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夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス Vシリーズ)
著者 森 博嗣 (著)
「夢の中の女に殺される」 N放送のプロデューサは、20年以上前に死んだ恋人の夢に怯えていた。彼の番組に出場する小鳥遊練無たちの前で事件は起きる。随所に挿入される犯人の独白...
夢・出逢い・魔性 (講談社ノベルス Vシリーズ)
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商品説明
「夢の中の女に殺される」 N放送のプロデューサは、20年以上前に死んだ恋人の夢に怯えていた。彼の番組に出場する小鳥遊練無たちの前で事件は起きる。随所に挿入される犯人の独白は読者を混迷の渦に…。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
森 博嗣
- 略歴
- 〈森博嗣〉1957年愛知県生まれ。国立大学工学部助教授。「すべてがFになる」で第1回メフィスト賞受賞。ほかの著書に「黒猫の三角」「有限と微小のパン」など。
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やっぱり練無でしょう、このVシリーズ。でも、なぜVなの?ニブイ私に、教えてブイブイ言わせて!
2003/02/25 20:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近の大学生グループを扱った本格推理に飽きあきしていると書いたら、怒られるだろうか。優柔不断な男性と、絶世の美女との組み合わせ、密室ばかりで個性なんかどこにある、って言いたくなる。高慢な女探偵というのも、わざとらしい。だから、森博嗣のVシリーズ、小鳥遊練無たちのおふざけも、瀬在丸紅子の高圧ぶりも大嫌い。
瀬在丸紅子と大学生の小鳥遊練無、香具山紫子の三人が、女子大生を対象にしたTVのクイズ番組に出演しようとしたことから全てが始まった。紅子は資産家で子供がいて離婚もしている昔の女子大生、練無は美形でスカート姿が大好きな男子大生、紫子はただ一人参加資格を満たす頭脳は平均的な現役女子大生。そんな彼等が女子大生のクイズ大会に。その番組収録の最中に起きた密室殺人。
これって、私が嫌う全てが盛り込まれている話だ。ところが、何ということだ、面白い。『月は幽咽のデバイス』と全く印象が違う。ともかくわざとらしさが無い。瀬在丸紅子も、高慢なだけの存在ではないし、探偵の保呂草潤平は影が薄くて何とかしようよ、と言いたくなる。黒岩刑事も、もの足りないくらい素直。例外はアイドルの立花裕美だけれど、それは芸能人だから致し方ない。
というわけで、笑いながら読んでしまった。つい先日、この本を読み終わった娘に誰が好きだったか聞いてみた。質問してから、余りのくだらなさに自分が嫌になった。当然だろう、答えは一つしかないのだから。あっけらかんとした「小鳥遊練無が可愛い〜」という声が、「やっぱり練無でしょ」という声にかぶさる。
練無の可愛らしさにTV局の人間までもが彼を女性と思い込み、参加者全員が三人組のファンになっていくというのがよく分る。もしかすると練無は戦後推理小説史上最高のキャラクターかもしれない。こんな素敵な小説を、工学部の先生が書いていいの?って言いたくなってしまう。これで、影が薄くなる新本格作品が一杯出てくるんだろうなあ。でも、練夢なら、娘の恋人に、いや私のボーイフレンドにしたいくらいだ。あっ、タイトルの「夢」は練夢のことかもしれない。彼(彼女?)に逢いたいと思ったら、彼の魔性に囚われた証拠。だからタイトルが『夢・出逢い・魔性』。いやいや、もっと単純、夢で遭いましょう、なんだろうなあ。
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本格好きは期待しないで
2002/05/20 15:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:合歓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格!と名高い森さんですが、これはそうでもないです。Vシリーズンの中でも、テンションは割りと低め。保呂草もあまり活躍しません。中心なのは小鳥遊練無と瀬在丸紅子と香具山紫子。相変わらずのあの「喋り」とあの「お洋服」で大活躍でした。会話のノリも思わず笑ってしまうようなものばかり。ファンサーヴィス旺盛だなという気がしました。
しかし、メステリじたいはまあまあというところでしょうか。結局そうなの? とがっかりです。意外は意外でしたが、精神的なところへもってゆくのか…と。とくに「凄いトリックだ!」とは思えませんでした。今回はキャラで読ませる手法なのかもしれませんが…。
ただ、さいごにあの人が女性だったっていうのは(※小鳥遊練無のことではありません)、やっぱな、と思いつつ、叙述トリックは相変わらず冴えてるぜ、と思いました。
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現実とシンクロするVシリーズ
2002/03/12 03:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
三人娘(笑)テレビデビュー?幻想的と言うか、ホラーっぽい感じのお話でした。ストーリーは、お馴染みのメンバーがテレビの女子大生(!)クイズ大会に出場するため東京へ。そこで例によって事件に巻き込まれます。殺されたのは、番組のプロデューサー。彼は身近な人間に「20年以上前に死んだ恋人が、夢に出てくる。彼女に殺される…」と訴えていた。犯人は幽霊なのか?
最近、実際に起こる事件を考えると、こういう事件ってあり得そうで結構恐いです。現実と虚構のシンクロと言うか…。謎解きとは関係のない部分にお遊びもあったりして、なかなか楽しめました。
『Vシリーズ』を映像化するとしたら…、なんてキャスティングを考える楽しみもある1冊です。
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夢で逢いましょう…
2002/03/10 17:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:modern - この投稿者のレビュー一覧を見る
まずタイトルの妙である。「夢で逢いましょう」に係っているのはもちろん、英題が「You May Die in My Show」なのだからホームラン級だ。内容はと言えば、そんな色物然としたタイトルにも関わらず、バランスのとれた良作である。
舞台がテレビ局というだけで森ファンならいろいろ期待してしまうだろうが、そこに囚われ過ぎることもなく、視点の使い分けも上手い。論理的な部分と詩的で幻想的な部分。ストイックな部分とバラエティ豊かな部分。著者の二面性が綺麗に出された作品であり、絶対に読んで損は無い。