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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2000.3
- 出版社: 小学館
- サイズ:20cm/285p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-09-389581-3
紙の本
リアル・クローン
著者 若山 三千彦 (著)
【小学館ノンフィクション大賞優秀賞(第6回)】羊の「ドリー」は真のクローンではない! クローン技術確立への扉を開いた若き日本人研究者の苦難の日々を追いながら、遺伝子工学の...
リアル・クローン
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商品説明
【小学館ノンフィクション大賞優秀賞(第6回)】羊の「ドリー」は真のクローンではない! クローン技術確立への扉を開いた若き日本人研究者の苦難の日々を追いながら、遺伝子工学の可能性や危険性に言及する。第6回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
若山 三千彦
- 略歴
- 〈若山三千彦〉1965年神奈川県生まれ。横浜国立大学教育学部卒業。高校の理科教諭を退職後、神奈川県横須賀市で、知的障害者が暮らす社会福祉法人の経営に携わる。
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紙の本
真のクローン実現にひたむきに努力した若き日本人研究者の苦難の日々を紹介したノンフィクション作品
2000/10/06 15:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:尾曲 克己 - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめに,この本の率直な感想を述べたい。この本を読むにあたって私は,興奮なしには読むことができなかった。
クローン羊,ドリーの出現は,今日,多くの人の知るところとなっているが,ドリーは真のクローンであるか疑いがもたれていることは知られているだろうか。本書はマウスを用いて真のクローン,リアル・クローンを実現しようとする研究について,その発明者である著者・若山先生や共同研究者たちの数々の苦労について述べられている。
はじめ,若山先生はクローン技術をもたない研究室に所属しており,教授の目を盗みつつ,マウスを用いたクローンの研究の準備を始めていた。その間も教授に与えられた課題を怠ることなく,自らの研究も行うという,普通では,考えられない努力をしている。次第に,教授の目にふれることになり,この研究の重要性を認められ,晴れて研究室で最も優先される研究課題となる。その後,思うように研究が進んだかというとそうではなく,研究以外のことでも多くの困難を抱え込むことになる。
研究についての指導権争い,生活の糧となる奨学金が得られなくなり研究の道を閉ざされる危険まで味わった。さらに,この研究が社会に与える影響があまりにも大きいことと,ドリーの件でクローンの研究論文発表にあまりにも慎重になる「ネイチャー」は彼らの研究を簡単には掲載しようとしなかった。しかし,彼らは不屈の精神と基礎科学に対する情熱でこれらの苦難を乗り越える。
リアル・クローン誕生の秘話とそれを実現するまでの困難を一般の人にもわかりやすく書かれてあり,また,これから研究者を目指す人に,研究とはかくのごとくのものであることを伝えており,是非,多くの人に読んでもらいたい良書である。
(C) ブックレビュー社 2000