといえばミステリだけど、ハードボイルド的要素が多い。
いやー、面白かった。厳密に言うと、最初から9割位までめちゃくちゃ面白かった。こんな作品があったんだなあ。ポイントはシンプルで、キャラクターがこれでもかというくらいに立っている。特にインテリでニヒルで調べ物が好きで、どこか掴めない性格の主人公の一人称視点は、非常に感情移入しやすい。
また、無関係なはずなのに、容疑者に祭り上げられる不思議は、ひょっとしたら読者に何か隠されているのではないかと疑いながら読み進めることになる。総じて、伊坂幸太郎を読みやすくしたような、そういう印象。
しかし、狭すぎる世間から繋がるヤクザの抗争部分と、最後何故かハリウッド映画のような陳腐な収束は減点したくもなるが、それ以外の9割方は「続きを読みたい」と思わせるだけの勢いと内容であった。
乱歩賞と直木賞をダブル受賞した唯一の作品だそうだが、頷ける気もする。
投稿元:
レビューを見る
直木賞&江戸川乱歩賞ダブル受賞作ということで購入。
爆弾テロ事件と過去の全共闘運動が絡みあうストーリー。
犯人は・・・「ああなるほど」です。男の嫉妬は醜いです。
投稿元:
レビューを見る
乱歩賞と直木賞を同時受賞した作品。
今はアル中で雇われバーテンをやっている40過ぎのおじさんが、新宿中央公園の爆弾テロに巻き込まれて、なんだかヤクザとかいろんな人に追われちゃうお話。
アル中のおじさんは元東大生で、紛争も頑張ってた人だから、ちょっと違うんだよね。
若い頃はボクシングもなかなか良いところまで行っていたから、いわゆる文武両道。
キャラクターも悪くない。
なので、インテリでシャープな雰囲気のお話でした。
関わるヤクザは元警察官、初恋の女性は父親が政界の大物で元東大の外交官夫人、新宿でのホームレス仲間は法医学の教授だったり海外生活が長くて知識が豊富だったり…。
ただ、内容はある意味コンパクト過ぎて、もうちょっと大きく膨らませてもいいのでは…ってところがありました。
これくらいが気軽に読めて破綻しないギリギリってことなのかもしれないけどね。
作者の藤原さんも東大卒の方なので、文章はうまいです。
クドさもないし、純文学好きの人にも良いのでは…と思いました。
投稿元:
レビューを見る
全共闘世代の主人公が、過去と現在の事件の狭間で追われ、また追いつめるおはなし。
乱歩賞と直木賞のダブル受賞作というだけあって、多くの人物や出来事を丁寧に拾いながら解決していく。
また、内容が内容であるにも関わらず、全共闘世代特有の排他的な一体感のようなものもなく、若い世代にも嫌味なく読める。
キャラクターもしっかりしていたし魅力的だったけど、登場人物たちがあまりに似通った人たちばかりだったのが少しつまらなかったかなと思う。
もっと単純におバカな人物がいても楽しかったかも。
ミステリーとしては、前述した通りとても丁寧だった一方、大きく盛り上がるというよりは終始淡々と進む感じ。
投稿元:
レビューを見る
初伊織。いや~面白かった!!主人公のアルコール中毒の中年、インテリヤ〇ザ、主人公とむかし共同生活をしていた女性の娘など・・キャラクタたちの描写が魅力的でホント格好いい^^ 文章は巧いし、ストーリー運びも良くグイグイ読ませます。乱歩賞と直木賞ダブル授賞の名は伊達じゃない!!ミステリとしては少々物足りないかも知れないが、ハードボイルド、エンタメ作品としては間違いなく一級品だと思います。
投稿元:
レビューを見る
評価は3.
乱歩賞&直木賞ダブル受賞、不朽の傑作ミステリ!
内容(BOOKデーターベース)
ある土曜日の朝、アル中のバーテンダー・島村は、新宿の公園で1日の最初のウイスキーを口にしていた。そのとき、公園に爆音が響き渡り、爆弾テロ事件が発生。全共闘運動に身を投じ、脛に傷を持つ島村は現場から逃げ出すが、指紋の付いたウイスキー瓶を残してしまう。後日、テロの犠牲者の中には“同志"だった学生時代の恋人と、ともに指名手配された男が含まれていたことが判明した。島村は容疑者として追われながら、事件の真相に迫ろうとする――。
江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した、小説史上に燦然と輝く傑作。
投稿元:
レビューを見る
主人公の目線にたって読める本。
奇想天外な話ではないが、登場人物に味があり、日常のちょっとした事がおもしろく読める。
主人公の作るホットドッグの話、
ホームレス仲間の話など、主人公に親近感をもってしまう。
1995年に書かれた本だけど20年たったいまでも、不自然なく読める。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしかった!
最上のエンターテイメントでした
ホットドッグの描写あたりから 一気に引き込まれた、やはり 旨い料理の描写は どの作品でも効く
島村さん イケメンだねー、酒まみれの中年だけど
ラストのオチに、
そんな動機?!と やや 消化不良感があるけど、
それを割引いても、これはミステリーとして傑作だと思う
投稿元:
レビューを見る
冒頭から公園で爆弾テロ事件が発生し、一気に作品世界へ引き込まれました。
全共闘世代で、元アマチュアボクサー、現在はアル中の中年に身をやつしている男が主人公。
その主人公が、爆弾テロ事件の犠牲者にかつての全共闘の仲間を見つけ、真相を追うというストーリーです。
言うまでもなく、簡単に真相にはたどり着けません。
幾重にも謎が仕掛けられ、最後にあの人物がそうだったのだと知った時は驚きました。
登場人物は一癖も二癖もある者ばかりで、それぞれに魅力的です。
特に、塔子の人物造形がいいですね。
あと、いかにもハードボイルド小説らしい苦い笑いを含んだ会話。
文章も独特の気品というか香りがあって読ませます。
個人的には、時間の経過が人をどう変えるか、といったあたりに注目して読みました。
江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞は伊達じゃありませんね。
勧められないと、恐らく読まずにスルーしていたと思います。
K恵さん、ありがとうございます。
投稿元:
レビューを見る
アル中、容疑者、自己犠牲の精神、おまけに若い女にモテる。
ハードボイルドの教科書みたいだ。
主人公はまるでフィリップマーロウ。
投稿元:
レビューを見る
セリフのひとつひとつがとてもいい。
偶然性の高さを差し引いても、スピード感のある展開といい構成といい、引き寄せられる物語だった。
島村のバーのメニューは酒とホットドッグだけ。
こだわり続けるシンプルなホットドッグが、とても印象に残っている。
男の魅力は外見だけじゃないなぁとちょっと思ってしまった物語でもある。
過去の学生運動に起因する事件。
公園の爆破事件で幕をあけた一連の流れも、過去の出来事を引きずりだしながら終盤へと一気に向かう。
伏線の張り方、回収のしかた、人物の配置。
読み始めたら止まらない、集中して一気に読んだ物語だった。
投稿元:
レビューを見る
すごく面白かったけど、爆弾の動機がいまいちだな。
同情できるほどの動機があったなら完璧だったのに。
結局、色恋かよ⤵︎⤵︎⤵︎てな感じ。
でも登場人物みんな魅力あるし、テンポある展開だし、いろいろ最後つながっておもしろかった。
助けた子供が組長になっていたのは余計だったけどね。