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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/07/29
- 出版社: 築地書館
- サイズ:22cm/293p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-8067-1495-8
- 国内送料無料
紙の本
ナチスと自然保護 景観美・アウトバーン・森林と狩猟
ナチス時代のドイツにおける自然保護に関する議論を広範囲にわたってまとめる。ヨーロッパの森林政策、環境政策をリードするドイツ自然保護思想・運動のルーツをたんねんに辿り、第三...
ナチスと自然保護 景観美・アウトバーン・森林と狩猟
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商品説明
ナチス時代のドイツにおける自然保護に関する議論を広範囲にわたってまとめる。ヨーロッパの森林政策、環境政策をリードするドイツ自然保護思想・運動のルーツをたんねんに辿り、第三帝国の実像を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
19世紀後半以降、工業化と都市化が急速に進んだドイツで、郷土の自然の荒廃に立ち向かった人びとがついに勝ち取った、先進・画期的な法律が「帝国自然保護法」だった。
ヨーロッパの森林政策、環境政策をリードするドイツ自然保護思想・運動のルーツをたんねんに辿り、第三帝国の自然保護の実像を鮮やかに描く。【商品解説】
目次
- 日本語版『ナチスと自然保護』によせて
- 用語について
- 第1章 ナチス時代の自然保護主義者たち――追及されるべきは誰なのか
- 帝国自然保護法の衝撃
- 欧米各国の自然保護
- 総統のために働く
- 自然保護運動とナチス政権
- 第2章 歪む愛国主義――ゲルマン民族にとっての「土地」
著者紹介
フランク・ユケッター
- 略歴
- 〈フランク・ユケッター〉ドイツ、ビーレフェルト大学にて博士号、大学教授資格を取得。英国、バーミンガム大学史学部准教授。
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紙の本
自然保護を優先するためにナチスにすり寄ったドイツの自然保護主義者たちについて
2016/06/19 12:27
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぶんチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
原著は「The Green and the Brown」(2006年)
“緑”と“茶”が意図するものは明らかですが、それは「赤と黒」のように対立するものではなく、互いに多くの信念を共有し広範囲に協働し、“緑”は多くの点において“茶”であり、説明が不可能なほどの複雑なイデオロギーと個人の欲望が寄せ集められ、それがさらに全体主義へと結びついた過程が説明されています。また第二次世界大戦以降は、自然保護運動がナチスにすり寄った過去を無視し、無反省に見過ごししようとした事実も述べられています。
ナチスが政権の人気取りのためには、自分たちの理念とは異なる言葉や概念さえも利用することに非常に長け、またナチス時代の環境主義者たちは自分たちの主張を通すために程度としては様々ではあるとしてもナチスに近づき、その大多数はナチスの権威に対して協力し、意見の相違する点については口を噤みました。そうした両者が代表する普遍的な危険性に対して警告した書でもあると言えます。
事例について理解をすすめるために、図版がもう少し多くあっても良かったのではないかと思います。
ただし多数の文献を詳細に繙き、例外的な記述も紹介しながら偏ることなく客観的に解説しています。また「用語について」という項目を設けて、本書がドイツ人の著者が英語で書いたものであり、ナチス時代のドイツ語を英語に翻訳する際の困難さを具体例を挙げながら説明しています。訳注も詳しく丁寧です。著者の批判的で冷静な視線は特に好感が持てます。