紙の本
麻酔医が明かす手術室でのすべて
2002/05/24 19:03
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投稿者:大和 和寿子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
患者は麻酔をかけられ、手術を施され、麻酔から醒める。
その間、自分の身に何が行われていたのか全く分からない。
たとえ何らかの重大な事故、あるいは、ちょっとしたミスがあったとしても 意識が無いのだから分かりようがない。局部麻酔で意識があったとしても 知識がなければ分からない。
しかし、侵襲行為である麻酔および手術を医師に任せるのだから、自分の命を医師に預けるのだから、納得して手術を受けたい。
あらゆるリスクの可能性について知り、最悪死に至る事態もあり得るという事を理解し、手術を受けたい。
手術室ではどのような事た行われているのか。
いったい 患者である我が身は どのような状態になっているのか、知りたい。
実際に担当医に聞いても、そこまでは教えてくれなかった事、知りたかった事、知らなかった事、疑問に思ってた事、が本書ですべて明らかになる。
医療専門知識のない一般患者にも理解できる大変分かり易い表現で、専門的な手術室での描写がなされている。
ここまで知ってしまうと、「知らずに手術した方が、恐怖感を持たずに済んだ」と感ずるかもしれない。
それでも、何でも知りたいという読者には、本当に有り難い本である。
紙の本
あなたの肉親が大きな手術をする前に
2001/07/27 22:32
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投稿者:sasuke - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親が食道ガンで手術を受けるときに、自分の血液をあらかじめ保存した。輸血に使うのだろうと今の今まで思っていたが、手術によるリンパ液の喪失をおぎなうために使われるものだったのだ。手術室の中には知らないことがたくさんある。それを知る姿勢をとることこそインフォームド・コンセントの始まりだというのが著者の考えである。うなづける。インフォームド・コンセントの哲学を知るよりもずっと大切なことだ。この本は、侵襲という言葉がキーになって話が進んでいく。手術も麻酔も侵襲、つまり身体に対して、「侵し」「襲う」攻撃的な方法であるということを、理解した上で、手術のメリット、デメリットを患者は知るべきだと著者は主張している。つまり一貫しているのは、インフォームド・コンセントが大切であるということだ。インフォメーション(情報)とコンセント(同意)を得て、手術後の生活の質がどれだけ高く得られるかを判断できるようにという著者の思いがひしひしと伝わってくる。
問題が起きかかった手術における麻酔についても、あえて具体例をあげながらその原因を書いて、知るということの大切さをアピールしている。あなたの大切な人が手術を迎えたら、いや手術の可能性のある入院をしたらまず一読しなければならない本であろう。
『sasukeの文章が読めるサイトはsasukeです。』
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手術室に関わる人たちの中で、縁の下の力持ちともいうべき存在、麻酔科医。
麻酔科医の視点から、手術そして麻酔というものの
危険性とその対応を示す。
実例を中心に話が進み、読みやすい。
新書であるから量的にしょうがないが、もっとたくさん実例があってもよいくらい。
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私はひそかに病気や医学に、かなりの興味を持っています。
それで、手術室の中でどんなことが行われているのか?ということは、とっても関心がありました。
この本を読んで、外科的侵襲がなぜ、体力を弱めたり、癌を急激に憎悪させるか、ということがわかりました。
輸血が、内蔵移植に匹敵するリスクをもつことだということも知りました。
本来は、手術を受ける人は、こういうことを知っておいていただきたいなぁ、とおもいました。
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全身麻酔の手術を二回受けた自分としては、「あ、なるほど!」と思うことが多い本だった。
手術はからだに傷をつける「侵襲」的な医療であるー
からだを侵し、襲う、攻撃的な方法。
それが手術。
今まで深く考えず、全身麻酔の手術を受けてきたが、この本はたくさんの情報をくれて、いろいろためになった。
麻酔科医のすごさ、重要さもわかった。
そういや、手術前に麻酔科医の面接を受けたなぁ。
手術を受ける方は、読んでおくとよい。
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欲しいとこだけ斜め読み
全麻のリスクについて一般の人が理解しやすいよう
分かりやすく書かれていたので読みやすい。
手術について、麻酔をすることについて、
全くの無知であった私を妹が哀れに思ってこの本を貸してくれました(笑)
全身麻酔ってただ無痛になって気絶してる状態なだけだと
この年まで本気で勘違いしていた自分が恥ずかしい|o|
よく考えてみたらそんな状態つくれるわけがないよね。
全身麻酔の条件は
1無痛であること
2有害な自律神経の反応が起こらないこと
3筋弛緩状態にあること
4可逆的であること
全身麻酔中は、自分で呼吸できないため
人口呼吸に切り替えて手術を受けているということ。
なんでもかんでもすぐに全身麻酔で手術をお願いしてしまうことは
多くのリスクを負うことになる。
麻酔も自分の体にとっては【侵襲的】な行為であるということを
忘れてはいけない。
また、麻酔科医がどういう医療を提供する医者なのかも初めて理解しました。
ただ麻酔用のマスクを手術前にぽんっと置くだけみたいにナメて考えてたよ。
ごめんなさい。笑
最近はインフォームド・コンセントが物凄く重要視されてきているし
自分の病気のこと、手術の方法、それを受けるメリットとデメリットを
しっかり医者に聞いて判断することが大事。
何も聞かずにただ医者に任せっぱなしはよくないということだ。
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[ 内容 ]
ストレッチャーに横たわり手術室に運ばれていく人と見守る家族たちとを分かつトビラ。
このトビラの向こうで何がおこなわれ、患者はどのように守られているのか。
手術室でおこるすべてを、手術の進行役であり患者の状態を逐一チェックしている「麻酔科医」が、はじめて明らかにする情報公開の書。
全身麻酔をかけられるとどうなるのか。
お腹を切られるとどうなるのか。
意識は?
痛みは?
豊富な事例をまじえて手術のすべてを教えてくれる、一般人はもちろん、医療関係者、医学生、看護学生にも役立つ斬新な実用書である。
[ 目次 ]
第1章 手術入門
第2章 手術室の中へ
第3章 麻酔をかけるということ
第4章 全身麻酔がもたらすもの
第5章 手術という「侵襲」がもたらすもの
第6章 手術からの回復
第7章 手術の決定から手術当日まで
第8章 手術前に情報を交換する
第9章 麻酔科医と手術室専属看護婦
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[ 参考となる書評 ]
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全身麻酔をするという事は、痛みをとるだけでなく、
体を守ろうとする反応や、呼吸も停止するため、
人工呼吸や体の機能を調べるための機械を常に監視していなければならないということだった。
やはりよほどのことがなければ、全身麻酔を使う手術は避けたいと思うのでした。
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現役の麻酔科医によるわかりやすい解説書である
本文中何度も出てくるが、麻酔は決して絶対安全なものではない
手術しないで済むならそれに越したことはないのである
麻酔のプロが言うだけに重みがある
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医療行為が侵襲行為だということを何度も強調している本。過去の関係ない病気(Ex.痔とかですら)麻酔に影響が出て、最悪死にまで至るということは話し合いの必要性を示唆している。また、安心させるための方法も面白い。
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手術は、ただ全てを医者に委ねるものだと思っていた。
しかし、手術の成功そして回復のために、患者と医者双方の情報交換、いわゆるインフォームドコンセントがいかに重要であるかを述べている。
また、著者は患者のQOLを重視しており、もし身の回りの誰かが手術を迫られた際、私たちにでもできることが本書を通して見えてくるかもしれない。
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全身麻酔が思ったより危険ってのはわかった。友達が親知らず抜く時全身麻酔しようっていってたのでそれは止めようと思う。侵襲行為
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麻酔への過度な安心にたいする警告。
硬膜外麻酔や気管内挿管といった専門用語をイラストで分かりやすく解説してくれる。
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手術が「侵襲的医療」であり、全身麻酔をすればまったく痛みを感じることがないからいい、というものではないことを知ることができた。
また、麻酔科医という人たちが、患者さんの全身管理の中心的な存在であることが分かった。
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手術の実態が全て分かる。手術体験したことがある人でも、麻酔とはどういうものか、輸血とは、など、手術を受けるということがどういうものなのかを、改めて認識し直すことができる。輸血は、臓器移植というのは、考えてみればその通りだが、気づいてみると、かなりショッキングだった。