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「ブス論」で読む源氏物語(講談社+α文庫)
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.1
  • 出版社: 講談社
  • レーベル: 講談社+α文庫
  • サイズ:16cm/305p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-06-256403-8
  • 国内送料無料
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「ブス論」で読む源氏物語 (講談社+α文庫)

著者 大塚 ひかり (著)

「ブス論」で読む源氏物語 (講談社+α文庫)

799(税込)

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評価内訳

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  • 星 1 (0件)

私たちは『源氏物語』の読み方を間違っているかも

2001/01/23 10:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青月にじむ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 こういうのを読んで思うのは「ああ、こういう読み方をしていれば面白くてどんどん先へ進めたんじゃないかなあ」ということ。高校のときに原文で読んでみたのだけれど、途中で投げ出してしまったのを思い出していたのだった。大学でもやはり教材に使った講義があったけれど、とてもじゃないけどこんな興味は持てなかったなあ。

 どうも源氏物語というと絶世の美男子で高貴な身分の貴公子光源氏が、やはり高貴な美女との自由奔放な恋愛模様を当時、爛熟状態の公家社会を舞台に書ききった傑作、という印象だった。しかし、確かに源氏が相手した中には「なぜこの人が?」と目を疑うような醜女や低い身分の女性も多い。しかも、当時の社会では女性はさぞやか弱く不健康だったのだろう、と思いきや、すらりと背が高い女性が主役のことも多い。何だかんだ言っても色眼鏡をかけて読んだいたんだなあ、と自分でも悲しくなってきた。

 本書では、各登場人物の体格と物語(源氏の態度に通じるものがあるだろう)での扱われ方の相関性、そこから読み取れる当時の社会についてなど、非常に読み易い文章で書かれている。
 恋する男女は痩せているのが様になる、とか、主たる男性は皆背が高かったとか、源氏の相手でも第一級の扱いを受けるのは背が高い女だとか(これは意外だった)、背が低くなよなよとした女性は主張もできないためか、男たちのいいようにされて終わってしまうとか。結構あからさまな表現が多いので電車で読むのにちょっと気になったのだけれど、慣れてしまうと先に進みたくてそんなことは気にならなかった。

 面白いのは、作者の紫式部は、血筋よりも性格や育ち方で体格は決まると考えていた節があること。勿論血筋での影響はあるだろうけれど、今度はそれらが「隠された親子関係(つまり、不義密通密通の子であること)」を指し示す道具となったりするところが非常に興味深い。
 受領階級が押しなべて太っていて色が黒く、デリカシーのかけらもない存在として描かれているところも、血筋というよりは育ち、生活が多く影響しているのだろう。実際、元は貴族階級だったものもいるようだし。例外といえば僧の身分にある明石の入道など。修行を積む僧は、ストイックな生き方が良しとされたからだろう。
 ただ、受領である彼らは感情がストレートな分貴族階級には無い誠意が感じられ、決して筆者はバカにしているわけではないということは感じ取れる。これには実際紫式部が受領の階級の出身だったことがあるのだろうとこの本にも書かれている。育ってきた受領階級と出仕してから見聞きした貴族階級との比較を、非常に冷静に観察しているのが彼女らしいものの見方だと思う。

 「源氏物語」は、これらの階級の恋愛模様や政治、生活を垣間見ると共に、太古から続く母系家族制度の崩壊や没落が進む貴族階級の様子、台頭する仏教(特に浄土思想)の影響などが、明快に説明されている。特に、顔、姿の美醜は仏教の影響が強いというのは驚きだった。前世の行いが悪いと蛙や虫になるように、姿かたちにも影響すると考えられていたらしい。自分に罪も無いところで謂われない差別を受けるだなんて、なんとも不幸な話だよなあ。

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2007/06/17 18:54

投稿元:ブクログ

(2007.05.10読了)(2005.04.02購入)
単行本で出版した時の題名は、「「源氏物語」の身体測定」(三交社、1994年11月刊)ということです。文庫は購入する時は、原題をよく確認しないと、単行本と文庫本で、同じ本を購入したりしますので、充分気をつけてください。
うちの神さんの場合は、好きな作家の本は、単行本で読んでいるのを承知の上で、文庫本も買ってきて読んでいますので、そういう場合は、別ですけど。
要するにこの本は、「源氏物語」に登場する人物達の身体特徴がどのように記述されているか。身体特徴によって物語の中での扱いがどのように変わってくるのか。平安時代の貴族社会から鎌倉時代の武家社会へと変わろうとするなかで、社会の変化が物語のなかへどのように影を落としているのか。作者の紫式部の生活経験が物語の中にどのような形で影響を与えているのか。等々、について考察した本です。
「源氏物語愛の渇き」に比べて、多少退屈な面もありますが、興味深い話もありますので、全体的には面白く読めます。

平安時代は、美貌至上主義で、その元は、仏教ということなのですがどうなのでしょうか。
「浄土教との出会いは、理想の体はかくあるべしという身体論との出会いでもあった。」(269頁)
「「人を見た目で判断してはいけない」という道徳観が定着したのは、儒教思想が根付いた近世以降のこと。」(7頁)
「生まれつきの容貌の悪さが前世の悪さに結び付けられて、いわれなき差別を受けたり、美女は心も美しく、ブスは心も醜いとされた平安時代」
第二次大戦での敗戦とともに、儒教思想が否定され、繁栄のきわみの平成時代にも平安貴族の思想が戻ってきたのでしょうか?

☆大塚ひかりの本(既読)
「源氏物語愛の渇き」大塚ひかり著、KKベストセラーズ、1994.02.05
「大塚ひかりの義経物語」大塚ひかり著、角川ソフィア文庫、2004.09.25
(2007年5月12日・記)

☆関連図書(既読)
「絵草紙源氏物語」田辺聖子著・岡田嘉夫絵、角川文庫、1984.01.10
「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
「『源氏物語』を楽しむ」山口仲美著、丸善ライブラリー、1997.07.20

(「BOOK」データベースより)amazon
男は美女とだけ恋をするのだろうか。現実には愛されるブスだってたくさんいる。官能的な恋の絵巻『源氏物語』にも登場する絶世の美男子光源氏に愛された幸せなブスたち。美貌至上主義の平安貴族文化の中で、彼女たちが愛されたのはなぜだったんだろう?あまたある「源氏物語論」の中でも異彩を放つ、外見からの登場人物分析によって、『源氏』をよく知らない人にも読みやすい恋愛論、女性の美のあり方論にもなっている。

2009/01/21 22:34

投稿元:ブクログ

著者 大塚ひかりさんは「源氏物語」独自の視点で論じるかたなのですが
その切り口が面白い〜〜っ!!

基本通して話を知っていた方がいいのですが、教科書で知るくらいの数帖でも十分に
登場人物がよくわかりだす。

挿絵もろくにないのに、古文は文法も難しいのに
とても鮮明に「見えてくる」のが不思議!

「源氏物語 愛のかたち」も面白い!

2017/01/26 19:34

投稿元:ブクログ

再読。『源氏物語の身体測定』の文庫版。
読むものが手元になくなると、源氏物を読みたくなる。
末摘花ってデブじゃなかったのか。

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