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紙の本
シラフで読んでも酔っぱらった気分
2001/01/06 22:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今回も全編酔っ払ってます。もう、ジャブジャブです。
自称「LA一の名探偵ニック・ビレーン」が主人公。自称○○という表現は胡散臭さ満タン。
開店休業のようなビレーンのオフィスに突如依頼が殺到する。
こりゃいったいどうなってんだ?
死の貴婦人は「セリーヌ(フランスの作家)を探して!」と言う。セリーヌはとっくに死んでいるはずだけど??
「ヘミングウェイをやった記憶は鮮明だけど、セリーヌをやったかどうかが自信がないの…」だって。そうか、死の貴婦人は死神か!?
「この商売、長くやりすぎたのかもね。」だって!そんなバカな!
バートンからの依頼は「赤い雀を探せ」だ。そんな雀いるわけないんじゃないの??
この他に「美人の宇宙人を追い払って!」だとか「妻の浮気を突き止めてくれ!」だとか次々に来るのだ。
はてさて、ビレーンはこれらの依頼に応えることができるだろうか?
本書はチャールズ・ブコウスキーの遺作になったそうだ。
彼が自分の死が近いことを予感していたかどうかは定かではないが、最後も飲んだくれてブッ飛んだ話で締めくくったところに敬意を表したい。これが彼のスタイルなのだから。
毎日飲んだくれて、競馬場に通い、スッテンテンになって、それでもなんとか屋根の下で寝ることはできるくらいに働いて…という主人公のスタイルに何が魅力があるものやら?
それは、ケセラセラの人生の裏に見える「いい加減、ゆっくり休みたい!という心」や、「乱暴な態度からしみでるやさしさ」など、胡散臭いストーリーとは正反対なものを感じとる時だと思う。
愛やら真面目さやらやさしさなどは、胡散臭いものに被われてやっとこさこちらも気恥ずかしさなく受け入れることができるものだ。
私がブコウスキーを好きな理由は、こんなところにあるのではないかと思う。
紙の本
クズ、でも、光るかも
2000/07/19 19:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tyu - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブコウスキーは、米国の酔いどれヤケクソ作家だ。
彼の書く小説はきちんとした小説作法に乗ってないものもある。
が、ときどき奇跡のようにすばらしい物語も生まれる。
本人(らしい人物)が作品で言う分には
「セリーヌはいい」。
つまりそういう雰囲気をもってはいる。
ただしセリーヌのようにどのページどの行を読んでも
叫び声が聞こえてくるような、すさまじい魅力は無い。
もっと適当、というか、ケルアック的。
おしゃれな雑誌(笑)の1ページに収まると
収まりのよさそうな、
「いい人ぶった破滅物語」が多い。
米国でもそうだったのかもね。
そういえばトム・ウエイツっぽいといえなくもない。
おまけにアメリカらしいというか、マッチョ感も強くて
ちょっとげんなりもする。
でも、奇跡の1本はある。
そのために私は彼の墓に印税を注ぐつもりだ。
紙の本
ブクの最後を飾るに相応しい長編作品
2002/05/09 17:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうに死んだはずの作家セリーヌを探してとの依頼を受けて、私立探偵ニック・ビレーンは調査を開始するが…。自分では敏腕探偵家気取りだがまとも仕事をしているとはとても思えない主人公に何故か次々と舞い込む不思議な依頼、うっかり探偵小説好きが読んだら投げ捨てられそうな荒唐無稽な内容ながらも、馬鹿馬鹿しくも面白い詐欺師的探偵小説になっている。本書完成後に白血病で亡くなったせいか死の影がちらつき、それが思いがけず深い味わいを残す。ブコウスキーなりの辞世の句なのか(にしてはあんまりだけど)。これまでの自伝的長編作とは明らかに違う長編ながらどこか自伝的でいて、短編小説で書いていた独創的な作品を引き伸ばしたような作品でもあった。
紙の本
2000/6/4朝刊
2000/10/21 00:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ろくに働きもせず、昼間から飲んだくれて、なけなしの金を競馬でするだめ探偵ビレーンが主人公。
死んだはずのフランス人作家セリーヌが、そして、地球の植民地化をもくろむ宇宙人たちが、なぜかハリウッドに現れ、探偵を事件に巻き込んでいく。めちゃくちゃな設定でもなお現実感が失われない筆力はさすが。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000