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紙の本
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
著者 乙一 (著)
九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです……。少女の死体をめぐる兄妹の暗黒の冒険。斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、天才少年・乙一のデビュー作、ついに文庫化。(解説・小...
夏と花火と私の死体 (集英社文庫)
夏と花火と私の死体
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商品説明
九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです……。少女の死体をめぐる兄妹の暗黒の冒険。斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、天才少年・乙一のデビュー作、ついに文庫化。(解説・小野不由美)
【商品解説】
収録作品一覧
夏と花火と私の死体 | 5-144 | |
---|---|---|
優子 | 145-214 |
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手元にあるのは2008年の版ですが
2018/06/21 15:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
階段にひとつ残されたサンダルが印象的な表紙です。
商品ページのものは最新版の表紙なのでしょうが、これはこれで凄いですね・・・。
個人的には『優子』の方が好きです。
紙の本
無邪気さ故の残酷さ
2010/01/15 20:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
乙一作品を読むのはこれが初めて。だからわたしにとってはハジメマシテの作家さん。しかしその存在を知らなかったわけではない。いやむしろ、こぼれ伝わってくる情報が多すぎて敬遠していたというべきだろう。
乙一といえばホラー。わたしの中で勝手に形成されたホラーイメージが強過ぎて、手に取るのをずっと躊躇っていたのだ。だってホラー苦手なんだもん。
しかし本書は乙一が16歳の時に執筆したデビュー作ということでぐぐっと勇気を振り絞って手に取ってみた(大袈裟)。読むのはもちろん太陽燦々のまっ昼間をチョイスしたけども。
そうしたら! 驚いたっ! 本書に描かれる「怖さ」とは、わたしがイメージしていたそれとは全く違っていたのだっ!!!
ホラーといえば、幽霊やお化けが出てくるものだと思い込んでいた。だから乙一の作品もてっきりその類だと…。
しかし本書で描かれているのは生身の人間の怖さだ。それも、『源氏物語』のように生き霊になった人間の恐ろしさではなく、日常生活をきちんと営んでいる、生き霊にもならない「普通の人間」の恐ろしさだ。
冒頭、本書の語り手であると思われる「わたし」こと五月ちゃんは、9歳の夏休みに友だちの弥生ちゃんに突き落とされて死んでしまう。不審な物音に気付いた兄の健くん(小学生)が弥生ちゃんの元にやってきて、五月ちゃんの死体を見つける――「五月ちゃん、死んでるじゃないか。弥生、泣いてちゃわからないだろ、何があったのか話してみなよ」。
弥生ちゃんは言う――「あのね……いつもの枝でお話ししてたらね……五月ちゃん滑って落ちちゃったの」。
「そうか、滑って落ちちゃったのか。それじゃあ仕方ないさ。弥生はなにも悪いことなんかしてないだろ、だから泣くのはやめなよ」
この会話がもうとてつもなく恐ろしい。友人を殺しておきながら、それをあっけらかんと隠す9歳の少女。故意ではないからと――まるで不注意でお皿を割ったときのように――「仕方がない」と言う少年。この無邪気さが恐ろしいのだ。
そして更に恐ろしいことに、ばれると困るという理由で幼い兄妹は「わたし」の死体を隠すことを決意する。
これが冒頭のあらすじ。そしてここから、兄妹は死体を隠しはじめるのだが、この時の様子がまた淡々としていて恐ろしい。
幽霊も生き霊も登場しないけれど、とにかく恐ろしいのだ。無邪気さ故の残酷さ――それがありありと描写されている。
本書には表題作の他に、『優子』というある心を病んだ人間についての短編が収録されている。表題作はところどころにちょっとした荒さが見えないでもないけれど、『優子』は素直に巧いと感じた。そして…やられたっ!!とも。
『夏と花火と私の死体』収録作品
・夏と花火と私の死体
・優子
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語り手は死体
2020/01/14 12:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
死体となった少女の視点め語られる物語という段階ですごい。それを破綻させずに最後まで持っていった構成力がすごい。
最後の最後まで不気味だった。
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衝撃のデビュー昨
2019/02/19 11:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
季節外れなこんな時期に夏のお話。ちょっぴり不気味なホラー。
短編集2編。
最初のお話は普通の年齢ならば、怖く感じなかったかもしれませんが、小学生達が主人公のせいか、妙に不気味に感じた。
末恐ろしい大人になりそう…。
2編目は、精神的なホラー作品。
主人公と一緒に怪しんだりはするものの、そのままでは終わらなかったのはいいとしても、幸せになれない結末なのに、不思議と爽やかに感じてしまった。
でもこの手の本は、昼間に読みたい。
寝る前にはやっぱり不気味です…。
紙の本
死体はどこに……
2002/04/10 13:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小野不由美が解説で言っているとおり、作品の優劣を作者の年齢で判断するのはどうかと思う。思うのだが、これを書いたのが当時16歳の高校生だったってのは、やっぱり驚くよなぁ。「ワープロの練習のために書いた小説がほめられて」小説家になったんだとか。う〜ん、すごい。構成力、描写力ともに、申し分なし。多少稚拙なところもあるにはあるが、たいした瑕ではなく、それがかえっていい味を出している。一応ホラーなんだけど、あんまり怖くないというか、すっとぼけたような、爽やかな感じさえする話だ。似たような話が思いつかないほど独創的。同時収録された「優子」もまずまずだが、表題作には及ばない。しかし凄いことに変わりはない。ヤング・ノベルだったからといって読まないのは損だ。
紙の本
天才の始まり。
2005/05/13 09:53
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者の作品、どれも設定が面白いのだが。デビュー作となる本作品
も非常に面白い。物語を語っていくのは、死体なのだ。
と言ってもゾンビのように生き返って復讐を・・・といったようなありきたりなB級ホラーではなく、ただ淡々と死体が自分のおかれた状況を説明し、物語は進んでいく。幼い小学生の兄妹が犯してしまった罪、秘密
それが見つかりそうになる、ハラハラ感。そして考えていたよりも驚きのラスト。
細かいツッコミを入れればキリが無いが、作者十七歳の時の作品と聞いて驚いた。天才の始まりが、確かにここにある。
紙の本
活字で綴る“絵”。
2003/07/25 13:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏休み。9歳の五月は友達の弥生に突き落とされて死んでしまう。
五月の死体「わたし」が語る、一夏のお話。
まず、絵が浮かぶ。
おかっぱの、さらさらの髪を揺らす「わたし」の死体。
弥生と弥生の兄・健のしぐさ、表情。
そして、暗闇。お宮。石垣。花火。
活字を追っていながら、絵を見て物語を読んでいたような気がする。
今でも思い浮かぶ。
利発な顔を歪め、汗を吹き出しながら暗闇を走る健の姿が。
今にも泣きそうな顔でその後を追う弥生の顔が。
流れた血は黒く固まり、白濁した目を見開いた「わたし」の死体が。
おどろおどろしい描写も、恐ろしい事件も起こらないのに、背筋が寒くなるのは、淡々とした語り口だからか。
いや。
拙さの残る表現が、子供の残酷さを強調しているからではないか。
そこまで計算されているとするならば、やはり乙一は素晴らしい。
同時収録の「優子」もしかり。
優しく、愛情あふれる旦那様の笑顔が、絵としてしっかり目に焼き付いている。
しかしこちらは、人形に取り憑かれた哀しいストーリー。
短編の“絵”は堪能した。
長編では、どんな“絵”を見せてくれるのだろう。
HPはこちらです。
紫微の乱読部屋
紙の本
若い才能に食われたひと時。
2001/09/15 02:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:竹井庭水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私の名前は五月。九歳の夏休み、私は死んだ。友達の弥生ちゃんに木の上から突き落とされて。弥生ちゃんは兄の健くんと私の死体を隠そうとするのだけど、大人たちも私を捜しはじめて…。
と、いうふうにこの物語は「死体の一人称」。死をきっかけに登場人物が神の視点に舞い上がるのがなんとも奇妙。その淡々とした語り口とのんびりとした田園風景、そして死体を扱うにはあまりにドライな感情の兄妹というミスマッチが読者の居心地を悪くするのに大成功。
タイトな展開にハラハラし、ラストは普段なら想像の範囲内のはずなのに驚いてしまって、これは作品世界に引き込まれすぎて考えも及ばなかったのかなぁとため息。執筆時作者は16歳。若い才能に食われたひと時。
電子書籍
見事な二編
2022/11/22 22:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作は中編でラストの展開に衝撃を受けた。ただ個人的には二話目の短編「優子」のほうが面白かった。古き良き昭和ミステリーの味があり、因縁とかそういう話はゾクゾクしてしまう。
紙の本
じわじわと記憶に入り込んできている
2018/10/13 02:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
あらすじなどについては、他の方も触れているので、ここでは触れません。
まず、言いたいのは、この本を最初に読んだ時は、私があまりこの本を好きになれなかったということです。かなり評判の本ではありましたが、そんなに後味も良くないし、死体目線(もしくは殺された幽霊目線)の話や2つ目の短編のような話は、ここ最近ではそこまで珍しくもないですし。
そんなこんなで、最初に読んだ時の感想は、ネットでの評判ほどのものではありませんでした。
ところがです、読んでしばらくしてから、ふとこの本を思い出すことがあるのです。私は普段、それなりに本を読んでいますが、内容をきちんと覚えていることは珍しいです。しかし、この本については、ところどころの印象に残ったシーンが思い出せるのです。
こういうところを考えると、この本はかなりレベルの高い本なのではないかと、巷の評判も納得です。印象に残る本というのは、やはり、何かを持っているということですから。
電子書籍
ホラー?
2017/08/17 12:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぺろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏休み、田舎を舞台にしたホラー?ミステリー?小説です。初めてこの作者の作品を読んだのですが亡くなった少女目線で書かれたストーリーだったので斬新?な感じの小説でした。
紙の本
狂気じみたそのストーリー展開
2017/04/28 22:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
『夏と花火と私の死体』
登場人物の思考回路がサイコパスを通り越して意味不明なところがシュールである。その展開もコミカルで、そのシュールさを増している。また語り部であるわたしは死体であるが、このわたしの出来事への叙述がその雰囲気を強めている。その文体や登場人物の言動があなたをおかしな世界へいざなってくれるでしょう。
『優子』
短い作品ながらも伏線の張り方が見事であり、その結末には驚きを感じた。
紙の本
最初の一編、ここから始まった。
2004/07/04 16:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
乙一、17歳のデビュー作「夏と花火と私の死体」です。いやはや、なるほど、これが17歳とはね。やはり驚きでしょう。ホラーの定義がわからないのですが、これはしっかりしたミステリーです。兄と妹に妹の友達は仲良し三人組で妹とその友達もお兄ちゃんが大好き、いつものように遊んでしてある事をきっかけに妹はその友達を殺害してしまいます。折しも近県で子供の誘拐事件が相次いで起こっている事から誘拐事件に見せかけようと兄妹は死体を隠す事にします。果たして上手く隠し通せるのか、発見されるのか…異様な設定で何処か重苦しい中、あっけらかんと死体を運び移動させる兄妹にハラハラさせられ、いつの間にか物語に引き込まれてしまう。しかし、それだけで終わらないのだ。そうか、そんなラストがあったのか…と、また驚かされるのである。表題作の他に「優子」一篇が収録されています。さてと、まだまだ攻めるぞ、乙一。ええーと、次は…。
紙の本
ぞわっと怖いぞ!すごい才能!
2002/07/28 15:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中にはすごい才能を持った人がいるのですねえ…。
十代半ばにしてこの作品ですか…。
第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。
表題作と「優子」の2編が収録されています。
「夏と花火と〜」は、なんと死体が語る、ある夏休みの出来事。
一人称の視点が、定まらなくて読みづらい点もあるのですが、
子供の残酷さと無邪気さがストレートに、表現されています。
さらにラストで、そんなオチって…。
もし、実際にそんな事件があったとしたら、
そこまで日本の警察の目をごまかすのは難しいとは思いますが、
ぞぞっと恐くなります。
「優子」の方は、一種の叙述トリックを使用した作品。
「はは〜ん、これは読めたぞ!」と思って読んでいると
(そういう風な、思わせ方が上手いんだ、これが!)
状況を気持ちよく、ひっくり返してくれます。
こちらの作品の方が、恐いかな…。
さすがにネット上でも、人気のある作家だけあって
しみじみ&ぞわっと恐い作品なのでした。
紙の本
うーん、非凡だーー!!
2002/01/23 11:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みずの - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品、書いたのは16歳のときと知って驚きました。
ストーリーは、友達の五月ちゃんを木から突き落として死なせてしまった(殺意アリ)弥生ちゃんが、兄の健くんと死体を隠す話ですが、殺された五月ちゃんが、「わたし」の一人称で語っていくのです。
つまり、自分の死体の場所や様子を実況中継しているかのようなのです。
うーん、非凡だーー!!
死体は何度も大人たちに見つかりそうになるのですが、健くんの頭の良さと運に助けられて…ラストは…せつないです。大人たちの会話にちらほらでてくる「最近の誘拐事件」も、そんな! そうだったのか…と幕を下ろします。
のどかな夏の田園風景、淡々と綴られた夏休みの日々も心地よく、夏と花火と死体がいっしょに並ぶことが自然に思えたりします。
ホラーは苦手な方にこそ、読んで欲しいです。