竜騎士殿下の聖女さま （Ｎｏｃｈｅ）

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投稿者：tohoko　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

面白かったですよ。
たったひとつの違和感を除けば。
ただその違和感は、TLにとって、とっても大事なことだと思ったので。

同棲している彼の浮気現場に遭遇し、部屋を飛び出して、流れ星に願いをかける新菜。
「私を愛してくれる人が現れますように」
すると突然異世界に飛ばされて、飛んでいるサラマンダーの上に落ちた。
彼女を受け止めた男はギル。
新菜のことを聖女と呼び、この世界の危機を救うために神が遣わしたのだと言う。
彼女がこの世界で生きていくためには、魔法の力が必要で、その魔力の源は、新菜が得る快感であることがわかり…

で、それを試すために、ギルに濃厚なディープキスを仕掛けていく新菜。
とってもおかしな行動です。
ヒロインは25歳、同棲経験あり。
手近なところから手っ取り早く快感を得ようとするなら、まず、ばいまいせるふを試すでしょう。
大人の女なんだから。
そして、男娼を買うというのに、キスだけしてもらおうと思ってたって。
キスって大事なものでしょう。
娼婦だって、春を売ってもキスだけは許さないくらいですよね。
まだ、身体の経験のない、キスもそんなに経験の無い女の子なら、身体を開くのはすごく怖いことだと思うけれど、大人の女にとっては、濃厚なキスは、多分身体の関係よりも愛に直結しているものだと思うな。
キスで快感を得られるのは、好きな相手だからこそ。
そのへんがちぐはぐ。
初めてギルと結ばれる時も、ギルの新菜への愛し方が、初めての女の子を相手にしてるような感じで。
ヒロインの性的な経験値の設定がすごくちぐはぐで、違和感ありありでした。
10代の少女なら、これで良かったのかもしれないですけどね。
普段の行動や考え方は、新菜はやっぱり大人の女の子って感じでしたし。
ちぐはぐ。

新菜は、等身大の現代の女の子って感じが良く出ていたし、共感度の高いタイプでした。
大人のギルと、等身大の女の子、新菜のすれ違う恋心の描き方は、なかなかきゅんと読ませてくれましたし、その辺りは、とっても面白く読みました。
協力者であるヨルンもとっても良いキャラでした。

反動、予測はしてたけど、反動といつもの差があんまりないじゃん、って気もしました。
もっとどかんとしたのを期待してたんだけどな。