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フジ子・ヘミング魂のピアニスト
  • みんなの評価 5つ星のうち 3.9 9件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2000.5
  • 出版社: 求竜堂
  • サイズ:20cm/214p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-7630-0019-5

紙の本

フジ子・ヘミング魂のピアニスト

著者 フジ子・ヘミング (著)

「わたしは、音楽を通していったい何を伝えたいのだろう。多くの人たちの声を聞いて、自分が日頃何を伝えたいのか、ようやくわかった気がする…」 いちやく時の人となったピアニスト...

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フジ子・ヘミング魂のピアニスト

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商品説明

「わたしは、音楽を通していったい何を伝えたいのだろう。多くの人たちの声を聞いて、自分が日頃何を伝えたいのか、ようやくわかった気がする…」 いちやく時の人となったピアニストが、波乱の人生を綴る。【「TRC MARC」の商品解説】

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みんなのレビュー9件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (1件)
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  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

魂のピアニスト

2000/11/05 08:14

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:安斎あざみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「憂愁のノクターン」を聴きながら、雨の日にこの自伝を一気に読みました。本を読むスピードがとても遅いのと、犬も私も長時間じっと座り続ける苦痛に耐えられないのとで、一冊の本を一息に読了することはまずないのですが、久しぶりに五時間も六時間も集中し、感情移入し、たびたび涙も落としそうになりながら堪能しました。

 空模様がわかる犬は、雨で散歩に出られないと知り、膝の中でずっとおとなしく丸まっていました。いたずらもしないのは珍しいことですが、これもフジ子氏の音楽のちからかもしれません。
 人(動物)の心を捕らえることのできるちからのある作品は、余分な力みが抜けていて、おそらく一見手抜きと見紛うほどシンプルなものです。

 この自伝にも、そのようなさらっと書いてる凄さを感じます。
  誕生、父との別れ、母から受けたピアノのスパルタ教育、長く平穏ではないドイツでの暮らしを経て、1995年に帰国して大ブレイク。書こうと思えばいくらでも細かく、執拗に、ドラマティックに書ける人生です。
 ところが、フジ子・ヘミング氏の簡潔な文章によって辿られる人生では、カラヤンやバーンスタインとの奇跡的な出会いも、聴力を失ったことも、一冊の古本に出会った感動や飼い猫の餌の心配と同等に扱われ、とても静かに語られます。

 あとがきには、『長い不遇時代、「ある無名芸術家の自伝」を書こうと何度も考えました。カラヤンやバーンスタインとの夢のような楽しい思い出も書きたいと思いました。』とあります。普通 の自伝なら躊躇いもなく多くのページが割かれる出来事です。しかし、抑制のない苦労話や派手な出来事をあえて書かなかったフジ子・ヘミング氏の恥じらいが、エピソードの選択・描き方のひとつひとつに現れていて、それがこの自伝をすっきりと品の良いものに仕立てています。
  特に最後の一文『猫や犬だけに知ってもらいたいことは、うやむやな結果になっているはずですから、どうぞわかってください。』は、品のない自己顕示欲からは決して出てこない言葉です。

 ポン、と出した音に自分が全部出てしまう怖さを思い、フジ子・ヘミング氏は今でも演奏の当日はドキドキすると言います。音には作った人のふだんの自分や人間性がすべて出る。それを常に肝に銘じて、それこそ一音一音大切にする誠実さ、年齢を重ねるごとにその思いを強くする素直さが、きちんと聴く人に伝わり、たくさんの心を捕らえてゆくのでしょう。

 巻末の絵日記も氏の人柄がよく現れたもので、とてもかわいらしく独自のセンスを味わえます。勤勉に楽しくピアノの練習をしたことや、猫や犬や鳥のことを絶えず気に掛けている文章を読むと、それだけでフジ子・ヘミング氏の作り出すものなら、音でも絵でも文章でも信頼して楽しむことができると思い、嬉しくなります。

 音楽はいまどきの流行りのものばかりをいつも聴いていますが、この本を読み終える頃にはすっかりフジ子・ヘミング氏のピアノが部屋に馴染んでしまい、この音がないとなんだか落ち着かなくなってしまいました。魂のピアニストと呼ばれる所以かもしれません。

 この本を読んだ次の日、犬と散歩に出たとき、フジ子・ヘミング氏の他のCDも迷わず購入しました。CDショップの店内で、バッグに押し込まれていた犬は、おとなしく買い物に付き合ってくれました。
安斎あざみ

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紙の本

魂に応える体、震える

2001/11/25 01:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 以前、NHKの特集番組で、フジ子・ヘミングというピアニストを特集した番組を見ることがあった。素晴らしい演奏だと思った。早速、彼女のコンサート情報を調べてチケットを購入しようとしたのだが、すでに完売だった。地元を中心に電話をかけまくったが、結局チケットを手にすることはできなかった。それでも、テレビで見た彼女の姿が忘れられず、彼女の自伝である本書を手に取ってみた。

 フジ子・ヘミングは、ピアニストである日本人の母と、画家で建築家のスウェーデン国籍の父との間に生まれた子供である。フジ子が小さい頃に両親は離婚して、フジ子は母親に育てられピアノの英才教育を受ける。30歳のときにドイツに留学。演奏活動や音楽教師を続けていたが、母の死をきっかけに日本に帰国する。小さなリサイタルから始まってフジ子の人気は徐々に広まり、ここにきてチケットも入手困難なほど大ブレイクした。

 一見すると華やかな人生に見受けられるが、実際は、ドイツでの生活は困窮を極め、才能があるにもかかわらず後ろ盾となってくれる人がおらずにリサイタルも満足に開けない。ピアノ教師の仕事は、自分のピアノの練習時間も容赦なく削っていく。それからもっと悪いことには、風邪をこじらせて聴力を失ってしまうのだ。音楽家にとって聴力を失うというのは致命的だ。その後の治療で、なんとか左耳の聴力だけが40%ほど回復はするのだが。

 異国の地で気丈に暮らす女性の姿を読んで感動した。また、フジ子のイラストと文章で、日本とは香りの違う文化なり風景なりを楽しむことができた。

 フジ子は、繰り返し語る。「わたしはいつも自分の才能を信じていました」と。
 私自身のことを考えてみると、どこをつついても才能などというものは出てこない部類の人間である。しかし、「漠然としていてもいいじゃない。自分をある程度認めてやろう。信じてやろう。」という気持ちになれ、そして、これは結構大切なことだと思うのだった。

 いつかフジ子・ヘミングの演奏を聴きたいと強く思った。テレビ画面では、シャキッとしていて冷たそうにすら見えた彼女だったが、ドイツ在住のころから犬、猫、鳥、ネズミをたくさん飼って世話をし、彼女の日記にもネズミのチューチューやら猫のなんとかやらと動物がしょっちゅう登場する。人間味にあふれる人柄だ。

 フジ子さん、今度はコンサート会場でお会いしませう。

[追記]
TBSブリタニカから『フジ子・ヘミング 運命の力』という本が2001年6月に出ています。本屋さんで知ったのですけれど、パラパラと立ち読みしましたところ、内容的にはとても似通っています。本書よりも写真が多くて「しまった!」と思いました。

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2005/04/19 23:17

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2006/05/10 21:01

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2009/08/01 00:38

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2009/10/29 23:05

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2010/10/02 01:23

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2013/04/07 23:00

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2013/04/09 19:14

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