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へたも絵のうち(平凡社ライブラリー)
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.2
  • 出版社: 平凡社
  • レーベル: 平凡社ライブラリー
  • サイズ:16cm/228p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-582-76325-1
  • 国内送料無料
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紙の本

へたも絵のうち (平凡社ライブラリー)

著者 熊谷 守一 (著)

朝起きて奥さんと碁を打ち、昼寝して絵を描いて寝る−。その絵が「天狗の落とし札」と呼ばれた超俗の画家・熊谷守一から紡ぎ出された思い出の数々。日本経済新聞社1971年刊の再刊...

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へたも絵のうち (平凡社ライブラリー)

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商品説明

朝起きて奥さんと碁を打ち、昼寝して絵を描いて寝る−。その絵が「天狗の落とし札」と呼ばれた超俗の画家・熊谷守一から紡ぎ出された思い出の数々。日本経済新聞社1971年刊の再刊。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

熊谷 守一

略歴
〈熊谷守一〉1880〜1977年。岐阜県生まれ。東京美術学校で黒田清輝らに学ぶ。洋画によって二科展に出品、後に日本画に転向。戦後も精力的に創作・個展を行う。著書に「ひとりたのしむ」など。

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みんなのレビュー11件

みんなの評価4.5

評価内訳

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紙の本

偉大なる「ふつう」

2003/06/01 18:08

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヨーダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は91歳の熊谷氏が記者を前にして語る内容を採録したもので、昭和46年当時の日本経済新聞に「私の履歴書」として連載されたという。
 語り手との信頼関係を築き、相手が十分心を開いていなければ、ここまで「聞き語り」はうまく運ばなかったのではと感じる見事な内容である。担当した記者の名前を知ろうと思って探してみたが、本の中には見つけられず、無署名である。ただ、ふだんの話をまとめて掲載するのも嫌がったという熊谷氏からこれだけ話をひきだした聞き手の力に感じ入ってしまう。
 赤瀬川原平さんは解説で「感受性の浸透圧の、同質の聞き手にめぐり合った」のではないか、と指摘する。そしてこうも書いている「熊谷さんは文章をほとんど書かないけれど、言葉に対しては絵と同じような敏感さを持っていたのだろう。〈略〉論理化できない微妙なニュアンスのところをあれこれ考えるものにとっては、それを単純な論理でまとめられるのが生理的に耐えられない。一言ではいえないことだから、ひょっとしたらその場のタイミングでしゃべっているのに、そんなタイミングを無視して言葉の意味だけでまとめられたんでは、ぜんぜん違うものになってしまうし、そういう粗雑な神経が嫌なのである」と。
 これはそのままマスコミジャーナリズムの取材姿勢を厳しく問いただす言葉とも受けとめられるんじゃないかと思う。記者にコメント発表することを毛嫌いするようになるスポーツ選手の理由もこれに近いものがあるのではないか、と。
 さて画家である熊谷さんは、言葉に対してどんな想いを抱いていたか。探してみると本文中にこうあった。「一般的に、ことばというのはものを正確に伝えることはできません。絵なら、一本の線でも一つの色でも、描いてしまえばそれで決まってしまいます。青色はだれが見ても青色です。しかしことばの文章となると「青」と書いても、どんな感じの青か正確にはわからない。いくらくわしく説明してもだめです。私は、ほんとうは文章というものは信用していません」。
 なるほど、最終的なところでは信用していないのか。すごい。言葉のもつ意味とその定義性は一面とても便利なものだけど、反面ひとはその意味に捕われすぎて、言葉に振り回され、本質を見失ってしまうこともある。言葉によって世界を正確にとらえようとすることなどはこの画家にとって、とても不遜で胡散くさいものに映っていたのかも。
 では、本職の描くことの力を無邪気に信じていたのか、というと、そうでもないんである。ここがとてもおもしろいところだ。
 「人間というものは、かわいそうなものです。絵なんてものは、やっているときはけっこうむずかしいが、でき上がったものは大概アホらしい。どんな価値があるのかと思います。しかし、人はその価値を信じようとする。あんなものを信じなければならぬとは、人間はかわいそうなものです」。
 この肩透かし感、力の抜け具合はいったい何なんだろうという感じである。しかしそうやって言われてもちっとも不快ではないから不思議だ。絵を描く一人間として、そこに執着する自身もかわいそうな存在に含みつつ、そこをどこかで超越している。本人はそう呼ばれることを好まなかったというが、「仙人」と言われたのも、むべなるかなである。このひとの生き方をまねしようとしても決してまねできるものではない。しかし偉大なる「ふつう」を生ききった希有なひととして、「ふつう」軽視の時代風潮のいま、さらに見直されてもいい人物だと思った。 

 *生き方と共に魅力溢れる作品にふれるには、旧居跡に建っている熊谷守一美術館がオススメです。http://plaza10.mbn.or.jp/~kumagai_morikazu/

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2004/11/03 00:36

投稿元:ブクログ

飄々としたキャラクターと滅多に作品を描かないことから、「仙人」と呼ばれた画家、熊谷守一さんのエッセイ。最初は緻密な作風だったのが、次第に人柄を象徴するようなシンプルでのびやかな作風に変化しているのが、面白いです。

2013/08/12 09:40

投稿元:ブクログ

(2000.07.18読了)(2000.07.12購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
朝起きて奥さんと碁を打ち昼寝して絵を描いて寝る―。こんな日課がもう何十年も続く。その絵が「天狗の落とし礼」と呼ばれた超俗の画家から紡ぎ出された思い出の数々。やわらかさのなかに鋭く光る、物の核心を見つめる確かな眼差し。

2013/03/06 16:54

投稿元:ブクログ

少しばかり肩の荷が降りたような。
何が人のためになってるってやっぱりわからない。
そう思ってしてることがそうなってないことが往々にあって、
だったら熊谷守一のような、
悠々自適な生き方だって良いんじゃないか。
少なくとも、先日訪れた美術館の作品との対面と、
この淡々とした自伝があることで、
僕は救われている。

流れ流れて、結果的にそうなり、
作品もそうなんように生まれた、
気負いもなく、欲もなく、
あるのは「その場しのぎ」の対処法。
それでもなんとかなってしまったのは、
いのちと心に生きたご褒美なんだろうなぁ。


「いま何がしたいか、何が望みかと良く聞かれますが、別に望みというようなものはありません。だがしいて言えば、「いのち」でしょうか」

「絵はますます好きになっていましたが、私は人のように一生懸命にやるということはしません」

「世間の偉い人は、こどもが病気でも平気で仕事をするという。私には出来ないことです」

「ぜひ素晴らしい芸術を描こうという気もない」

「何度も言うようですが、あの頃はとても売る絵はかけなかったのです」

「わたしは上手とか下手ということで絵をみません」

「絵を売ることを覚えたわけです。馬車引きになりそこなったので、絵で商売をしようときめたわけで、こういう運びとなりました」

「無理に頼まれて書いても、本人が喜んで描いたように見えておかしいそうです」

「絵に自分を賭けていない」

2008/04/12 16:51

投稿元:ブクログ

日本経済新聞の「私の履歴書」に連載された熊谷守一の自伝。画家という存在の特異さをこれほど忠実に生きた人は稀だろう。「その絵筆はあっさりとしたものだけど、そこに至るまでの綿密なまなざしの、気の遠くなるほどの長い時間があるのだろう。」と、赤瀬川原平が解説で書いている。まさに、「気の遠くなるほどの長い時間」に耐える力こそが天才なのだ。すさまじい人生を飄々と生きた偉大な日本人の記録。

2009/05/01 12:47

投稿元:ブクログ

熊谷守一の随筆
とろとろと、
思い出を紡ぎながら文章を書いてるかんじがほほえましいです
最後の方の絵についての一文が素敵だし本質

2008/10/28 20:47

投稿元:ブクログ

熊谷守一の自伝をたどっても、飄々とした画家独特の雰囲気が漂い、題名の“へたも絵のうち”といった印象的な言葉を味わうことができます。

2015/12/01 22:31

投稿元:ブクログ

絵の本をたまにつまんでいるわけですが、こりゃ名前も存じあげなかった画家の半生、マイペースな生き方紹介、みたいなところで、ただそこには解説・あとがきにもあるように、スッとキレのある一言が添えてあり、それこそが著者の芸術性の豊かさたらしめるもんがあるってのも分かる気がします。それは直観でしかわかりえないものかもしれませんが…。先日亡くなった水木しげるともども生き方を考える時にはご参考に。

2013/02/13 01:44

投稿元:ブクログ

ほんとうは彼の展覧会の画集なのだけれども、検索してもないので、かつて読んだ本を代わりに。
いくつかの高島屋で行われた展覧会のカタログ。
絶筆のアゲハチョウ、雨滴、驟雨、カマキリ、猫、などを見るにつけ、彼のデザイン感覚に痺れざるをえなかった。携帯で各々の絵を撮影し、待ち受け画面にしたくなり、実際そうした。

2013/11/19 16:57

投稿元:ブクログ

著者は画家なので絵はもちろんのこと、「書」が良い、「人」が素晴らしいというファンの声も多い。本文は、日本経済新聞の「私の履歴書」に掲載されたもの。緩やかなようでただ甘いだけではない著者の人生に触れ、作品も人柄も永く敬愛されてきた理由がわかる気がする。秋の夜長にゆっくり読みたい一冊。

2015/06/30 13:48

投稿元:ブクログ

読書の意義の1つはユニークな人物との出会えることだと思います。「こんな人がいたのか」と思える本です。

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