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商品説明
光り輝く英傑宗麟が「国くずしの大砲」を先頭に九州の大半を制圧すると、なぜか一転、王国崩壊につながる「国くずしの愚挙」を重ね始める。離縁の命令をはねつけ、強圧を押し返して、決然と妻の砦を守り抜く火の女の戦い。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
イザベルの言い分
2004/10/04 11:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タララン - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般的には、悪妻として名高い大友宗麟の正室の奈多氏(イザベル)の
視点から描かれた小説です。彼女が宗麟にひかれていく気持ちは
よく伝わってきました。宗麟をやたらと美化せず、彼の欠点もしっかりと
描いているのがよかったです。奈多氏が初めから、
むやみやたらと
キリスト教に反感を抱いていた訳ではないという史実も、
しっかり調べてあると思いました。奈多氏は大友家を、豊後の国を、
守りたかったのではないかと思いました。彼女は、自分の夢ばかりを追いかけ、
神仏を崇拝する多くの家臣達の気持ちも省みず、いたずらに大友家や
豊後の国を混乱させる夫が許せなかったのではないでしょうか?
それに、キリスト教のせいで、彼女の家族はばらばらになってしまい、
彼女はなにもかも失ってしまったんだなと感じました。
キリスト教徒になってしまった、彼女の身内達を「なんだかなぁ…」
と思うくらい、彼女が傷ましかったです。彼女の失意がよく伝わってきました。
ジュリアにも「よく言ってやった!」と思いました。
でも、奈多氏、もう少し元気がよくてもよかったのでは?と思いました。
それから、どこまでが史実なのか?と思う部分がありました。
それから、奈多氏が、夫がジュリアを妻にしてしまい、
正室の座を追われて、失意のあまり自殺をはかった事は書かれておらず、
多少、調査不足の所があるような気がしました。また、説明不足と
思われるような所もありました。突然、「曼珠」と出てきて、
一瞬、誰の事かと思ってしまったり。奈多氏が曼珠という名前になっています。
とはいえ、これまで一方的に悪妻とされてきて、夫宗麟の影に追いやられ、
彼女の立場や心境には、あまり
触れられる事がなかった気がする奈多氏の、真の姿に迫ろうとした
著者の挑戦には好感を持ちました。また、私も宗麟と奈多氏は、
最初から仲が悪かった訳ではないと思います。二人の間には子供も多いですし。