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道化と王
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2016/01/23
  • 出版社: 柏書房
  • サイズ:20cm/425p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-7601-4643-7
  • 国内送料無料

紙の本

道化と王

著者 ローズ・トレメイン (著),金原 瑞人 (訳),小林 みき (訳)

【『サンデー・エクスプレス』紙ブックオブザイヤー】時は1664年、イングランド王・チャールズ2世の御世。王の犬を治して宮廷に取り立てられた醜男・メリヴェルは、王の道化とし...

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道化と王

2,376(税込)

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商品説明

【『サンデー・エクスプレス』紙ブックオブザイヤー】時は1664年、イングランド王・チャールズ2世の御世。王の犬を治して宮廷に取り立てられた醜男・メリヴェルは、王の道化としてかわいがられ、爵位も屋敷ももらって贅沢に暮らすが…。王政復古の鐘の下、生きた男の冒険譚。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ローズ・トレメイン

略歴
〈ローズ・トレメイン〉1943年ロンドン生まれ。イースト・アングリア大学卒業。同大学総長。「道化と王」がサンデー・エクスプレス紙・ブックオブザイヤーになり、映画化もされる。

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みんなのレビュー6件

みんなの評価3.5

評価内訳

  • 星 5 (0件)
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  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

2016/05/11 16:26

投稿元:ブクログ

王政復古の時代のイギリス、ひょんなことから、時の王・チャールズII世のお気に入りになった中年医師・ロバート・メリヴェルの出世と没落、あてのない旅のお話。
大人の童話のように面白く引き込まれるけれど、メリヴェルの目に映るチャールズII世が何故あんなに輝かしく描かれているかが、いまひとつ理解できず…。そこが肝みたいなんだけど…。イギリスの人にとっては特別な王様なんだろうか。

2016/03/03 15:30

投稿元:ブクログ

クロムウェルの死によって清教徒革命が潰え、1660年にはチャールズ二世による王政復古が始まる。ピューリタンの清貧と禁欲に倦んだ宮廷の人々は、豪奢な衣装や宝飾品を身に纏い、頭には鬘、その上に髪粉をふりかけ、男も薄化粧してハイヒールを履き、着飾った紳士淑女は、山海の珍味が並ぶ晩餐会や舞踏会の饗宴を思うさま享受した。その一方で、首都ロンドンでは、有名な「ロンドン大火」が起き、黒死病が大流行するなど、1660年代は英国史上忘れることのできない事件が相継いで起きた時代でもある。

豪華絢爛の王宮生活と業火と黒死病に挟み撃ちにされたロンドンという劇的な時代を背景に、ふとしたことから王の寵愛を受けた手袋職人の息子が、出世コースを上りつめた挙句、幸福の絶頂で王を裏切る破目に陥り、凋落の憂き目を見るという、ジェットコースター並みの人生の有為転変を描いた歴史小説。生と死、快楽と苦痛、頽落と清貧、学知と狂気、といった対比的な設定をあざといくらい多用し、コントラストの効いた派手派手しい描き方は、たしかに豪華な衣装や大々的な舞台装置を駆使した映画向きかもしれない。

主人公メリヴェルと王の愛人シリアの結婚披露宴のために用意された料理の献立を列記すれば、鶏肉のクリーム煮、蒸した鱸、茹でた鮭、鴫、孔雀、小鴨、真鴨、鶉のロースト、ミートパイ、カルボナード、骨髄のタルト、牛タン、鹿肉のパイ、ホロホロチョウの窯焼き、生野菜の盛り合わせ、クリーム、マルメロ、ドライフルーツ入り砂糖菓子、マジパン、ジャム、チーズ、果物、フランス産の発泡ワインに、重めの赤ワイン、ミルク酒等々。訳文は魚や鳥の名前が片仮名表記というのが惜しいが、映像では確認できない食卓の奢侈さが文章化されると、じっくり堪能できる。

料理だけではない。メリヴェルに与えられたビッドノルドの館の家具、調度は言うに及ばず、陛下から下賜された愛馬から本人の衣装に至るまで、この時代の持つ意匠が隅々まで書き込まれる。下手の横好きながら、絵画や音楽の練習に精を出すメリヴェルの絵の描き方、色彩の好み、音楽の好み、オーボエの運指、と普通ならさらっと流してしまいがちな細部がなおざりにされることなく、事細かに描き込んであるところがいい。これは偏にメリヴェルが現実世界の多様さを愛で、貪婪にそれを愉しもうとすることを示すものだ。メリヴェルは快楽主義者なのだ。

快楽のためなら、自分を笑い者にすることも厭わず、身分の上下に関係なく女とみれば褥を共にするため馬を走らせる。それ故、誰からも愛される人気者である。ただ一人名目上の妻シリアを別とすれば、だが。メリヴェルの弱みは、王に寄せる愛と女好きというところ。医師としての学識はケンブリッジとパドヴァ仕込みで、実際のところ、親友ピアスが勤める精神病院でも、黒死病に襲われたロンドン都下にあっても、メリヴェルの活躍は光る。ただ、どこへ行っても土壇場で肉欲を抑制することができないのがこの愛すべき男の弱点である。

王の道化としての役割から墜落し、人里離れた病院でやっと本来の医師としての存在に目覚めたかと喜んだのも束の間、医者としてあるまじき行為に走って���まう、メリヴェルの駄目さ加減は半端ではない。とことん駄目な人間である。それなのに、愛想尽かすことができないのは使用人のウィル・ゲイツだけではない。読者である自分も同じなのだ。調子に乗っては反省する。反省はするが長続きせず、また元の木阿弥。こういう人間こそが友とするに価する人間なのであって、クエーカー教徒で志操堅固なピアスのような男は、立派だと思って尊敬はしても、いつも傍にいてほしいとは思えない。

この典型的な駄目男が起死回生の働きを見せるのがロンドン大火の日。愛馬ダンスーズを駆って、乳母に預けたままの自分の娘の救出に向かう途中、耳が聞こえないせいで逃げ遅れた老女を助けるため火の中を掻い潜る。実はメリヴェル。両親を火事で亡くしている。冒頭に付されたこの事実が、あとで活かされることになる。ところどころに張られた伏線が功を奏し、実に愉快な結末に結びつく。このあたりの展開は見事といっていいだろう。ほぼ原作に忠実に映像化された映画『恋の闇 愛の光』が、終末部分を改変している理由がよく分からない。

原題は“RESTORATION”。回復、復帰のような、元に戻る状態を意味する英単語だが、定冠詞がつくとイングランドの王政復古を意味する。もちろん、その時代を舞台にしていて、王自身準主役級の扱いで登場するので、文字通り「王政復古」ととってもよいが、主人公の転落とその回復を意味するダブルミーニングと受け止めたい。その意味からいうと邦題は、もう一工夫欲しいところ。もっとも、この小説を原作とする映画の邦題『恋の闇 愛の光』と比べると、まだいい方かもしれない。映画のほうを先に見ていたが、ロバート・ダウニー・ジュニアとメグ・ライアンのコンビは覚えていたが、細部は忘れていた。アカデミー賞の美術賞、衣装デザイン賞を受賞しているそうだ。読んだ後で見比べてみるのも楽しいだろう。

2016/04/01 20:41

投稿元:ブクログ

イングランド王・チャールズ2世の愛犬を助けたことで、気に入られた医者のメリヴェル。宮廷に上がり道化のように大事にされ、国王が愛人と密会できるよう、愛人と偽装結婚をし貴族の称号と邸宅を与えられる。お金と女と美食におぼれ、医学から離れていくメリヴェルは、国王の愛人である名目だけの妻に手を出し、屋敷を追い出される。
医学生時代の親友ピアスのいる精神病院を手伝ううち、自堕落だった自分の生活から目が覚めていく。しかし、ピアスは病で亡くなってしまう。

誘惑に弱く、女好きなメルヴェルの波乱の人生。なぜか憎めないく、読み切ってしまった。

2016/02/29 10:51

投稿元:ブクログ

医学を学んでいたメリヴェルは醜男だが、犬の医者として宮廷に取り立てられ王の道化となる。
王の道化は王の愛人と偽装結婚し、田舎に屋敷を与えられ面白おかしく暮らすが、やがて王の寵愛が薄れていくことに気づき、寂しさを募らせる。やがて、王の愛人(自分の妻)に手を出そうとして、王の怒りをかってしまう。
 王から逃げるように古い友人が勤める精神病院で働き出すメリヴィル。ここでも女癖の悪さがでて、患者を妊娠させてしまう。

お調子者が苦難の道を歩んで成長していくさま。
醜男で悪趣味なのに、なぜ行く先々で女に不自由しないのかが不思議。

2016/03/19 22:50

投稿元:ブクログ

第1部は正直苦痛と言うか。
ロバート・メリヴェルの怠惰と言うか堕落と言うか退廃と言うか。いわゆる、自慢ではないけど、自慢話的な。
いかに、自分が国王から寵愛を受け何だかんだ。お気楽な、なにも考えない(訳ではないけど)自堕落な日々が語られ。
本人も言っている通り、美男子ではなく、むしろ醜男。
とは言っても、メリヴェルの率直なと言うか、とにかく全く嘘はない、子供のような素直さと言うか、の為になかなか嫌いになれる人物じゃなく。
まぁ、付き合ってやるか。的な気分で読み進めて、二部三部。
国王の寵愛を失い(まだ完全にではなく。)行く末を案じ、かつての友を頼り精神病院で働く日々。放蕩さが抜け、真面目になっていたのに!…からの友の死と、そこからの放逐。大人になって(もともといい年してたけど)
まぁ、とにかくなんて言うか、なんだかんだ言ってもすごく魅力的な人だったわ。
結果、星4つ。なんか、教訓と言うのではないけど、人の本質とかなんかそんな、もの。に、ホッとするような具合(わけわからん)


あとがき読んで、95年に映画化されていたと知る。ちょっと興味ある。

2016/07/30 01:12

投稿元:ブクログ

(ネタバレ含みます)
これ…単純なハッピーエンドって読んでいいのだろうか??
メリヴェル自身に「精神の病気の人は、「精神病」が治療不可能なほど進行するまで精神病院に連れて行ってもらえない」と語らせているところ、以前とは別人のように痩せ、幻聴幻覚がひどくなっていく様子に注目すると、最後の結末はかなり悲惨なのでは。
物語前半のネルとのエピソードも、深読みしてしまう。ああ。陛下への愛をぶっちぎりに貫いて完結、という清々しい結末であって欲しい。